
研究276 較正コスト下のスリーブ経済性再審査 = 新構成候補「構成E」(index除外+tc金抜き)が定常安全基準を回復: 定常kcap3.5で月次1.743%/ストレス失格2.9%(≦4%✓, 現行D較正後は1.594%/26.5%)・挑戦もわずかに高速化=現行Dを月次・安全性の両面で支配
Phase A(現状分解, CAL較正下):
1. 仮説とねらい
リスク・サイジング・ドローダウン制御の検証記録です。エッジを安全に運用へ落とすための要です。
この検証で確かめたい出発点は次の通りです。
Phase A(現状分解, CAL較正下):
2. 検証の設計(どう組んだか)
いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時間軸 | M1 |
| くぐらせた関門 | パラメータ頑健性 → M1日中リスク → コスト耐性 |
この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。
3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)
ステップ1: 検証ステップ
まず、スリーブ単体Δ月利: index -0.198(PF5.66→1.75=エッジの73%がfinancingで消滅)・tc -0.089(金swap -16.6%が主)・wgap -0.075(comm)・connors -0.059・tjl -0.035・sat2 -0.007(受取相殺でほぼ無傷)。
ステップ2: コスト耐性の確認
次に、1取引経済: index=保有中央83泊/平均154泊・swap/取引-65.7bp vs 純益+25.3bp(コスト/粗利0.72)。tc/金=1451取引で純益+0.33bp/取引・コスト/粗利0.79=ほぼ空転。wgap comm 1.06bp/取引 vs 純益+5.18bp(0.17)=健全。
ステップ3: 検証ステップ
続いて、LOO(CALポートフォリオ): -index=月利-0.024ptでDD+4.65pt改善(-14.79→-10.14%)・-tc=DD+3.78pt・-connors=DD-4.14pt悪化(分散源=残す)・-wgap=月利-0.241pt(最大の稼ぎ頭=残す)。
ステップ4: イン/アウトサンプル評価
さらに、Phase B(変種比較, 全てCAL・IS/OOS併記): B2(index除外+tc金抜き)=月利+0.836%/PF1.55/DD-9.18%(現行D較正後: +0.877/1.48/-14.79)。B3保有短縮(exit60→30)はDD-14.45%でほぼ効かず棄却・B4半減は中間でB2に劣後。B2はIS+0.688/OOS+1.189で一貫。等スケールB2×1.2=月利+0.930%/DD-10.90%=現行Dを月利・DDの両面で支配。
ステップ5: M1日中リスクの検証
加えて、Phase C(B2の日中M1・cont_shock+CAL, 6985取引, m.min-3.13%):
ステップ6: 検証ステップ
そのうえで、挑戦(静的k→kb2.0/cap2.5): k2.5=到達99.9%/中央188日/1年内63.3%/参加費¥12,745(D較正後194日/58.8%より改善)・k3.0=172日・k3.5=156日。両方ストレスk2.5=到達99.6%/中央224日。
ステップ7: 検証ステップ
そして、定常(C=15%×kb2.0): kcap2.5=月次1.394%/ストレス失格2.2%✓ / 3.0=1.563%/2.5%✓ / 3.5=1.743%/2.9%✓ / 4.0=1.832%/3.0%✓ = 全kcapで安全基準(≦4%)回復。
ステップ8: イン/アウトサンプル評価
続いて、選択バイアス注記: 変種は4種のみ・選定基準は事前宣言(コスト会計→LOO→安全ゲート)でリターン追いの探索ではない。IS/OOS一貫を確認。ただしindexスリーブのOOS(2023+株高)取り分を手放す面はある=レジーム依存(金利低下でfinancingは自動縮小しindex経済性は復活し得る)。
ステップ9: パラメータ頑健性の確認
続いて、VERDICT: 構成E候補として採用推奨・実機反映はユーザーGO待ち(実弾影響ルール)。金エクスポージャはtjl/sat2/calに残存(効率の良い短期保有のみ)。indexは「現行金利では保有financingがエッジの73%を食う」構造問題であり、パラメータ調整(B3/B4)では解決しない=除外が正解。
4. 結果のまとめ(主要指標)
検証で得られた代表的な数値です(同一記事内に複数条件がある場合は代表値)。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 月利 | +0.836% |
| 最大DD | -9.18% |
| PF | 5.66 |
| 最大損失失格 | 2.2% |
5. 結論・次の一手
以上のステップを踏まえた判断です。
- 開いている道: (1)ユーザーGO後の実装=EAスリーブ設定変更(InpIndexRisk=0等はプリセットで可能か要確認・不可なら新版数)+運用プラン文書更新 (2)金利低下時のindex再追加判定(スワップ再較正=deals実測でトリガー・価格外データ不使用のまま可能) (3)B2×スケール昇格(×1.2でD支配)はM1日中再確認後の別判断 (4)tc金抜きで浮いたリスク予算の再配分(研究123のconnors増枠等)。
用語と検証手法
この記事で出てくる主な用語です。
- M1日中検証: 日足では見えない保有中の含み益の吐き出しを分足(M1)で再構築し、プロップの日次-5%/最大-10%抵触を検出します。日足評価だけだと日中の失格を見逃します。
- PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。
- ドローダウン(DD): 資産の山からの最大下落率。プロップの最大-10%等の制約に直結する最重要リスク指標です。
- ロジックと優位性(エッジ): 「ロジック」は売買ルールそのもの(仕組み)。「優位性(エッジ)」はそのロジックが持つ“勝てる性質”(コストや偶然を超えたプラスの期待値)。ロジックは無数にありますが、本物の優位性を持つものはごく一部です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。