
VWAPスキャル動画は検証済みの話の焼き直しだった
ある動画で紹介されていた「VWAPとDVA(バリューエリア)を使ったナスダック(NQ)のスキャルピング手法」について、検証を行いました。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。
ある動画で紹介されていた「VWAPとDVA(バリューエリア)を使ったナスダック(NQ)のスキャルピング手法」について、検証を行いました。 結論から言うと、この手法は「不採用」です。今の私のシステムに組み込むメリットは見当たりませんでした。なぜそう判断したのか、理由を整理します。
既存の検証データとの重複
この手法の核となる「VWAPから離れたら平均回帰(MR)を狙う」というロジックは、以前の研究(研究132)ですでに検証済みです。当時の結果はPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が1.63、シャープレシオが0.96でした。 しかし、既存の主力手法である「Connors」との相関が0.52と高く、わざわざこのロジックを付け足しても優位性が増さないことがわかっています。実際、これまで試した12種類ほどの類似手法もすべて不採用となっており、平均回帰系のアプローチは今のメイン手法で飽和状態にあるというのがです。
データの再現性の壁
この手法には、日中の出来高を細かく分析する「日中セッションVWAP」という独自の要素が含まれています。しかし、私の検証環境ではこの再現が困難です。 私が扱っている指数(US100など)のデータは日足ベースが基本です。FXであれば1分足データもありますが、出来高はあくまで「ティックボリューム(価格が動いた回数)」であり、正確な取引高を反映したVWAPを計算するには不向きです。つまり、動画で紹介されていたスキャルピング手法を、今の私の環境で忠実に再現することがそもそもできません。
運用ルールとリスク管理の不透明さ
手法の中で「レンジなら逆張り、トレンドなら順張り」と切り替える判断基準が示されていましたが、これらは裁量による主観的な解釈が強く、システム化には向きません。過去の検証(研究136)でも、こうした適応型の戦略はシンプルな固定戦略に劣ることがわかっています。 さらに、プロップファーム(資金提供会社)の厳しいドローダウン(資産の山からの下落率)制限をクリアするための具体的な損切りルールが不明確でした。FXの日中足を使った同様の手法は、スプレッドの影響を含めると過去に何度も失敗しています。
まとめ
今回の検証で、この手法は不採用と判断しました。 ただ、収穫がゼロだったわけではありません。動画の内容を抽出し、機械化の可否を判定し、過去データと突き合わせて低コストで「不採用」という結論を出すまでのパイプラインはうまく機能しました。 将来的にナスダックの正確な2分足データと、本物の出来高データが手に入れば、アンカードVWAP(特定の始点を起点とするVWAP)を使った純粋な平均回帰手法として、既存手法と独立しているか再検証する余地は残っています。ですが、今の優先順位としては低く、まずは資本スケーリングを優先すべきという結論に至りました。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。