稼ぎ頭のPF4.17、正体はただの上げ相場だった

平均回帰 · 1 min

「自分のEAが本当に実力で勝っているのか、それともたまたま相場が良かっただけなのか?」というのは、自動売買をする人なら誰もが一度は抱く疑問ですよね。今回は、その「参入タイミング」の価値を測るための検証を行ってみました。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

「自分のEAが本当に実力で勝っているのか、それともたまたま相場が良かっただけなのか?」というのは、自動売買をする人なら誰もが一度は抱く疑問ですよね。今回は、その「参入タイミング」の価値を測るための検証を行ってみました。 具体的には、実際のトレードの参入タイミングを、同じ銘柄のランダムなタイミング(ヌル仮説)と突き合わせて、どれだけ「実力の差」があるかを数値化しています。pctという数値(0〜100)で表し、95以上ならタイミング自体に価値あり、80以下なら相場全体の動き(ベータ)に乗っかっているだけ、と判断します。

検証結果:何が「本物」で何が「たまたま」か

各手法のタイミング価値を、全期間(FULL)、2020年以前(IS)、それ以降(OOS)で比較しました。

手法FULLISOOS判定
trend_core_gold93.687.688.0頑健
connors92.460.092.4本物
seasonal(4&12月)90.885.882.4本物寄り
sat2_yosuga87.287.064.4過学習
trend_core_FX72.680.618.4ベータ寄り
index(株)46.8--純ベータ
※OOS(アウト・オブ・サンプル=未知のデータ)での性能が落ちているものは、過去のデータに合わせすぎてしまった「過学習」の可能性が高いことを示しています。

分かったこと:トレンド追随と平均回帰の正体

この結果から見えてきたのは、手法によって「勝っている理由」が全く違うということです。 1. 金(ゴールド)とConnorsは「参入」に価値あり 金ATR(ATR=価格変動幅を基準にした指標)を用いたトレンド追随と、Connors流の平均回帰(買われすぎ・売られすぎからの戻りを狙う手法)は、検証でも高い数値を出しました。これらは「いつ入るか」という参入タイミング自体が優位性(エッジ)になっています。 2. 指数・FXトレンド核は「参入」の価値は薄い 意外だったのが指数(US500など)です。PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失)が4.17と非常に優秀ですが、今回の検証では「参入タイミングの価値はゼロ」という結果に。つまり、これは手法の腕前ではなく、単に「株が右肩上がりだったから儲かった」という純粋なベータ(相場全体の恩恵)です。FXのトレンド核も、参入パラメータを細かく調整してもあまり意味がないことが分かりました。 3. sat2は典型的な過学習 OOSで成績がガクッと落ちているため、これは過去データに最適化しすぎた典型的な過学習です。これについては、資金配分をかなり保守的にしておくのが無難そうです。

今後の考え方

今回の検証で、私のEA運用の考え方も少し整理できました。

  • 指数の運用: 「参入タイミング」を工夫してアルファ(超過収益)を狙うのはやめます。それよりも、単純なバイ&ホールドや低頻度リバランスに切り替えて、パラメータ数を減らす方が賢明です。
  • FXトレンド核の運用: 参入の微調整に時間をかけるのは無駄です。今後は「エグジット」や「資金管理(サイジング)」、あるいは「分散」の方に力を入れるべきだと確信しました。
  • 検証の次の一手: 今回は「参入」だけを見ましたが、次は「エグジット」や「損切り」が本当に機能しているのかを、同じようにランダム対照で切り分けていこうと思います。 「参入の良さ」が全てではありません。大事なのは、自分の手法がどこで稼いでいるのかを正しく理解し、過度な期待をしないこと。今回の結果は、今後のチューニング方針を大きく変えるきっかけになりそうです。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。