
研究254 Personal最小ロット掃引=「データ通り」になる最低元手 = 目安は口座×k≧100万円で月利比95%・≧500万円で99〜100%(低k2=100万/500万・中k3=70万/300万・高k5=20万/100万)。副産物=基盤の重大バグ2件を発見・修正: ①sat2スリーブがcore.INITIAL/_BROKERに非追随(口座≠100万の合算でsat2寄与が希釈/過大=スケール不変性の破れ) ②wgapが_BROKER差し込み時に保守コスト消失
経緯: 掃引初版で「口座5億でもn維持100%なのに月利比93%頭打ち」の異常→診断でmin_lot無関係・分数ロット基準自体がINITIAL依存と判明→スリーブ直接呼び出しでsat2特定(PF/n同一で月利だけ崩壊=equityが自前INITIAL=100万のまま合算されていた)。
1. 仮説とねらい
前進検証やコストで却下された手法の記録です。偽エッジ(過剰最適化・データ品質・後知恵)を避けるための監査証跡として残します。
この検証で確かめたい出発点は次の通りです。
経緯: 掃引初版で「口座5億でもn維持100%なのに月利比93%頭打ち」の異常→診断でmin_lot無関係・分数ロット基準自体がINITIAL依存と判明→スリーブ直接呼び出しでsat2特定(PF/n同一で月利だけ崩壊=equityが自前INITIAL=100万のまま合算されていた)。修正後は100万vs5億で完全一致を実測。既定INITIAL=100万の標準結果(構成D 月利1.06%/PF1.69等)は全て不変。run_checks全PASS。研究162の100万行(k=1, -13%)は非影響だが、200万〜1000万行の月利はバグで過小(実際はほぼ収束)。
2. 検証の設計(どう組んだか)
いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 戦略・ロジック | ブレイクアウト(long) |
| 検証期間 | 2026-07 , 2015-20 , 2021-25 |
| くぐらせた関門 | モンテカルロ合格率 |
この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。
3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)
ステップ1: イン/アウトサンプル評価
まず、落とし穴の記録: 分離診断でrisk=0を渡すとBreakoutLong等がrisk_pct falsy→固定lots=0.1にフォールバックし偽トレードが出る(strategies/breakout_long.py:258)。スリーブ分離はストリーム関数を直接呼ぶこと。
ステップ2: 検証ステップ
次に、数字(構成D+wgap・min_lot0.01・JPY口座・全期間複利。月利比=同k分数ロット基準比。PFは全水準1.69基準): k2.0(低): 基準 月利+1.450%/PF1.69。50万=94%・100万=95%・200万=97%・300万=98%・500万=99%・1000万〜=100% k3.0(中): 基準 +1.793%/PF1.69。35万=94%・70万=96%・100万=97%・200万=98%・300万=99%・500万〜=100% k5.0(高): 基準 +2.312%/PF1.69。20万=95%・30万=96%・50万=98%・100万=99%・300万〜=100% =劣化は口座×k積でスケール。小口座はPFむしろ上昇(1.7→1.8-1.9)・DD浅くなる(スキップ=広SL×小riskトレードの除外が品質フィルタ的に働き、リターン希釈<リスク低減)。
ステップ3: 検証ステップ
続いて、VERDICT: 月1万円運用の必要元手(低50万/中35万/高21万)ではいずれも月利比~95%=実効月利は期待値の約5%引きで十分実用(以前の「2〜3割バッファ」は過大=研究162の1000万行バグ値による誤推定)。完全一致(99%+)を求めるなら低250万/中170万/高100万(口座×k≧500万)。
ステップ4: 検証ステップ
さらに、開いている道: 出金で口座が小さいまま留まる定常運用の劣化は初2年窓で近似(ノイズ大だが95%前後と矛盾なし)=厳密には非複利サイジング/定率出金シミュが要る。研究162の数表は本修正後の再計測で置換可能(方向は不変)。 ### 研究254 追補(定常出金シミュレーション=厳密モデル) (2026-07-22, scripts/research/study_min_lot_steady.py, btengine/portfolio_engine.py+core/strategy.pyにrisk_base新設)
ステップ5: イン/アウトサンプル評価
加えて、手法: エンジンに**固定リスク基準(run_portfolio(risk_base=X)=サイジングを常に元手X基準で行う非複利モード・既定None=挙動不変)**を追加。「毎月出金/補填で口座をXに保つ定常運用」の厳密モデル。vol_targetの日次リターン測定も基準額比に整合(equity比のままだと非複利でequityだけ育つと実現ボラが縮んで見え誤って再レバする)。run_checks全PASS・既定挙動は数式的に同一。
ステップ6: イン/アウトサンプル評価
そのうえで、重要発見(サイジング規約の乖離): スリーブ別診断(diag5)で、単一共有口座スリーブ(connors/index)は固定vs複利の年別月次比が全年+1.00=一致する一方、複数口座合算のスリーブ(wgap=10銘柄別口座)と全体合算は、複利規約では合算equityが育つほど実効レバが逓減する経路になる(各ストリームは自分の残高でしかサイズしないため。2025年時点で比+2.2〜+4.3倍)。実EA(CalcLots=共有equity×risk%)に忠実なのは固定基準側。ただし3年MC由来のプリセット期待値は乖離が小さく(G≈1.1-1.25)実務上有効。全期間「月利1.06%」等の複利集計は長期では保守側。
ステップ7: 検証ステップ
そして、数字(定常=口座をXに保つ・全11年平均・min_lot0.01・PF併記。月利は算術・月利比=同k分数ロット基準比): k2.0(低): 基準 算術月利+3.61%/PF1.67/DD対X-20.6%/負け月32%。30万=70%(月7.6千円)・40万=78%(11.3千円)・50万=80%(14.5千円)・100万=89%・200万=94% k3.0(中): 基準+5.42%/PF1.67/DD-30.9%。20万=70%(7.6千円)・30万=78%(12.7千円)・35万=82%(15.4千円)・100万=92% k5.0(高): 基準+9.03%/PF1.67/DD対X-51.4%。10万=69%(6.2千円)・15万=78%(10.5千円)・20万=80%(14.5千円)・100万=94%
ステップ8: 検証ステップ
続いて、定常特有のリスク: 複利と違い口座が育ってDDを吸収しないため、DDは常に元手比で直撃=低-16〜-18%・中-26〜-29%・高-42〜-50%。高k5の定常は撤退ライン-50%にほぼ接触(基準-51.4%)=毎月出金で口座を小さく保つ運用に高k5は不適。負け月率は全プリセット25〜32%(月1万円は平均であり毎月ではない)。
ステップ9: モンテカルロ合格率の推定
続いて、VERDICT: 月1万円の必要元手(定常・実測11年平均ベース)=低k2≈40万・中k3≈25-30万・高k5≈15万。プリセット期待値(3年MC複利2.0/2.9/4.8%)×定常min_lot比の保守見積りなら低≈60万・中≈42-45万・高≈25万。ただし高k5は上記の撤退接触リスクから中k3以下を推奨。
ステップ10: 検証ステップ
続いて、開いている道: ①サイジング規約の乖離は長期補償の再導出テーマ(共有equity基準で全系を再集計すると全期間月利/DDがどう変わるか=実EAの長期期待の正確化。プロップ3年枠の意思決定には影響小) ②定常の era 依存が大(2015-20平均は k2 で+1.45%/月 vs 2021-25 +6.5%/月)=弱い時代が続く前提なら必要元手は上記の2〜2.5倍 ③出金のみ(損失補填なし)モデルは本モデルよりやや保守側=未実装。
4. 結果のまとめ(主要指標)
検証で得られた代表的な数値です(同一記事内に複数条件がある場合は代表値)。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 月利 | +1.06% |
| 最大DD | -30.9% |
| PF | 1.69 |
用語と検証手法
この記事で出てくる主な用語です。
- モンテカルロ(MC): 日次リターンをブロック・ブートストラップで多数回再標本化し、プロップのルールを適用して合格確率を推定します。
- ボラ・ターゲティング: 直近の実現ボラティリティに応じてロットを動的調整し、高ボラ局面で縮小・静穏で拡大することでドローダウンを平準化します。
- PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。
- ドローダウン(DD): 資産の山からの最大下落率。プロップの最大-10%等の制約に直結する最重要リスク指標です。
関連コード(再現用)
上記の検証は以下のスクリプトで再現できます(リポジトリ参照)。
btengine/portfolio_engine.pyscripts/research/study_min_lot_steady.py

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。