
指値に変えただけで1トレードの利益が倍増した
今回の検証では、株スイング手法「MRコア」をどこまでブラッシュアップできるかを徹底的に調べました。結論から言うと、あれこれ条件を付け加えるよりも、エントリーのタイミングを「指値(さしね=あらかじめ指定した価格で注文すること)」に変えることが、最も効果的でした。

図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。
今回の検証では、株スイング手法「MRコア」をどこまでブラッシュアップできるかを徹底的に調べました。結論から言うと、あれこれ条件を付け加えるよりも、エントリーのタイミングを「指値(さしね=あらかじめ指定した価格で注文すること)」に変えることが、最も効果的でした。 まず、ベースとなるMRコア(RSI2が10未満かつSMA200の上、SMA5を回復で手仕舞い)に対して、様々なパラメータを調整しました。IS(イン・サンプル=開発データ)で選抜した候補を、OOS(アウト・オブ・サンプル=未知のデータ)で検証し、さらにランダムユニバース(条件をランダムに変えた多くのパターン)で頑健性を確認しています。 検証の結果、最も効いたのが「指値エントリー」です。シグナルが出た翌日に、終値から2%下がった価格で指値を置くというルールです。指値の深さを0.5%から3%まで変化させたところ、2%の地点でトレードの質(平均利益)が跳ね上がりました。
- 0.5%:平均+79bp
- 1%:平均+81bp
- 2%:平均+143bp
- 3%:平均+200bp 2%の地点でPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が2.44と非常に安定し、トレードの質が大きく向上しました。一方で、出口ルールの変更や市場の勢い(ブレス)を見るフィルタ、RSIの閾値調整などは、どれも試せば試すほど結果が悪化しました。シンプルに「指値」だけを導入するのが正解のようです。 この指値手法によって空いた資金を活かし、ポジション管理を最適化したのが「MRコア改」です。 【MRコア改の成績(OOS)】
- 月利:+3.26%
- PF:2.77
- DD(ドローダウン=資産の山からの下落率):-8.19%
- シャープ比:2.49
- 勝率:73.9% ベースモデルのOOS成績(月利+2.18%、PF1.65、DD-9.62%)と比較すると、すべての指標で改善が見られました。さらに、f(資金配分比率)を20%まで高めた積極版では月利+4.05%まで伸びていますが、DDも増えるためバランスを考える必要があります。 ランダムユニバース(40本×40銘柄)による検証でも、銘柄を問わず安定して高いPFを維持できることが確認できました。ただし、いくつか注意点があります。
- IS期間ではシグナルが希少なため、月ごとの成績にはばらつきが出やすいこと。
- 指値の約定モデルは「安値タッチで約定」という設定であり、メガキャップ銘柄であれば妥当ですが、実際の運用ではスリッページの影響を考慮すること。
- 検証期間(23ヶ月)には限りがあるため、長期的な運用判断の前には、より長い期間での再審査が望ましいこと。 結局のところ、この手法の答えは「引け成行エントリーを翌日の2%指値に変えること」に集約されます。余計なフィルタや複雑な出口ルールは、かえって足を引っ張る結果となりました。f15%×最大7ポジションの「MRコア改」をベースに、リスク許容度に合わせて調整するのが現実的な選択肢です。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。