<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>統計 on FX検証日記</title><link>https://etherpoc.com/ja/tags/%E7%B5%B1%E8%A8%88/</link><description>Recent content in 統計 on FX検証日記</description><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Sat, 11 Jul 2026 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://etherpoc.com/ja/tags/%E7%B5%B1%E8%A8%88/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>「最後は裁量です」を検証できるようにした話</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/discretion-verify/</link><pubDate>Sat, 11 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/discretion-verify/</guid><description>&lt;p&gt;&lt;a href="https://etherpoc.com/ja/posts/youtube-verify/"&gt;動画から売買ルールを自動で抜き出して検証する仕組み&lt;/a&gt;を作ってから、いくつもの手法動画を検証してきました。そこで毎回ぶつかる壁が「&lt;strong&gt;最後の判断は裁量です&lt;/strong&gt;」という言葉です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;エントリー条件までは機械化できても、「取るか見送るかは経験で判断」「違和感があったら入らない」と言われると、そこで検証が止まってしまう。裁量は反証できない逃げ道になっているわけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで、&lt;strong&gt;裁量そのものを検証の土俵に乗せる仕組み&lt;/strong&gt;を作りました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="目的-裁量ですを数字の主張に変える"&gt;目的: 「裁量です」を数字の主張に変える&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;やりたいことはシンプルで、次の2つの質問に数字で答えることです。&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;仮に裁量が完璧だったら、この手法はいくら稼げるのか?&lt;/strong&gt;(上限の測定)&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;動画が主張する成績を出すには、どれくらいの判断力が必要なのか?&lt;/strong&gt;(必要スキルの逆算)&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;この2つが分かれば、「裁量で勝てる」という主張を、検証可能な命題として扱えます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="方法1-裁量の上限を測るブラケット法"&gt;方法1: 裁量の上限を測る(ブラケット法)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;手法の機械化できる部分(セットアップ条件)だけでバックテストし、出てきた全トレードを「候補」とします。そのうえで3通りの成績を測ります。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;床&lt;/strong&gt;: 裁量なし。候補を全部取った場合&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;天井&lt;/strong&gt;: 未来を知っている完璧な裁量が、候補の上位3分の1だけを選んだ場合&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;対照&lt;/strong&gt;: サイコロで同じ数だけ選んだ場合(比較のための基準)&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;ポイントは天井です。&lt;strong&gt;未来を知る裁量でも稼げない手法は、どんな達人でも救えません&lt;/strong&gt;。ここで検証を打ち切れます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="方法2-必要な判断力を逆算する"&gt;方法2: 必要な判断力を逆算する&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;裁量を「確率κ(カッパ)で正しい情報を持ち、残りは当てずっぽう」という判断モデルとして扱います。κ=0が完全な当てずっぽう、κ=1が未来を知っている状態です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;κを0から1まで動かしてシミュレーションすると、「目標の成績に必要な最低κ」が逆算できます。これで「裁量で勝率80%」のような主張を、「それには κ=0.6 の判断力が必要です。あなたはそれを証明できますか?」という具体的な問いに変換できます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="方法3-裁量の常套句を機械化して総当たりする"&gt;方法3: 裁量の常套句を機械化して総当たりする&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;「トレンドが出ている時だけ」「勢いのある足で」「重要なラインの近くで」「伸びしろがある時だけ」——動画でよく聞く言い回しを、価格データだけで判定できる条件12種類として実装しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これを候補トレードに一括で当てはめ、&lt;strong&gt;どの条件なら成績が改善するか&lt;/strong&gt;を総当たりで調べます。ここで大事なのが統計の補正です。12個も条件を試せば、偶然良く見えるものが必ず混ざります。多重検定補正(FDR)をかけて、偶然を除いた「本物の改善」だけを拾います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="実際に測った結果"&gt;実際に測った結果&lt;/h2&gt;
&lt;h3 id="例1-勝率80をうたう動画手法"&gt;例1: 「勝率80%」をうたう動画手法&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;以前の検証で機械化部分がコインフリップ(勝率51.9%、PF0.78、月利-0.03%)と判明していた手法です。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;天井(完璧な裁量で上位3分の1を選別): 勝率100%になるが、&lt;strong&gt;月利は+0.10%が限界&lt;/strong&gt;(1トレードのリスク0.5%の場合)。セットアップが11年で79回しか出ないため、選び方が完璧でも量が足りない&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;動画公称の勝率80%に必要な判断力: &lt;strong&gt;κ=0.60&lt;/strong&gt;。3回に2回近く未来を知っているのと同じ情報量で、現実的とは言えません&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;裁量の常套句12種を総当たり: &lt;strong&gt;どれも偶然と区別できず&lt;/strong&gt;(最良の条件でもPF1.09止まり)&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;つまりこの手法は、(a)裁量に求められる水準が非現実的、(b)仮に本当でもほとんど稼げない、という二重の理由で棄却できます。以前なら「裁量次第かもしれない」で終わっていた話に、白黒がつきました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="例2-実運用中の平均回帰ロジック意外な発見"&gt;例2: 実運用中の平均回帰ロジック(意外な発見)&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;対照実験として、実際に運用しているロジック(床でPF1.44、月利+0.22%)にも同じ検証をかけました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結果は意外で、&lt;strong&gt;「良さそうなトレードだけ厳選する」という行為自体が有害&lt;/strong&gt;でした。当てずっぽうで3分の1に絞るとPFは1.45のままですが、月利は+0.07%に落ちます。取引の数が減った分を質で取り返すには κ=0.3 以上の判断力が必要で、12種類の条件はどれもそこに届きませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;すでに優位性があるロジックには、下手に人間の「厳選」を足さないほうがいい&lt;/strong&gt;——自動売買に手を出したくなる誘惑への、定量的な答えです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="おまけ-自分の裁量力も測れる"&gt;おまけ: 自分の裁量力も測れる&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;同じ枠組みで、人間の判断力そのものも測れます。過去チャートを銘柄も日付も伏せて1枚ずつ表示し、「このエントリー、乗る?見送る?」に答えていくクイズ形式のツールです。回答をためると、自分のκが統計的に推定できます(κ=0.3の実力を証明するには約80問)。&lt;/p&gt;</description></item></channel></rss>