銘柄を338に増やしたらDDだけが倍になった

リスク管理 · 1 min

「トレードする銘柄の数を増やせば、チャンスも増えて利益も伸びるはず」……そんな仮説を立てて、検証を行いました。今回は、監視する銘柄をメガキャップ(時価総額の大きな巨大企業)中心の構成から、小型株や高ボラティリティ株を含めた338銘柄まで一気に広げてみた結果を報告します。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

「トレードする銘柄の数を増やせば、チャンスも増えて利益も伸びるはず」……そんな仮説を立てて、検証を行いました。今回は、監視する銘柄をメガキャップ(時価総額の大きな巨大企業)中心の構成から、小型株や高ボラティリティ株を含めた338銘柄まで一気に広げてみた結果を報告します。

銘柄を増やした結果、リターンは横ばいでリスクが倍増

今回の検証では、TradingViewから小型テック、バイオ、半導体、エネルギー、フィンテック、地銀、宇宙開発、EVなど、幅広い分野から候補を追加しました。最終的に、1日の平均売買代金や株価などの客観的なフィルタを通過した、計338銘柄を対象に運用をシミュレーションしています。 結果は以下の通りです。

設定パターン全期間月利PF最大DD
銘柄拡張後(f10x10)+1.25%1.27-43%
銘柄拡張後(f15x7)+1.21%1.33-46%
銘柄拡張後(f20x5)+1.40%1.33-46%
従来のメガキャップのみ+1.14%1.56-26.1%
※PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)
※DD(ドローダウン=資産の山からどれだけ下落したかを示す数値)
投資対象を広げたことで、実際に売買するチャンス(投資率)は従来の25-30%から40-55%へと大幅に増えました。しかし、肝心の月利は従来とほとんど変わりません。それどころか、ドローダウン(登山でいう「どれだけ下りに転じたか」を示す値)は-43〜46%と、これまでの約2倍にまで膨らんでしまいました。
これは、2020年から2022年にかけて小型株が一斉に暴落した際、銘柄を増やしても分散効果が働かず、ダメージを避けられなかったことが原因です。また、小型株特有のコスト(実効スプレッド)を考慮すると、月利はさらに1.02%まで低下してしまいます。

優位性(エッジ)はあっても「勝てるポートフォリオ」にはならない

もちろん、小型株にも優位性」自体は存在します。検証では、対象銘柄のほとんどでプラスの超過収益が確認できました。しかし、個々の銘柄に優位性があることと、それらを組み合わせてリスクを抑えつつ利益を伸ばすことは、まったく別の問題です。 今回の検証から、株の現物取引におけるテクニカル手法の限界が見えてきました。

  • 結論:銘柄の拡張は採用しない 月利がほぼ変わらず、リスク(DD)が倍増し、コストにも脆弱になるためです。
  • 株スイング手法の上限 これまで「閾値の変更」「集中投資」「ボラティリティ優先」「レバレッジETFの導入」など、あらゆる梃子(てこ)を試してきましたが、現物株と価格テクニカルの組み合わせで狙える月利は1.1〜1.5%程度が限界という結論に至りました。 「月利5〜8%」といった高い目標は、現物株の運用では成立しません。今回の検証をもって、株側の月利引き上げに関する検証はすべて終了とし、この数値を上限として運用戦略を確定させます。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。