<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>ロールオーバー on FX検証日記</title><link>https://etherpoc.com/ja/tags/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC/</link><description>Recent content in ロールオーバー on FX検証日記</description><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://etherpoc.com/ja/tags/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>38,439回の検定で市場を全数調査したら残ったのは2ヶ所だけだった</title><link>https://etherpoc.com/ja/posts/census-38k/</link><pubDate>Tue, 21 Jul 2026 00:00:00 +0000</pubDate><guid>https://etherpoc.com/ja/posts/census-38k/</guid><description>&lt;p&gt;「まだ誰も気づいていないパターンが、データのどこかに眠っているのでは」。トレーダーなら一度は考えるこの問いに、力ずくで答えを出しました。価格と出来高から機械的に作れる候補を3つの層で網羅的に定義し、合計38,439回の統計検定で市場を全数調査。結論から言うと、実在するエッジは2ヶ所だけ。しかも両方とも、既に知っているものでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この記事は5本の検証(研究220/234/235/236/237)を1つの物語にまとめたものです。数字の羅列ではなく、「なぜこの設計にしたのか」「候補はどの関門でどう死んだのか」まで書きます。ネガティブな結果ほど、過程に価値が宿るからです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="はじめに-このブログと読むのに必要な前提"&gt;はじめに: このブログと、読むのに必要な前提&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;初めての方向けに。このブログは、私(個人)がFXの自動売買プログラム(EA)を自作し、手法を統計検証して勝敗問わず記録している検証日記です。文中の「研究N」は私の検証ノートの通し番号。検証にはFX18通貨ペア・金銀・株価指数の実データ約11年分(1分足から日足まで)を使っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;用語を4つだけ。&lt;strong&gt;PF&lt;/strong&gt;(プロフィットファクター)=総利益÷総損失で1超なら黒字。&lt;strong&gt;IS/OOS&lt;/strong&gt;=データを「ルールを決める期間(In-Sample)」と「答え合わせ専用の未使用期間(Out-Of-Sample)」に分けること。&lt;strong&gt;FDR補正&lt;/strong&gt;=たくさん検定したときに紛れ込む偶然の当たりを統計的に間引く手続き。&lt;strong&gt;bp&lt;/strong&gt;(ベーシスポイント)=0.01%のことで、1トレードあたりの平均リターンを表すのに使います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/funnel.png" alt="図: 検証ファネル。多数のアイデアがクリーンデータ・前進検証・日中M1・モンテカルロの関門で絞られ、採用はごく一部です。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 検証ファネル。候補は関門を通るたびに減っていきます。今回は3万8千の入口から、新規採用ゼロでした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="なぜ全数にこだわるのか"&gt;なぜ「全数」にこだわるのか&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;先に方法論の話をさせてください。手法探しには2つの罠があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つは&lt;strong&gt;つまみ食いの罠&lt;/strong&gt;。思いついた手法だけ試すと、「試していない何か」への未練が永遠に残ります。もう1つは&lt;strong&gt;多重検定の罠&lt;/strong&gt;。たくさん試せば、偶然だけで「勝てて見える」候補が必ず出ます。コインを1,000回投げれば、誰かは10連続で表を出す。その人を「コイン投げの達人」と呼んではいけません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;全数調査はこの2つを同時に潰す設計です。探索空間を先に定義し切ってから全部試すので未練が残らず、試行回数が既知なので「その回数試したら偶然でどれだけ出るか」を統計的に補正できます。補正にはBH-FDRという手法(発見のうち偽物の割合を10%以下に抑える基準)を使い、さらにルール決定期間(IS)で生き残った候補だけを未使用期間(OOS)で再検定する2段構えにしました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="前置き-地図の穴を1つ塞ぐ研究220"&gt;前置き: 地図の穴を1つ塞ぐ(研究220)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;本編の前に1つ事件がありました。過去に実施した戦略アーキタイプの全数調査(41手法×26銘柄×4時間足)を監査していて、TDシーケンシャルという人気手法だけがプログラムのクラス名誤記でエラーになり、丸ごと集計から抜けていたことが発覚したんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「全数調査しました」と言いながら1手法が数え漏れていたら、結論の信頼性に関わります。急いで26銘柄×4時間足×3変種=276組合せを、他と同じ統計基準で検定しました。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;FDR関門の生存: 265件中ゼロ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;3変種の未使用データ月次リターン: 全てマイナス(-0.056〜-0.241%)&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;最良に見えたp値(0.020)の正体: 実トレード12件の極小標本&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;唯一トレード数が十分だった金の1時間足: 最大DD-54%で有意性なし&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;穴の中にお宝は眠っておらず、地図は元から正しかった。誤記も修正し、以後の再実行では正しく含まれます。「本当に全部見たのか?」を自分で監査する作業は、新手法探しと同じくらい大事です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="第1層-素朴な状態64種研究2348781検定"&gt;第1層: 素朴な状態64種(研究234・8,781検定)&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;本編です。まず「戦略」という単位より一段細かい層から。ローソクの解剖(実体・ヒゲの比率など12種)、連続陽線・陰線、レンジとボラの状態、レンジ内の位置、ギャップ、時間アンカー、状態同士の交互作用、そして通貨横断の強弱。価格から作れる64の素朴な「状態」を定義し、「その状態の次のバーで何が起きるか」を26銘柄×4時間足(15分足は初探索)×2ホライズンで直接検定しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ふるいの通過状況はこうです。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
	&lt;thead&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;th&gt;段階&lt;/th&gt;
					&lt;th&gt;残存数&lt;/th&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/thead&gt;
	&lt;tbody&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;全検定&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;8,781&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;2段FDR通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;636&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;コスト超え&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;73&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;精密検証+対照通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;数件&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
			&lt;tr&gt;
					&lt;td&gt;選択バイアス補正(DSR)通過&lt;/td&gt;
					&lt;td&gt;&lt;strong&gt;0&lt;/strong&gt;&lt;/td&gt;
			&lt;/tr&gt;
	&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;途中に嬉しい発見がありました。コスト超え73件のうち34件が、&lt;strong&gt;配備済みの週末ギャップ・スリーブの独立再発見&lt;/strong&gt;だったんです。ゼロから数え直した機械が、私が実際に運用しているエッジを正しく掘り当てた。全数調査という方法自体の答え合わせとして、これ以上の結果はありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;残る39件は精密検証で沈みました。多くは指数ロングのベータ(上げ相場では押し目買いが何でも勝って見える)で、ランダムタイミング対照(同じ銘柄・同じ回数をデタラメな時点で買う200セット)と区別が付かない。CHFJPYのギャップ系でPF4.55という怪物も出ましたが、ロールオーバーの薄商い時間帯に集中していて執行が非現実的でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最後まで残ったのはマイナー通貨ペアの15分足の逆張り群です。逆張り(平均回帰)とは、下がりすぎた価格の戻りを狙う買い方です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img src="https://etherpoc.com/charts/ex/rsi.png" alt="図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;em&gt;図: 逆張りのイメージ。売られすぎの反発を狙います。センサスが繰り返し拾ったのは、この構図の15分足版でした。&lt;/em&gt;&lt;/p&gt;</description></item></channel></rss>