<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>機械学習 on FX検証日記</title><link>https://etherpoc.com/ja/tags/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92/</link><description>Recent content in 機械学習 on FX検証日記</description><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Fri, 24 Jul 2026 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://etherpoc.com/ja/tags/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>+33.8%の最適解が前進検証で-3.0%に消えた、複雑化3方向の全滅記録</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/indicator-stacking/</link><pubDate>Fri, 24 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/indicator-stacking/</guid><description>&lt;p&gt;検証期間全体で+33.8%、PF1.15。この数字を見た瞬間は「ついに見つけたか」と思いました。ところが前進検証にかけると通算-3.0%、5年中勝てたのは1年だけ。きれいに消えたんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は、こういう「複雑にしたら勝てそうで勝てなかった」検証5本(研究34/44/45/47/61)を1つの物語にまとめたものです。試した複雑化は3方向。機械学習に大量の特徴量を掘らせる、指標を重ねる(フラクタル単体、フラクタル×指標、時間足をまたぐ複合)、そして時間足を短くする。結論はすべて不採用でした。ただ、5本が全部同じ負け方をしたことにこそ価値があるので、その構図まで書きます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと前提知識"&gt;はじめに: このブログと前提知識&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、手法を統計検証して勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。検証には主要通貨や金の実データ(1分足から日足まで)を使っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;用語を3つだけ。PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を超えると黒字。DD(ドローダウン)は資産の山からの下落率で、登山でいう「どれだけ下りに転じたか」。そして今回の主役が前進検証(ウォークフォワード)です。過去数年分のデータで最適な設定を選び、その設定を次の1年の未知データで試す、を繰り返すテスト方法で、「過去に合わせ込んだだけの偽物」をあぶり出します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/walkforward.png" alt="図: ウォークフォワード検証の概念図。学習期間と検証期間をずらしながら繰り返します。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 前進検証の仕組み。過去で選んだ設定を未知の期間で答え合わせします。今回の5本はこの関門で全滅しました。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="方向1-機械学習に19個の特徴量を掘らせる研究34"&gt;方向1: 機械学習に19個の特徴量を掘らせる(研究34)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず一番力ずくな方向から。移動平均やADX、モメンタムなど19個の特徴量を機械学習(LightGBM)に食わせ、20通貨ペアで値動きの方向を予測させました。未来のデータを盗み見るリークを防ぐため、学習期間と検証期間の間を空けるエンバーゴ処理付きのウォークフォワードです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;予測対象&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;成績&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;備考&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;翌日の方向&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-12.4%/的中率50.9%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;コイン投げと同水準&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;5期間先・10期間先(買い売り両方)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;負け&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;ショート側が足を引く&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;10期間先・買いのみ&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+6.3%/DD-3.2%/8年中6年勝ち&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;唯一のプラス&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;唯一勝てた「10期間先・買いのみ」で、モデルが重視した特徴量を調べると、200日移動平均・ADX・モメンタムでした。トレンド指標ばかりです。機械学習は未知の宝を掘り当てたのではなく、私がルールベースで既に使っているトレンドフォローを再発見しただけでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;翌日の方向予測すら的中率50.9%。最も柔軟な手法に自由に掘らせても、価格データから出てくる実体のある優位性は「トレンドに乗る」以外にない。この結論が、後の全検証の伏線になります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="方向2-指標を重ねるまず土台のフラクタルが崩れた研究44"&gt;方向2: 指標を重ねる。まず土台のフラクタルが崩れた(研究44)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;次は王道の複雑化、指標の重ね掛けです。土台に選んだのはビル・ウィリアムズのフラクタル(中央のバーが前後n本より高い、または安いときに付く高値安値のサイン)。ルックアヘッド(未来のデータを使ってしまうミス)を防ぐ補正を入れた上で、まず教科書通り、買い売り対称・フィルタなしで動かすと、1時間足で-98%、4時間足で+1%、日足で-13%。1時間足はほぼ全損です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/donchian.png" alt="図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 高値安値ブレイクの構図。フラクタルの実体はこれと同じものでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで買いのみに絞り移動平均フィルタを付けると、固定期間の検証では日足+13.8%/PF1.39/DD-5.7%、4時間足+24.6%と急に見栄えが良くなります。ところが前進検証では日足が通算-8.4%で7年中1年しか勝てず、4時間足も-5.4%で7年中3年。あっけなく崩壊しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;とどめに、運用中のトレンドフォローEAとの日次相関を測ると0.83。フラクタルは新しい情報を見つけているのではなく、スイングの高値安値を検出しているだけ、つまりドンチャンチャネル(高値安値ブレイクの古典手法)の焼き直しだったんです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="それでも重ねるフラクタルrsiadxの8通り研究45"&gt;それでも重ねる、フラクタル×RSI×ADXの8通り(研究45)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;土台が弱くても、指標を重ねれば安定するのでは?と思いますよね。私も思いました。そこでRSI(過熱感の指標)やADX(トレンドの強さの指標)を単独・複合で足した8通りを前進検証にかけました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結果は全滅です。合格基準は「通算プラスかつ7年中5年以上勝つこと」でしたが、8通りのどれも届かず、最良の組み合わせでも4時間足で勝ち年4/7、通算はほぼゼロ。固定期間では利益が50%以上増えて見えた「フラクタル+RSI70以下」のような組み合わせも例外ではありませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;注目してほしいのは劣化の仕方です。フィルタを足すほど取引回数が減り、最初は良く見えた数字が、検証を広げるとどんどん平均に沈んでいく。過剰最適化(特定の過去データへの合わせ込み)が解けたら、優位性ごと消えました。もともと優位性のない部品は、いくつ束ねてもゼロのままなんです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="複合の頂点時間足をまたぐrsi移動平均研究47"&gt;複合の頂点、時間足をまたぐRSI+移動平均(研究47)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;重ね掛けの最終形として、マルチタイムフレーム(MTF。異なる時間軸のチャートを組み合わせること)も試しました。上位足の移動平均で大きな流れを見て、下位足の移動平均でトレンドを確認し、RSIで押し目を拾う3段構え。4つの時間軸ペアに各36通りの設定を試しました。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;検証方法&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;成績&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;固定期間の最適解(H1+H4)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+33.8%/PF1.15&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;固定期間の最適解(H4+D1)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+15.5%/PF1.11&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;前進検証(3年学習→1年テスト)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;通算-3.0%/5年中1年勝ち&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;最適設定を他通貨へ横展開&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;通算-11.0%/6通貨中2通貨のみプラス&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;冒頭の数字はここです。固定期間の+33.8%が、前進検証で-3.0%に化けました。しかも各期間で選ばれる設定は移動平均100と200、RSIの買い基準30と50の間を行ったり来たり。毎回言うことが変わる予報士と同じで、安定した法則を掴んでいない証拠です。&lt;/p&gt;</description></item><item><title>AIが学んだロット調整はデタラメ設定に負けた、賢い工夫7連敗の記録</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/smart-sizing-placebo/</link><pubDate>Fri, 24 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/smart-sizing-placebo/</guid><description>&lt;p&gt;AIに真面目に学習させたロット調整の月利は+0.72%。その学習結果をわざとシャッフルしたデタラメ設定は+1.57%でした。賢くしたはずの仕組みが、賢さを壊したものに負けたんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は、リスク管理を「賢く」しようとした8つの検証を1本の系譜にまとめたものです。機械学習にリスクを予測させる、強化学習にレバレッジを選ばせる、暴落時の安全資産フライトを取りに行く、トレンドの質でトレードを選別する、強いラインに厚く張る、通貨の相関を監視して手を緩める。結論から言うと、ほぼ全部効きませんでした。生き残ったのは、口座残高の曲線を眺めて取引量を半分にするだけの、一番単純な仕組みです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと読むのに必要な言葉"&gt;はじめに: このブログと、読むのに必要な言葉&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、手法を統計検証して勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。検証にはFX・金銀・株価指数の実データ約11年分を使っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;言葉を4つだけ先に。PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を超えると黒字。DD(ドローダウン)は資産が最高値からどれだけ下がったかで、登山でいう「どれだけ下りに転じたか」です。オーバーレイは、売買ロジック本体には触らず、上から取引量だけを調整する層のこと。vol-targetは直近の値動きの大きさに応じてロットを自動調整する、オーバーレイの代表格です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/drawdown.png" alt="図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: ドローダウンのイメージ。今回の系譜は全て「この谷を賢く浅くできないか」という試みでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="出発点-残高が沈んだら半分にする研究26"&gt;出発点: 残高が沈んだら半分にする(研究26)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;系譜の起点はとても素朴な仕組みです。口座残高の曲線が自身の60日移動平均線を下回ったら、取引量を半分にする。エクイティ・オーバーレイと呼ばれる古典的な手法で、要するに「調子が悪い時期は手を緩める」だけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;金と円クロス4ペア(XAUUSD・USDJPY・GBPJPY・EURJPY・CHFJPY)の1時間足トレンドフォローに載せて、1トレードあたり資金の0.4%のリスクで比較しました。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;指標&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;フィルタなし&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;フィルタあり&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;最大DD&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-17.4%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-15.2%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;月利&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;0.99%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;0.76%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;PF&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;1.35&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;1.28&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;DDは約13%浅くなりましたが、月利も比例して減りました。移動平均のラグで、本来は利益を伸ばすべき回復局面まで削ってしまうためです。リスクを0.6%に上げても月利1.07%でDD-22%と伸びは限定的。この設定でプロップファームの審査を模したMC(モンテカルロ合格率。日次リターンを再標本化して合格確率を推定した値)を測ると、ステップ1で77%、全体で62%でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまりこの仕組みは魔法ではなく、リターンを差し出してDDを買う正直な取引です。到達点も見えました。DD10%以下の安全運転で月利0.5%前後、DD15%程度まで攻めて1%前後。ここが価格データだけで引き出せる水準の天井に近い、というのがこの時点の結論でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;じゃあもっと賢くすれば、この交換レートを超えられるのでは?と思いますよね。私も思いました。ここからが本編です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="機械学習に危ない時期を予測させた研究100"&gt;機械学習に「危ない時期」を予測させた(研究100)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず機械学習(LightGBM)です。相場の方向ではなく、先行きのリスクを予測させました。直近のボラティリティやモメンタム、DD状態、米国株指数との距離を材料に、次の20日間の変動率を予測してレバレッジを調整する仕組みです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2019〜2025年のデータでの初回結果は月利3.12%、DD10%。従来のvol-target+株式フィルタ構成(月利1.16%)の2.7倍で、出来すぎなくらい優秀に見えました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;出来すぎた数字は疑うのが検証の作法です。まず期間を2018年まで広げると月利は1.64%に縮小。さらにプラセボ検証をかけました。予測値をランダムにシャッフルし、情報価値ゼロのまま同じ分布でレバレッジを動かすテストです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;検証内容&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;月利&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;機械学習の予測でレバ調整&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;1.64%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;プラセボ(予測をシャッフル)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;1.44%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;予測の純粋な上乗せ分&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;0.20%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;見かけの優位の大半は「たまたまそういうレバレッジ分布だった」ことの副産物で、予測が生んだ上乗せは月0.20%。ノイズの域です。真因もはっきりしています。トレンドフォローでは、直近の変動率がすでに将来の変動率をほぼ言い当てているんです。機械学習が学ぶ余地が、最初からほとんど残っていませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/walkforward.png" alt="図: ウォークフォワード検証のイメージ。学習期間と検証期間をずらしながら前進させ、後知恵を排除します。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 研究100も105もウォークフォワード(前進検証)で実施。それでもプラセボとの比較まではやらないと、見かけの優位に騙されるところでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="強化学習に任せたらデタラメに負けた研究105"&gt;強化学習に任せたら、デタラメに負けた(研究105)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;機械学習の敗因を踏まえ、次は条件を絞った強化学習(contextual bandit)で再挑戦しました。相場の状態をボラティリティ3分位×株式フィルタのオン/オフ×DD状態に区分けし、それぞれの状態で最適なレバレッジを0.5/1.0/1.5から選ばせる、自由度の低い設計です。&lt;/p&gt;</description></item><item><title>『最後は裁量です』を88条件と最新AIの目で測り尽くした話</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/discretion-final/</link><pubDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/discretion-final/</guid><description>&lt;p&gt;手法解説動画の決め台詞があります。「最後は裁量です」。ルールを機械的に検証して勝てないと示しても、この一言で議論は振り出しに戻ります。裁量は言葉にできない、だから測れない、だから否定もできない、というわけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;本当にそうでしょうか。私は裁量を「候補の中から良いトレードを選び出す情報量」と定義し直せば測れると考えました。そして言語化できる条件88種、市場をまたぐ環境認識、MTF(マルチタイムフレーム)の全組合せ、機械学習、最新の視覚AI、さらに自分自身のブラインドテストまで、裁量が通れる経路を片っ端から測定しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結論を先に言うと、&lt;strong&gt;選別情報はどの経路にもゼロ&lt;/strong&gt;でした。この記事は7本の検証(研究222/225/239/240/241/242と追補)を1つの結論に束ねた、長い報告です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログについて"&gt;はじめに: このブログについて&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに一言だけ。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、世の中の手法や自分の思いつきを統計検証して、勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。この記事も単体で読めるように書いています。検証データはFX18通貨ペア・金銀・株価指数の実データ約11年分と、米国株283銘柄の日足約21年分です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="準備-裁量を測る物差し"&gt;準備: 裁量を測る物差し&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず物差しの説明から。ある手法の機械的な核(裁量抜きで全候補を取る場合)の成績を「床」と呼びます。次に、未来を知る神様が候補から選び放題だった場合の成績を「天井」と呼びます。裁量の価値とは、床と天井の間のどこまで登れるかです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これを1つの数字にしたのがκ(カッパ)で、0なら偶然と同じ、1なら神様と同じ選別力。そして目標の成績(例えばPF 1.3)に必要なκを逆算したものがκ*(必要スキル量)です。この枠組みの良いところは、「裁量で勝てる」という主張を「κがκ*を超えている」という検証可能な命題に変換できることです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/kappa.png" alt="図: 裁量の価値を測る物差し(概念図)。床と天井の間のどこまで登れるか。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: この記事全体の物差し。赤が実測されたκ̂の最大値(0.10)、オレンジの縁がκ&lt;/em&gt;=0.15。以降の全ての測定は、この赤い棒がオレンジに届くかどうかの勝負です。*&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="経路1-市場をまたぐ環境認識研究222"&gt;経路1: 市場をまたぐ環境認識(研究222)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;最初の経路は「別の市場を見る目」です。米国株が荒れている時はFXの逆張りを止める、金が強い時だけトレンドに乗る。こうしたクロス市場のレジーム条件8種で、トレンド核と逆張りスリーブの全トレードを層別しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結果は二段オチでした。まず、統計的に本物の関係が2つ見つかります。逆張りスリーブは米国株リスクオンでPF 1.48→1.70、凪でPF 1.96まで改善し、逆にリスクオフではPF 0.63まで溶ける。「逆張りは平穏な相場の戦略」という構造は確かに実在します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ところがこの関係、配備済みの防御ガード2つ(株ショックガードとequityフィルタ)が既に突いているものと同一でした。独立に再発見しただけ。しかも効果量κ̂は0.05前後で、実用の目安0.25の5分の1。781件という大標本だから統計的に有意に見えただけで、経済的にはほぼ無です。「統計的に有意」と「使える」の距離を体感した検証でした。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="経路2-言語化できる裁量最後の在庫16種研究240"&gt;経路2: 言語化できる裁量、最後の在庫16種(研究240)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;過去の検証で機械化済みの裁量概念は72種ありました。ログと突き合わせて本当に未収録の概念だけを洗い出すと、16種残っていました。意外なことに、その中には裁量の王道中の王道、&lt;strong&gt;RSIダイバージェンス&lt;/strong&gt;が含まれていたんです(みんな当然測っただろうと思い込んでいた)。他にフィボナッチの押し目深度(38.2〜61.8%)、斜めライン際、トレンドの若さ、3波目、キリ番、ボラの中庸、「綺麗なチャート」、セッション時間帯、そして「レベルでのダイバージェンス」などの複合3種。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2正面で測りました。まず&lt;strong&gt;エントリー条件として&lt;/strong&gt;の2,769検定。生き残ったように見えた11件は、全てNYセッション×4時間足ショートの1グループで、時間帯分解すると効果は22時台のバーに全集中。23時以降のスプレッド拡大でbid値が沈む、例の深夜アーティファクトの4度目の再出現でした。真の生存はゼロ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;次に&lt;strong&gt;選別条件として&lt;/strong&gt;。負け骨格(後述のMTFプルバック、床PF 0.879)に16条件を全部かけても、救えた条件はゼロでした。王道のRSIダイバージェンスですら選別後PF 0.97で水面下のまま。勝ち骨格(Connors逆張り、床PF 1.45)にかけると、どの条件も頻度を削って月利を下げるだけ。Connors逆張りというのは、私のEAで実際に稼働している「200日線より上でRSI(2)が10を切った押し目を買う」ロジックのことです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/connors.png" alt="図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 「勝ち骨格」の実例。既に機能しているこのロジックに裁量条件を上乗せしても、頻度が減るだけで質は上がりませんでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;言語化できる裁量概念は累計88種、全て選別情報なし&lt;/strong&gt;がここで確定しました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="経路3-mtfの全組合せ研究239242と追補"&gt;経路3: MTFの全組合せ(研究239/242と追補)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;「上位足で環境認識、下位足でタイミング」。ほぼ全ての手法解説に登場する王道の構図です。過去に個別の手法(勝率80%を謳うものなど)は検証済みでしたが、構図そのものの全数走査は未実施でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;やったことは網羅です。時間足ペア5種(日足→4時間、4時間→1時間、1時間→15分など)×FX金属20銘柄×上位足コンテキスト4種(ダウ構造、パーフェクトオーダー、200日線、強トレンド)×下位足トリガー6種(EMAリクロス、RSI反発、反転足、勢い足、ブレイク、スクイーズ明け)×順張りと逆張りの全象限×2ホライズン。深夜の幻は走査段階で除外済みです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;18,219検定、最初のFDR関門の生存ゼロ。&lt;/strong&gt; 惜しかった上位陣もコスト未満か、教科書と逆符号ばかりでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「モメンタムが持続する株式市場なら違うのでは」という反論も予想されたので、個別株にも展開しました。283銘柄の週足環境×日足トリガーで10,911検定。株ロングは強気相場のかさ上げがあるので、フォワード・リターンから銘柄×期間ごとの平均ドリフトを差し引き、「買い持ちを超える超過」だけを効きと数える対照を入れています。結果、生存ゼロ。月足環境版の8,554検定もゼロ。ルール決定期間の上位候補は未使用期間で符号反転(-506bp→+147bpのような乱高下)し、ただの銘柄固有ノイズでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この経路の収穫は、裁量の必要量を数値化できたことです。教科書MTFプルバックの機械核は床PF 0.879(月利-4.89%)の負け骨格。でも候補は月100件以上出るので、神様ならPF 97まで行けます。天井は高い。つまり勝負は純粋にκ次第で、PF 1.3にはκ*=0.15、動画常套句の「勝率70%」にはκ*=0.45〜0.60が必要。そして言語化された条件のκ̂は最大0.10で全て非有意。&lt;strong&gt;「MTFは裁量で完成する」という定型句は、「κ0.15の壁を越えられる何かがあるなら」という条件文に変換された&lt;/strong&gt;わけです。&lt;/p&gt;</description></item></channel></rss>