週末ギャップの戻りだけで月利が3割増えた

平均回帰 · 1 min

週末ギャップを利用した「H1(1時間足)フェード戦略」について、精密な検証を行いました。かつてこの手法は、週明けの大きなスプレッド(売値と買値の差)拡大によって「完全崩壊する」と判断し一度は棄却したのですが、実装を工夫することで生存できる可能性が見えてきました。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

週末ギャップを利用した「H1(1時間足)フェード戦略」について、精密な検証を行いました。かつてこの手法は、週明けの大きなスプレッド(売値と買値の差)拡大によって「完全崩壊する」と判断し一度は棄却したのですが、実装を工夫することで生存できる可能性が見えてきました。 今回の検証で確認できたのは、1時間足の確定を待ってから次バーの始値で参入するという、いわば「少し様子を見てから入る」仕組みです。これにより、かつて足かせとなっていた週明けの荒れた時間帯を回避できることが分かりました。

10銘柄ポートフォリオでの統計結果

リスクを1トレードあたり資金の0.5%(risk0.5%)と設定し、10銘柄で運用した場合の統計は以下の通りです。

  • PF(プロフィットファクター):3.14
  • 月利:0.881%
  • ドローダウン(資産の山からの下落率):-7.8% 特筆すべきは、2017年を除くすべての年でプラス収支を維持している点です。また、この戦略の優位性(エッジ)は週明け2本目の1時間足に完全に集中しています。参入を1時間遅らせるとPFが3.25から0.85まで急落するため、まさに「週明けの流動性が低い時間帯に流動性を提供して利益を得る」という構造がはっきりしています。

コスト耐性の検証

週明けの広いスプレッドを想定し、より厳しい条件下でのテストも行いました。

構成PF月利DD
中心推定(スプレッド1.25倍+slip0.5)2.78+0.631%-7.6%
保守的想定(スプレッド1.75倍+slip1)2.01+0.468%-10.4%
このように、保守的なコストを見積もっても利益が残ることを確認しました。なお、15pips以下の小さなギャップを無視する設定(min_gap_pips=15)が、安定稼働のための鍵となっています。

既存システム(Core v1.6.0)への統合効果

現在稼働中のシステムにこの戦略を組み込んだ場合、どのような変化があるかを比較しました。

構成PF月利DDMC合格率
Core v1.6.0単体1.57+0.788%-8.39%54.2%
+wgap r0.50%1.73+1.028%-8.44%71.9%
結果として、ドローダウンをほぼ変えずに月利を約30%向上させることができました。これはこれまでで最大のスリーブ(戦略の追加要素)増加分となります。

今後の課題と判定

本戦略は「条件付き採用候補」とします。実際に運用を開始するためには、以下の確認作業が必須です。

  • 利用ブローカーでの週明けスプレッド実測(Dukascopyのデータはあくまで参考値のため)
  • 1分足での日中推移を再構築し、最悪の損失率を測定するテスト
  • ポートフォリオ全体での同時建玉リスク(10銘柄合計で資金の5%となるリスク)の制限 この戦略は2021年以降に強まった新しい現象に依存している側面があるため、構造変化のリスクを常に監視しながら慎重に進める必要があります。まずはこれらの課題をクリアし、実環境での生存を確認してから本格導入を判断します。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。