
口座が-5%に触る確率は1年で30%という現実
現行EA(v1.12.0)を運用する際、資産がどれくらい減るリスクがあるのか。これを把握するために、モンテカルロ法(過去のデータからランダムに抽出して何万通りもの未来をシミュレーションし、合格確率などを導き出す手法)を使って、口座のドローダウン(資産の山からどれだけ下落したか)の到達確率を計算しまし…

図: モンテカルロの考え方(シミュレーション例)。あり得た口座の運命を何千通りも再生し、運の幅ごと評価します。
現行EA(v1.12.0)を運用する際、資産がどれくらい減るリスクがあるのか。これを把握するために、モンテカルロ法(過去のデータからランダムに抽出して何万通りもの未来をシミュレーションし、合格確率などを導き出す手法)を使って、口座のドローダウン(資産の山からどれだけ下落したか)の到達確率を計算しました。 今回の検証では、三段運用(資金を3つの段階に分けて管理する運用法)を想定し、2万通りのパターンでテストしています。
日次損失の到達確率
まずは「1日単位でどれだけマイナスになるか」です。日次で-4%の損失が出ると全ポジションを強制決済する設定(フラット発動)にしていますが、これが年に一度は起きる前提で考える必要があります。
| 日次損失の目安 | 到達確率(通常時) | 到達確率(ストレス時) |
|---|---|---|
| -2% | 99% | 99% |
| -3% | 88% | 91% |
| -4%(フラット発動) | 60% | 71% |
| -5%(失格ライン) | 0% | 0% |
| -4%のフラット機能が働くため、通常の相場環境であれば一日で-5%まで達して失格になることは、理論上ほぼありません。ただし、急激な暴落時にスリッページ(注文価格と約定価格のズレ)が発生した場合は残余リスクとして残ります。 |
口座ドローダウンの到達確率
次に、運用期間中の「口座全体の資産がどれだけ減るか」というリスクです。
| 運用段階 | -5%到達 | -7%到達(EA停止) | -10%失格 |
|---|---|---|---|
| チャレンジSTEP1 | 32% | 16% | 1.1% |
| 合格後〜初回出金 | 11% | 4.3% | 0.14% |
| 定常運用(1年) | 30% | 11.8% | 0.11% |
| ※表の数値は「通常時」の確率です。 | |||
| ここで注目したいのは、-7%に到達した際のEA恒久停止ルールです。この確率は定常運用で約12%となっています。発動した場合は、その時点で自動売買を止めて手動で再開するか判断する必要があります。 |
検証から見えてきた運用上の注意点
今回のデータから、以下の3つのポイントが読み取れます。
- -2%〜-4%のドローダウンは避けられない これらは「通常運転」の範囲内です。基盤となっているEAの成績(月利約0.82%、PF1.66、最大ドローダウン-7.7%)と照らし合わせても、十分に起こり得る数値です。
- -7%を飛び越えるギャップに注意 表にある-8%〜-10%の数値は、-7%で自動停止する機能をあえて外した場合の「保守的な限界値」です。実運用において-10%まで行ってしまうケースは、-7%を飛び越えるような突発的なギャップが発生した時に限られます。
- 初年度前半が最も危ない 定常運用のドローダウン確率の大半は、利益が積み上がる前の初年度前半に集中しています。積立分(C15%)が貯まるまでは、運用全体の体力が弱い状態にあることを理解しておく必要があります。 結論として、-4%の日次フラット発動は「年に一度は起こるもの」として受け入れ、-7%の停止ルールを安全装置として活用するのが現実的な付き合い方といえます。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。