研究274 スワップ/手数料の実測較正とCore構成D再測定 = 現行金利レジーム前提のフォワード期待は月利+0.88%/PF1.48/DD-14.8%/MC61.9%(基準比 -0.18pt/-0.21/-6.5pt/-13.3pt)。スワップの実体はpips級でなく金利級(金・指数のfinancing≈計-61%/11年)=研究203の一律pipスイープは過小評価だった

リスク管理 · 1 min

較正手法: Fintokei実チャレンジdeals 37往復を、エンジンと同一のスワップ計上単位(平日日付跨ぎ=1・木曜跨ぎ=3倍)でpips/泊化。

1. 仮説とねらい

リスク・サイジング・ドローダウン制御の検証記録です。エッジを安全に運用へ落とすための要です。

この検証で確かめたい出発点は次の通りです。

較正手法: Fintokei実チャレンジdeals 37往復(2026-07-03〜08-07, 2ターミナルdedupe)を、エンジンと同一のスワップ計上単位(平日日付跨ぎ=1・木曜跨ぎ=3倍)でpips/泊化。GBPUSDのみ両方向実測があり両側マークアップm=0.375pipsを推定→未実測方向はミラー(-実測-m, 推定受取は0クランプ)・未実測FX銘柄は-0.25一律(研究203のC水準)・未実測指数はUS500実測のfinancing比0.0144%/泊を価格スケール。手数料はFX/金972円/lot往復・指数0の実測をBrokerConfig.commission_by_symbol(新設・銘柄別片道手数料)へ注入。

2. 検証の設計(どう組んだか)

いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。

項目内容
対象銘柄円クロス / 金(XAUUSD) / 株価指数 / 米株価指数
時間軸H1
検証期間2026-07 , 2015-2026 , 2015-2021
くぐらせた関門モンテカルロ合格率 → コスト耐性

この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。

3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)

ステップ1: 検証ステップ

まず、較正値(pips/泊, 正=受取): 円クロスLは受取(USDJPY+1.02/GBPJPY+1.30/EURJPY+0.41)・USDCAD L+0.37。XAUUSD L-55.1(-$55/lot/泊=金利4.9%/年相当)・US500 L-1.05pt/泊(5.0%/年相当)・US30 L-3.7pt=現物価格×USD金利のfinancingそのもの。

ステップ2: モンテカルロ合格率の推定

次に、構成D再測定(研究209と同一アセンブリ・8スリーブ・2015-2026・MC5000): | シナリオ | 月利 | PF | DD | MC全体 | |—|—|—|—|—| | B 基準(=研究209再現。整合✓) | +1.060% | 1.69 | -8.33% | 75.3% | | COM 手数料のみ較正 | +1.006% | 1.62 | -9.11% | 71.5% | | CAL 中心較正 | +0.877% | 1.48 | -14.79% | 61.9% | | CAL0 保守(受取0クランプ) | +0.841% | 1.45 | -16.40% | 59.7% |

ステップ3: 検証ステップ

続いて、スリーブ別swap寄与(CAL, 11.4年累計/初期比): index -27.6%(US500-13.7/US100-9.1/US30-4.8)・tc -10.6%(XAUUSD-16.6が主因・円クロス受取が一部相殺)・connors -8.3%(指数分)・tjl -4.9%(金)・sat2 +0.8。金合計≈-26%・指数合計≈-35%。手数料は計-26%でうちwgapが-18.9%(全体の7割)=高頻度H1スリーブは手数料感応度が高い。

ステップ4: コスト耐性の確認

さらに、誠実性の注記: 較正値は2026年夏の金利レジームのスナップショットを2015-2026へ一定適用=「現在のコスト条件が続く場合のフォワード期待」であり史実再現ではない(ZIRP期2015-2021の実歴史はBに近い)。CAL↔CAL0の幅がレジーム不確実性の括り。JP225/UK100はUS500比の保守推定(実際はJPY/GBP金利建てでより軽い可能性)。

ステップ5: コスト耐性の確認

加えて、VERDICT: 採用(較正値=実測既定として整備・update_forward.py/reconcile_forward.pyの参照値も較正後へ更新)。EAロジック変更なし(実口座は元からこのコストを払っており、バックテストが現実に追いついただけ)。ただし運用プラン数値(研究213/228/229: 初回出金140日・破綻2.3%等)はB分布前提のため要再計算

ステップ6: モンテカルロ合格率の推定

そのうえで、開いている道: (1)運用プランMCのCAL分布での再計算(挑戦k2.5のfail-fast設計が61.9%でも成立するか) (2)較正コスト下のスリーブ経済性再審査=特にindex/金(現行金利では保有financingがエッジの過半を食う。carry方向選好はswap実測値のみで検討可=研究203の道(3)) (3)未実測銘柄(JP225/UK100/CHFJPY等)のdeals到着後の再較正 (4)HFM実口座はswap/comm=0を観測(スワップフリー口座)=Personal側は較正不要の可能性(n=14で継続観測)。

用語と検証手法

この記事で出てくる主な用語です。

  • モンテカルロ(MC): 日次リターンをブロック・ブートストラップで多数回再標本化し、プロップのルールを適用して合格確率を推定します。
  • robust5: 金(XAUUSD)+円クロス4(USDJPY/GBPJPY/EURJPY/CHFJPY)で構成するトレンド核バスケット。「トレンドする通貨」に絞った原理的な選択です。
  • PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。
  • ドローダウン(DD): 資産の山からの最大下落率。プロップの最大-10%等の制約に直結する最重要リスク指標です。
  • ロジックと優位性(エッジ): 「ロジック」は売買ルールそのもの(仕組み)。「優位性(エッジ)」はそのロジックが持つ“勝てる性質”(コストや偶然を超えたプラスの期待値)。ロジックは無数にありますが、本物の優位性を持つものはごく一部です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。