研究256 hg16生存者バイアスの実証検証(つぶれた株の実データ) = エッジは本物: 実測p_eff=0.36%/エントリー×実測損失-12%で月利+4.66→+4.53%の微減・破綻には実測破綻率の4倍(全損仮定)〜20倍超(実測損失)が必要

却下手法 · 1 min

研究253の残課題「2026年生存銘柄しかパネルに居ない選択バイアス」を無料データで実証: [A]母集団の破綻率×[B]実死亡銘柄への直接適用×[C]実測値での注入再測定。

1. 仮説とねらい

前進検証やコストで却下された手法の記録です。偽エッジ(過剰最適化・データ品質・後知恵)を避けるための監査証跡として残します。

この検証で確かめたい出発点は次の通りです。

研究253の残課題「2026年生存銘柄しかパネルに居ない選択バイアス」を無料データで実証: [A]母集団の破綻率×[B]実死亡銘柄への直接適用×[C]実測値での注入再測定。

2. 検証の設計(どう組んだか)

いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。

項目内容
対象銘柄株価指数
検証期間2011-2025 , 2008-09 , 2023-04
くぐらせた関門モンテカルロ合格率

この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。

3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)

ステップ1: 検証ステップ

まず、[A] S&P500変更履歴(Wikipedia, 完全年2011-2025×14年)の除外理由分類: 倒産/破綻級=4件(FRC/SBNY/SIVB/PCG)=0.057%/銘柄年・買収2.00%/年・時価総額落ち1.49%/年(指数除外だけで上場は継続=データパネルには残る)。※2008-09年はテーブル不完全でGFC分(LEH等)は率に未算入→中小型・GFC込みはストレス×5でブラケット。

ステップ2: モンテカルロ合格率の推定

次に、[B] 実死亡6銘柄(FNMA/FMCC=GFC-99%・FRCB=First Republic 2023→0・BIGGQ=Big Lots 2024→0・SDCCQ=SmileDirectClub→0・ARVLF=Arrival→0)にhg16確定形を直接適用: 死亡前1年のエントリー k_death=14.8回/死・1エントリー平均 L_death=-12.2%(中央-2.1%・worst-100%・n=89)。10日強制決済+道中のデッドキャットバウンス(+15〜30%が多数)が損失を制限し、研究253が損益分岐に置いた「毎回全損」はほぼ発生しない(SVB型の即死は月曜引けエントリー自体が不成立=木金暴落→月曜前に管理下)。fill≥$2(パネル品質フィルタ相当)に限ると mean-3.1%。

ステップ3: 検証ステップ

続いて、データ罠の記録: YahooのBBBYはOverstock/Beyond系列に誤マッピング(2023-04-21が$17.86≠実際の$0.29)=旧Bed Bathの崩壊を含まず不使用。ティッカー再利用(GM/HTZ/SHLD/SI等)と履歴切断(YELLQ/SBNY)も多数=Yahooで死亡銘柄を扱う際は範囲と終値の目視確認必須。

ステップ4: 検証ステップ

さらに、[C] 合成: パネル613銘柄=23,592機会/10,103銘柄年 → λ=2.34件/銘柄年。p_eff = d×k_death/λ = 0.363%/エントリー=研究253損益分岐(1.5〜2%)の24%。16seed注入(MTM・研究253同一エンジン): 基準 月利+4.66%/PF1.67/DD-41.8% → 実測中心(p0.363%,-12%) +4.53%/PF1.64/DD-42.5%・ストレス×5(中小型相当0.29%/年) +3.94%/PF1.54/DD-46.3%・×5+worst(-100%) -0.31%/PF1.04・×17+全損 -11.5%。 逆算: 全損仮定でも損益分岐に必要な破綻率 d≈0.24%/銘柄年=S&P500実測の4倍*(実測損失-12%なら20倍超)。

ステップ5: 検証ステップ

加えて、VERDICT: hg16のエッジは生存者バイアスの実証検証後も本物。現実的な期待バンドは研究253の「月利+3.5〜4.5%/PF1.5前後」を維持し中心は上側(+4.5%)に寄る。50/50合成(推奨形)はhg16比重50%でドラッグ半減=結論不変。実運用は点時点の品質フロア(直近価格≥$2・出来高下限)で死銘柄末期を自然除外するのが研究253/256と整合。

4. 結果のまとめ(主要指標)

検証で得られた代表的な数値です(同一記事内に複数条件がある場合は代表値)。

指標
月利+4.66%
最大DD-41.8%
PF1.67

5. 結論・次の一手

以上のステップを踏まえた判断です。

  • 開いている道: (1)残る限界=死亡銘柄の「非死亡期」履歴の欠落(通常期のMR寄与を失う=補完すれば結論はむしろ強まる方向) (2)ミーム/マイクロキャップ寄りに運用を広げる場合の破綻率上振れ→$2/出来高フロアの明文化 (3)CRSP級の完全上場廃止込みデータでの最終確認(有料=ユーザー判断) (4)少額実弾フォワード。

用語と検証手法

この記事で出てくる主な用語です。

  • モンテカルロ(MC): 日次リターンをブロック・ブートストラップで多数回再標本化し、プロップのルールを適用して合格確率を推定します。
  • PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。
  • ドローダウン(DD): 資産の山からの最大下落率。プロップの最大-10%等の制約に直結する最重要リスク指標です。
  • ロジックと優位性(エッジ): 「ロジック」は売買ルールそのもの(仕組み)。「優位性(エッジ)」はそのロジックが持つ“勝てる性質”(コストや偶然を超えたプラスの期待値)。ロジックは無数にありますが、本物の優位性を持つものはごく一部です。

図: モンテカルロの考え方(シミュレーション例)。あり得た口座の運命を何千通りも再生し、運の幅ごと評価します。

図: モンテカルロの考え方(シミュレーション例)。あり得た口座の運命を何千通りも再生し、運の幅ごと評価します。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。