合格を遅らせていた真犯人は守りの仕組みだった

リスク管理 · 1 min

挑戦段(プロップファームのチャレンジ期間)におけるDD(ドローダウン=資産の山からどれだけ下落したか)ガードの緩和について検証しました。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

挑戦段(プロップファームのチャレンジ期間)におけるDD(ドローダウン=資産の山からどれだけ下落したか)ガードの緩和について検証しました。 プロップの挑戦段では、失格になっても参加費(12,500円)が没収されるだけで済みます。それなら、運用段のような厳しい防御を少し緩めて、合格までのスピードを上げたほうがトータルの時間効率が良いのではないか、という仮説に基づき、7つのパターンで比較テストを行いました。

検証結果

構成Dの分布を用いて2万回試行した際の結果です。

変種失格経験%合格中央日合格1年%出金中央日期待参加費
A 現行(動的k/cap2.5+フラット)1.611381.1139¥12,704
B フラット無し(動的k2.5)12.411082.9137¥14,291
C 静的k2.5+フラット維持16.19893.7122¥14,964
D 静的k2.5+フラット無し22.29893.7122¥16,157
E 動的k/cap3.0+フラット4.89882.6125¥13,129
F 静的k3.0+フラット無し35.88296.0105¥19,750
G 動的k2.5 kmin1.06.111284.3138¥13,314

なぜ「静的k」が速いのか

検証を通じて、合格を遅らせていた主犯が判明しました。それは「フラットガード」ではなく、動的k(相場状況に合わせてレバレッジを自動調整する機能)による「床際デリスク(低速グラインド)」です。 動的kはDDを踏むと自動でリスクを下げますが、これが「死なないけれど、資産も増えない」という停滞期間を生み出し、合格までにかかる時間を押し上げていました。挑戦段であれば、少々のリスクを取ってでも早く合格を目指す「fail-fast(失敗するなら早くして、次へ行く)」戦略のほうが、時間期待値で圧倒的に有利です。 一方で、フラットガード(一定の損失で停止する機能)を外しても合格までの時間はほとんど変わりません(AとBの比較で113日→110日)。しかし、これを残すことで失格率を大きく抑えられます。つまり、「外すべきは低速グラインドを招く動的kであり、残すべきはフラットガード」という結論になります。

結論:変種Cの採用

検証の結果、最もバランスが良いのは**変種C(挑戦段のみ静的k2.5+フラットガード維持)**でした。 合格までの期間が中央値で113日から98日に短縮され、1年以内の合格率も81.1%から93.7%まで向上します。相場が荒れた際のストレス環境下でも、この優位性はさらに顕著です。 ただし、注意点もあります。失格経験が約16%(ストレス環境下では約27%)に増えるため、6回に1回はやり直しになる可能性があるという点です。これを「必要経費」として許容できるかどうかが判断の分かれ目となります。 なお、運用段(資金が出金可能なステージ)については、実資金を守るため現行の動的kをそのまま維持します。実装はEAのプリセット設定を変更するだけで完了するため、現在走行中の口座に途中適用するか、あるいは次回の口座から適用するかは、ご自身の判断にお任せします。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。