<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>多重検定 on FX検証日記</title><link>https://etherpoc.com/ja/tags/%E5%A4%9A%E9%87%8D%E6%A4%9C%E5%AE%9A/</link><description>Recent content in 多重検定 on FX検証日記</description><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Fri, 24 Jul 2026 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://etherpoc.com/ja/tags/%E5%A4%9A%E9%87%8D%E6%A4%9C%E5%AE%9A/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>優位性なしと切り捨てた買いのトレンドが前進検証+52.6%で本物だった</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/scan-era-longonly/</link><pubDate>Fri, 24 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/scan-era-longonly/</guid><description>&lt;p&gt;「FXの価格データに、標準的なテクニカル指標で取れる優位性は無い」。一度は検証ノートにそう結論を書きました。ところがこの結論、後に自分の手で訂正することになります。ロングオンリー(買い専用)のトレンドフォローだけは本物で、前進検証で通算+52.6%。見逃していた原因は市場ではなく、私の検証設計のほうにあったんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は、私の検証ノートの転換期にあたる7本(研究13/14/15/19/20/23/25)を1つの物語にまとめたものです。標準テクニカルを次々にスキャンしては棄却し、データの罠を踏み、弱い候補を束ね、最後に結論の訂正へ辿り着くまでの記録。負けの数字も全部そのまま載せます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと読むのに必要な前提"&gt;はじめに: このブログと、読むのに必要な前提&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、手法を統計検証して勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。目標はプロップファーム(自己資金でなく業者の資金を運用し、利益の一部を受け取る仕組み)の審査に合格し、継続的に出金できるEAを作ることです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;用語を先に4つだけ。PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を超えると黒字。IS/OOSはデータを「ルールを決める期間(イン・サンプル)」と「答え合わせ専用の未使用期間(アウト・オブ・サンプル)」に分けること。ウォークフォワード(前進検証)は、過去のデータだけでルールや設定を決めて、まだ見ていない次の期間で試す手続きの繰り返しです。後出しジャンケンを防ぐ仕組みだと思ってください。DDはドローダウンで、資産の山からの下落率です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/walkforward.png" alt="図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: この記事の全研究で使う前進検証の考え方。この仕組みが、後半で「本物」と「後知恵」を見分ける主役になります。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="研究13-相場つきで戦略を切り替える案の全滅"&gt;研究13: 相場つきで戦略を切り替える案の全滅&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;出発点は、多くの人が一度は考えるアイデアでした。相場には流れが続く「トレンド局面」と、行ったり来たりの「レンジ局面」がある。ならばADX(トレンドの強さを測る指標)で局面を判定し、トレンド局面では順張り、レンジ局面では逆張りに切り替えれば、両方のいいとこ取りができるのでは。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ウォークフォワードで測った結果がこれです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;時間軸&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;通算損益&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;勝ち年数&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;D1(日足)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-9.5%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;3/7年&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;H4(4時間足)&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-29.4%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;2/7年&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;どちらの時間軸でも資産を減らしました。ここで得た教訓は単純で、優位性のない部品をどれだけ組み合わせても優位性は生まれない、ということです。順張り単体も逆張り単体もダメだったものを、切り替えスイッチを付けたからといって勝てるようにはならなかった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この時点で、標準的なテクニカル(順張り・逆張り・その複合)はほぼ試し尽くしていました。残る筋の良い価格ベースの仮説は1枚だけ。通貨間の相対的な強弱を使うクロスセクション・モメンタムです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="研究14-最後の手札も沈み一度限界と書いた"&gt;研究14: 最後の手札も沈み、一度「限界」と書いた&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;クロスセクション・モメンタムは「強い通貨を買い、弱い通貨を売る」という手法で、FXでは学術的な裏付けもある、それまでとは別のメカニズムです。これを最後の価格ベース検証と位置づけて測りました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結果は全滅でした。強弱を判定する期間を固定した全期間検証は、どの設定でも通算-11%から-40%のマイナス。ウォークフォワードでも通算-8.6%です。真因を覗くと、円が絡むペアは相対強弱の視点で見ても「勢いが続く」より「元の水準に戻る」平均回帰の動きが目立ち、勢いを追う戦略と根本的に相性が悪いのでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここで私は検証ノートに総括を書きます。手元の価格データと標準テクニカルでは、プロップの継続出金に足る頑健な優位性は見つからない。これ以上の変種探しはデータ漁り(偶然の当たり拾い)になる、と。後から振り返ると、この総括は半分正しくて半分間違っていました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="研究15-混ぜて薄めていたことに気づき全数スキャンへ"&gt;研究15: 混ぜて薄めていたことに気づき、全数スキャンへ&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;転機は自分の検証設計への疑いから来ました。それまで私は円建て6ペアをまとめて(プールして)検証していたんです。これだと、特定の通貨だけに存在する尖った優位性が、他の通貨の凡庸な成績と平均されて消えてしまう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで方針を変え、20通貨ペア×4手法を日足で総当たりする全数スキャンを走らせました。個別に見ると、有望な候補が浮かび上がります。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;通貨ペア×手法&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;OOS通算&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;勝ち年&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;年平均&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;XAUUSD(金)×ドンチャン&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+21.8%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;5/7年&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+3.1%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;AUDJPY×ドンチャン&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+12.6%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;5/7年&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;GBPNZD×RSI&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+9.4%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;6/7年&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/donchian.png" alt="図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。"&gt;&lt;/p&gt;</description></item><item><title>38,439回の検定で市場を全数調査したら残ったのは2ヶ所だけだった</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/census-38k/</link><pubDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/census-38k/</guid><description>&lt;p&gt;「まだ誰も気づいていないパターンが、データのどこかに眠っているのでは」。トレーダーなら一度は考えるこの問いに、力ずくで答えを出しました。価格と出来高から機械的に作れる候補を3つの層で網羅的に定義し、合計38,439回の統計検定で市場を全数調査。結論から言うと、実在するエッジは2ヶ所だけ。しかも両方とも、既に知っているものでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は5本の検証(研究220/234/235/236/237)を1つの物語にまとめたものです。数字の羅列ではなく、「なぜこの設計にしたのか」「候補はどの関門でどう死んだのか」まで書きます。ネガティブな結果ほど、過程に価値が宿るからです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと読むのに必要な前提"&gt;はじめに: このブログと、読むのに必要な前提&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、手法を統計検証して勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。検証にはFX18通貨ペア・金銀・株価指数の実データ約11年分(1分足から日足まで)を使っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;用語を4つだけ。&lt;strong&gt;PF&lt;/strong&gt;(プロフィットファクター)=総利益÷総損失で1超なら黒字。&lt;strong&gt;IS/OOS&lt;/strong&gt;=データを「ルールを決める期間(In-Sample)」と「答え合わせ専用の未使用期間(Out-Of-Sample)」に分けること。&lt;strong&gt;FDR補正&lt;/strong&gt;=たくさん検定したときに紛れ込む偶然の当たりを統計的に間引く手続き。&lt;strong&gt;bp&lt;/strong&gt;(ベーシスポイント)=0.01%のことで、1トレードあたりの平均リターンを表すのに使います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/funnel.png" alt="図: 検証ファネル。多数のアイデアがクリーンデータ・前進検証・日中M1・モンテカルロの関門で絞られ、採用はごく一部です。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 検証ファネル。候補は関門を通るたびに減っていきます。今回は3万8千の入口から、新規採用ゼロでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="なぜ全数にこだわるのか"&gt;なぜ「全数」にこだわるのか&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;先に方法論の話をさせてください。手法探しには2つの罠があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つは&lt;strong&gt;つまみ食いの罠&lt;/strong&gt;。思いついた手法だけ試すと、「試していない何か」への未練が永遠に残ります。もう1つは&lt;strong&gt;多重検定の罠&lt;/strong&gt;。たくさん試せば、偶然だけで「勝てて見える」候補が必ず出ます。コインを1,000回投げれば、誰かは10連続で表を出す。その人を「コイン投げの達人」と呼んではいけません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;全数調査はこの2つを同時に潰す設計です。探索空間を先に定義し切ってから全部試すので未練が残らず、試行回数が既知なので「その回数試したら偶然でどれだけ出るか」を統計的に補正できます。補正にはBH-FDRという手法(発見のうち偽物の割合を10%以下に抑える基準)を使い、さらにルール決定期間(IS)で生き残った候補だけを未使用期間(OOS)で再検定する2段構えにしました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="前置き-地図の穴を1つ塞ぐ研究220"&gt;前置き: 地図の穴を1つ塞ぐ(研究220)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;本編の前に1つ事件がありました。過去に実施した戦略アーキタイプの全数調査(41手法×26銘柄×4時間足)を監査していて、TDシーケンシャルという人気手法だけがプログラムのクラス名誤記でエラーになり、丸ごと集計から抜けていたことが発覚したんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「全数調査しました」と言いながら1手法が数え漏れていたら、結論の信頼性に関わります。急いで26銘柄×4時間足×3変種=276組合せを、他と同じ統計基準で検定しました。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;FDR関門の生存: 265件中ゼロ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;3変種の未使用データ月次リターン: 全てマイナス(-0.056〜-0.241%)&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;最良に見えたp値(0.020)の正体: 実トレード12件の極小標本&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;唯一トレード数が十分だった金の1時間足: 最大DD-54%で有意性なし&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;穴の中にお宝は眠っておらず、地図は元から正しかった。誤記も修正し、以後の再実行では正しく含まれます。「本当に全部見たのか?」を自分で監査する作業は、新手法探しと同じくらい大事です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="第1層-素朴な状態64種研究2348781検定"&gt;第1層: 素朴な状態64種(研究234・8,781検定)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;本編です。まず「戦略」という単位より一段細かい層から。ローソクの解剖(実体・ヒゲの比率など12種)、連続陽線・陰線、レンジとボラの状態、レンジ内の位置、ギャップ、時間アンカー、状態同士の交互作用、そして通貨横断の強弱。価格から作れる64の素朴な「状態」を定義し、「その状態の次のバーで何が起きるか」を26銘柄×4時間足(15分足は初探索)×2ホライズンで直接検定しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ふるいの通過状況はこうです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;段階&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;残存数&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;全検定&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;8,781&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;2段FDR通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;636&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;コスト超え&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;73&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;精密検証+対照通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;数件&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;選択バイアス補正(DSR)通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;&lt;strong&gt;0&lt;/strong&gt;&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;途中に嬉しい発見がありました。コスト超え73件のうち34件が、&lt;strong&gt;配備済みの週末ギャップ・スリーブの独立再発見&lt;/strong&gt;だったんです。ゼロから数え直した機械が、私が実際に運用しているエッジを正しく掘り当てた。全数調査という方法自体の答え合わせとして、これ以上の結果はありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;残る39件は精密検証で沈みました。多くは指数ロングのベータ(上げ相場では押し目買いが何でも勝って見える)で、ランダムタイミング対照(同じ銘柄・同じ回数をデタラメな時点で買う200セット)と区別が付かない。CHFJPYのギャップ系でPF4.55という怪物も出ましたが、ロールオーバーの薄商い時間帯に集中していて執行が非現実的でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最後まで残ったのはマイナー通貨ペアの15分足の逆張り群です。逆張り(平均回帰)とは、下がりすぎた価格の戻りを狙う買い方です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/rsi.png" alt="図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 逆張りのイメージ。売られすぎの反発を狙います。センサスが繰り返し拾ったのは、この構図の15分足版でした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;</description></item></channel></rss>