41手法×26銘柄×4時間足を全部数えた開幕戦

平均回帰 · 1 min

41種類の戦略、26銘柄、そして4つの時間足(H1・H4・D1・W1)を掛け合わせた全3,680通りもの組み合わせを、すべてバックテストにかけてみました。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

図: 週末ギャップ・フェードの実例(GBPNZD 1時間足・実データ)。週末をまたいだ下ギャップの埋め戻りを取りに行きます。

41種類の戦略、26銘柄、そして4つの時間足(H1・H4・D1・W1)を掛け合わせた全3,680通りもの組み合わせを、すべてバックテストにかけてみました。今回は「どの手法が本当に生き残るのか」を確かめるため、2015年から直近までのデータをIS(学習用データ)とOOS(未知のデータ)に分け、統計的な手法(BH-FDR)を用いて厳しく選別しています。

検証結果:生き残ったのは「境界」を狙う手法のみ

全数テストの結果、統計的に有意な生存者はわずか13個でした。これらは大きく分けて2つのグループに集約されます。

グループ対象銘柄・時間足特徴
週末ギャップFade10銘柄(H1)週明けの窓埋めを狙う。OOSでの安定感が抜群
月替わり(ToM)3〜4銘柄(H1)月末の境界線付近で2〜3時間だけ保有
「週末ギャップFade」は、テスト期間を通じて一貫して高い数値(t値最大7.96)を示しました。一方で「月替わり(ToM)」の手法は、日足でよく見るものとは異なり、H1足でピンポイントに月替わりのタイミングを狙う独自の動きをしています。
これら以外にも、ゴールドのトレンド系やCHFJPYのConnors系が候補として挙がりましたが、これらは既存の検証済みの手法と似た性質を持っており、新規性というよりは「身内」に近い存在です。

なぜこの手法が生き残ったのか

これら生存した2つのファミリーに共通しているのは、「市場の境界線(週明けや月替わり)」での流動性提供を狙っている点です。 登山でたとえるなら、平坦な道(通常の相場)を歩くのではなく、山と山の間の「谷」や「崖」のような、少し特殊な地形をピンポイントで攻略しているようなイメージです。そのため、この検証で最も重要になるのが「境界時間帯の広がるスプレッドをどれだけ吸収できるか」という点です。 実際に計算してみると、「月替わり」の手法は、スプレッドやスリッページ(注文時の価格ズレ)を考慮した瞬間に利益が吹き飛んでしまうことが分かりました。つまり、この手法が本当に使えるかどうかは、月末の深夜にどれだけスプレッドが広がるかを正確に測れるかどうかにかかっています。

今後の方向性

今回の全数センサス(網羅的な調査)という手法自体は非常に有効だったので、今後も年1回のペースで定期的に実行していく予定です。今回の結果を踏まえ、まずは以下のステップで深掘りします。

  • 月末境界での実スプレッドを測定し、「月替わり手法」の実現可能性を再判定する。
  • ゴールド・トレンド系やCHFJPY・Connors系については、既存の検証済みスリーブ(手法のグループ)に加えて、どれだけプラスの寄与があるかを検証する。
  • 週足(W1)のデータは標本数が少なく判断が難しいため、データが蓄積されるまで保留とする。 今回の検証で、新しい機構を追い求めるよりも「市場の境界における流動性」をどう扱うかという点に、生存の鍵があることが見えてきました。次は、この境界時間帯の「実スプレッド」をどう計測し、どうフィルタリングしていくかが焦点になります。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。