
リスク設定別にどれだけ増えてどれだけ凹むか
今回の検証では、EAの「kパラメータ(静的なレバレッジ倍率のこと)」を変えると、月利やリスクがどう変化するのかを整理し、それを簡単に選べるプリセット機能を実装しました。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。
今回の検証では、EAの「kパラメータ(静的なレバレッジ倍率のこと)」を変えると、月利やリスクがどう変化するのかを整理し、それを簡単に選べるプリセット機能を実装しました。 これまでの構成に「構成D」と「wgap(窓開け対応)」という改良を加えたことで、以前のバージョンよりも月利が13〜18%ほど向上しています。この性能を活かしつつ、個人口座でどの程度のレバレッジをかけるのが適切か、モンテカルロ法(過去のデータからランダムにサンプリングして、将来の成績をシミュレーションする手法)を使って750営業日分をテストしました。 結果は以下の通りです。
| 設定(k) | 月利中央値 | maxDD中央値 | 95%点DD | 撤退リスク |
|---|---|---|---|---|
| k2.0 | 2.03% | -11.8% | -19.4% | 0% |
| k3.0 | 3.00% | -17.3% | -27.9% | 0.1% |
| k4.0 | 3.95% | -22.5% | -35.7% | 0.5% |
| k5.0 | 4.86% | -27.6% | -42.9% | 1.6% |
| ※PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失)は全設定で1.69でした。 | ||||
| ※DD(ドローダウン=資産の最高値からどれだけ下がったか)は、登山で例えるなら「頂上からどれだけ下りに転じたか」という数値です。 | ||||
| この結果をもとに、EAの「リスク・プリセット」機能を更新しました。画面上で「低(k2.0)」「中(k3.0)」「高(k4.0)」から選べるようにしています。k5.0については、95%点でのDDが「撤退ライン(運用を止める基準)」としている-35%を大きく超えてしまうため、標準の選択肢からは除外しました。 |
追補:高リスク設定の再検討(Personal v1.6.1)
その後の検証で、もう少しリスクを取れる環境があることが分かりました。構成Dは8つのスリーブ(運用単位)に分散されているため、1日で資金が全損するようなことはまず起きません。 そこで「撤退ライン」を-35%から-50%まで許容するように変更すれば、k5.0の設定でも十分に運用可能だと判断しました。
- 撤退ラインを-50%まで広げた場合、k5.0での撤退リスクは0.7%程度に収まる。
- 新たに「高」プリセットを選択すると、自動的にk5.0・撤退ライン-50%が適用される仕様に変更。
- 「低」と「中」プリセットは、これまで通りk2.0・k3.0で撤退ラインは-35%のまま。 実際の運用では、資金をどれだけ守りたいかという考え方次第です。資金を守るなら「低」、標準的な運用なら「中」、成長を狙うなら「高」という目安で選べるようにしました。今後は、資金に応じた適切な出金ルールの設計などが課題になりそうです。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。