<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>動的レバレッジ on FX検証日記</title><link>https://etherpoc.com/ja/tags/%E5%8B%95%E7%9A%84%E3%83%AC%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8/</link><description>Recent content in 動的レバレッジ on FX検証日記</description><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://etherpoc.com/ja/tags/%E5%8B%95%E7%9A%84%E3%83%AC%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>防御を無段階にしたら、同じ危険度で出金が27%増えた話</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/contshock-leverage/</link><pubDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/contshock-leverage/</guid><description>&lt;p&gt;防御スイッチを「オン/オフ」から「無段階」に変える。たったそれだけの変更が、検証を8本連鎖させて、最終的にプロップ口座の定常運用の月次出金を1.92%から2.43%へ、27%引き上げました。リスクは増えていません。むしろ危機時の破綻確率は下がっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は、その全過程(研究223/226/227/228/229/230と2本の追補)を1つの物語として記録するものです。単に結果を並べるのではなく、各段階で「なぜその選択をしたか」まで書きます。EAの改善は1つの数字ではなく、判断の連鎖でできているからです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと前提を3分で"&gt;はじめに: このブログと、前提を3分で&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに前提から。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA=Expert Advisor)を自作し、思いつく手法を片っ端から統計検証して、勝ちも負けもそのまま記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号で、この記事は読み物として単体で完結するように書いています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事の舞台は&lt;strong&gt;プロップファーム&lt;/strong&gt;の口座です。プロップファームとは、審査(チャレンジ)に合格すると会社の資金で取引させてもらえて、利益の一部(私の場合80%)を受け取れるサービスのこと。1万円台の参加費で1,000万円規模の口座を運転できる代わりに、&lt;strong&gt;日次-5%・累計-10%の損失ラインに一瞬でも触れたら即失格&lt;/strong&gt;という厳しいルールがあります。私のEAはこの口座で実際に稼働中です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/prop.png" alt="図: プロップ口座の失格ライン(概念図)。日中に一瞬でも触れたら退場。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: プロップ口座のルール。オレンジの日次-5%ラインは毎日引き直され、赤の最大-10%ラインは恒久です。この記事の全ての判断は「このラインに触れる確率」を軸に回ります。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;用語も3つだけ先に。&lt;strong&gt;PF&lt;/strong&gt;(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を超えると黒字。&lt;strong&gt;DD&lt;/strong&gt;(ドローダウン)は資産が最高値からどれだけ下がったかで、リスクの実感値。&lt;strong&gt;モンテカルロ&lt;/strong&gt;は、日々の損益データをシャッフルして「あり得た運命」を何千通りも再生し、運の良し悪しごと評価するシミュレーション手法です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/mc.png" alt="図: モンテカルロの考え方(シミュレーション例)。あり得た口座の運命を何千通りも再生し、運の幅ごと評価します。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: この物語の主役はモンテカルロ。すべての意思決定を「あり得た運命の分布」で判定しています。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="前提-株ショックガードとは何か"&gt;前提: 株ショックガードとは何か&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず舞台装置の説明から。私のEAは8つのスリーブ(サブ戦略)を束ねた構成で、FXのトレンドフォローと逆張り、指数、金などを並行して動かしています。その上に防御機構が2つ載っていて、片方が今回の主役「株ショックガード」です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;仕組みは単純で、米国株(US500)の直近5日リターンが閾値を超えて下落したら、新規エントリーのサイズを半分に絞る。これは過去の検証(研究193)で「大きなドローダウンの解剖」から生まれた装置で、リスクオフの初動では逆張り系スリーブが落ちるナイフを掴みやすい、という実測に基づいています。危機年だけを除外して学習し直すホールドアウト監査(研究216)でも、未見の危機6つ中4つでDDを改善し、悪化させた危機はゼロ。つまり後付けの過剰適合ではない、本物の防御です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただし従来版には設計上の粗さがありました。閾値を1ピクセルでも超えたら0.5倍、超えなければ1.0倍という二値スイッチだったことです。-2.9%の下落なら素通しで、-3.1%なら半減。この崖のような応答は、直感的にも不自然ですよね。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="第1章-連続化のアイデアと最初の実測研究223"&gt;第1章: 連続化のアイデアと、最初の実測(研究223)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;そこで、下落の深さに応じて1.0倍から0.5倍まで滑らかに補間する「連続版」に置き換えてみました。深い下落ほど強く絞り、浅い下落でも早めに絞り始める応答です。ホールド期間中は最深の強度を保持します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここで検証設計上、一番こだわった点があります。&lt;strong&gt;新しいパラメータの最適化を一切していない&lt;/strong&gt;ことです。二値時代の閾値をそのまま連続応答の中心に読み替えただけなので、データに合わせて曲線を「調整」する余地がほぼありません。過剰適合を防ぐ一番確実な方法は、自由度を最初から与えないことです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結果はこうでした。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;指標&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;二値(従来)&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;連続版&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;ルール決定期間(2015-23)の最大DD&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-8.6%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-7.9%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;未使用期間(2023-26)の最大DD&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-3.6%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-3.2%&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;未使用期間の月利&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+1.409%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+1.409%(完全に同一)&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;リターンは小数第3位まで同じで、ドローダウンの谷だけが両期間で浅くなる。リスクを増やして同じDDまで取り直すと仮定した「同DD換算月利」では、ルール決定期間で+4%、未使用期間で+12%の改善に相当します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;同じ発想をもう1つの防御(米国株が200日線を割ったら核を縮小するequityフィルタ)にも適用してみたのですが、こちらはDDが-8.6%から-10.6%へ逆に悪化しました。浅い逆張り局面で、二値なら容赦なく半減するところを、連続版は中途半端に露出を残してしまうからです。この対比は重要な学びでした。&lt;strong&gt;連続化は万能の上位互換ではなく、「深いほど危険」という単調な構造を持つ機構にだけ効く&lt;/strong&gt;。防御の設計は機構ごとに個別評価が要ります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="第2章-配備前の3関門研究226"&gt;第2章: 配備前の3関門(研究226)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;バックテストで良く見えた改善案が、そのまま実口座に載ることはありません。このプロジェクトでは3つの関門を通します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つ目は&lt;strong&gt;プロップM1検証&lt;/strong&gt;。日足ベースのバックテストは「1日の終わりの成績」しか見えませんが、プロップ口座の失格ライン(日次-5%、最大-10%)は日中のどの瞬間に触れてもアウトです。そこで1分足データから口座の日中推移を完全に再構築し、失格ラインとの距離を測ります。2つ目は&lt;strong&gt;3年複利のモンテカルロ&lt;/strong&gt;。日次リターンをブロック・ブートストラップして12,000本の「あり得た3年」を生成し、最悪側の分布を見ます。3つ目は&lt;strong&gt;近傍プラトー&lt;/strong&gt;。採用するパラメータの周辺を動かしても結論が保つか。たまたま尖った点に立っているだけの改善は、実運用で必ず裏切るからです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;関門&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;二値(従来)&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;連続版&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;判定&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;日次-5%への抵触日数&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;0日&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;0日&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;維持&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;日中最悪の1日&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-3.43%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;-3.04%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;改善&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;MCのmaxDD95%点&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;9.2%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;8.8%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;改善&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;DD10%超の確率&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;3.0%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;2.4%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;改善&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;近傍5設定の同DD月利&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+1.409%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;+1.549〜+1.605%&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;全設定で上回る=高原&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;3関門とも通過、しかもリスク指標は全て改善方向でした。普通の改善は「リターンが増える代わりにリスクも増える」交換ですが、これはリターン同等でリスクだけ下がる、めったにない純アップグレードです。深い下落ほど強く絞る連続応答が、最悪の日をピンポイントで浅くしてくれている。ここでEA本体への実装と実口座への配備を確定しました。&lt;/p&gt;</description></item></channel></rss>