週末ギャップは下方向だけの一方通行だった

却下手法 · 1 min

週末の窓(ギャップ)を利用したトレード手法について、これまで「下方向への窓」で効果を確認してきましたが、その逆である「上方向への窓」でも同じように利益が出るのではないか、という仮説を検証しました。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

週末の窓(ギャップ)を利用したトレード手法について、これまで「下方向への窓」で効果を確認してきましたが、その逆である「上方向への窓」でも同じように利益が出るのではないか、という仮説を検証しました。 結論から言うと、上方向の窓を利用したトレードは、売り(フェード)・買い(継続ロング)のいずれの戦略をとっても実用的ではありませんでした。

売りと買いで試した結果

2015年から2026年までのH1(1時間足)データを用い、20銘柄でポートフォリオを組んで検証した数値がこちらです。

戦略PF月利DD
上ギャップ売り(フェード)0.52-1.219%-81.6%
上ギャップ買い(継続ロング)0.65-0.410%-
※PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)
※DD(ドローダウン=資産の山からの下落率。登山でいう「どれだけ下りに転じたか」のようなもの)
※リスク0.5%で計算
売り戦略については、全20銘柄で検証したところPFが0.52と散々な結果でした。統計的に有意な差があるかを確認する検定を行っても、ほとんどの銘柄で優位性が見当たらず、全滅という結果です。
また、逆に「窓が空いた方向にそのまま乗る」という買い戦略についても、コストを考慮するとPF0.65にとどまり、資金を増やすには至りませんでした。

なぜ「上ギャップ」はうまくいかないのか

検証の過程で、週明けのギャップには明確な非対称性があることが分かりました。例えばCHFJPYのデータを見てみると、過去600回の週明けギャップのうち、下方向に大きく空いた回数は307回に対し、上方向は64回しかありませんでした。 要するに、週末のリスクプレミアム(週末をまたぐリスクに対する報酬)の解消は、ほぼ「週明けに安く寄り付いてからリバウンドする」という形で発生しているのです。上方向に窓が空くケースは頻度が極端に少なく、かつ方向性としての期待値もありませんでした。

検証のまとめ

今回の検証により、週末のギャップを狙う手法において、ショート(売り)側の追加は不採用とします。この「対称形を狙う」というアイデアは、残念ながら道が閉ざされたと言わざるを得ません。 これまでに構築している「下ギャップ買い」のシステムが唯一の正解であり、今後もこの手法をベースに、実際のブローカーで発生する週明けスプレッドの調整と、フォワード(実運用に近い環境での)監視を続けていきます。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。