現物株でDDを半分にして同等リターンを得る配合

却下手法 · 1 min

株の検証においては、これまでのようなプロップファーム(資金提供会社)の厳しい損失制限を適用せず、レバレッジをかけない「現物1倍」のポートフォリオとして運用する方針に切り替えました。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

株の検証においては、これまでのようなプロップファーム(資金提供会社)の厳しい損失制限を適用せず、レバレッジをかけない「現物1倍」のポートフォリオとして運用する方針に切り替えました。今回は、以前検証した日足ベースの平均回帰戦略(MR)の生存優位性(エッジ)を組み合わせ、ポートフォリオとして機能するかを確認しました。

検証ルールとベンチマーク

検証対象は日足104銘柄です。ルールは「引けで約定」「1ポジションあたり資金の10%を割り当て(最大10ポジションまで=総エクスポージャーは100%以下)」とし、資金が足りない場合はRSI2の値が低い銘柄を優先します。空売りはなしで、コストは片道1セント+1ベーシスポイント(0.01%)を差し引いています。 比較対象(ベンチマーク)は、同じユニバースの銘柄をすべて均等に買い持ち(EW買い持ち)し続けた場合です。こちらはコストゼロという、戦略にとって非常に厳しい条件で設定しています。

検証結果の比較

戦略月利PFDDSharpe
MRコア(分散)+1.23%1.64-9.62%1.25
EW買い持ち+1.45%--19.91%1.07
※PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)
※DD(ドローダウン=資産の山からの下落率。登山でいう「どれだけ下りに転じたか」)
MRコア戦略は、ベンチマークと比べてリターンはわずかに及びませんが、DDが半分以下に抑えられています。特筆すべきは投資率が平均37%である点です。資金の6割以上が空くため、他の運用に回せることを考えると、資金効率の面で非常に優秀な結果と言えます。

運用サイズの検討

資金の配分を調整した際の挙動も確認しました。

  • 分散版(資金5%×最大20ポジション):月利+0.88% / PF1.72 / DD-5.71%
  • 集中版(資金20%×最大5ポジション):月利+1.39% / PF1.61 / DD-11.00% リターンとDDが綺麗にトレードオフ(一方が良くなればもう一方が悪くなる関係)になっており、戦略の形状としては頑健だと言えます。

SMA200フィルタの重要性

今回の検証で分かった最も重要な点は、SMA200(200日単純移動平均線)フィルタの必須性です。 このフィルタを外して検証すると、IS(イン・サンプル=検証期間内)で月利-0.92%、PF0.92、DD-26.5%と大きく崩壊しました。投資率が86%まで跳ね上がり、下落局面で「落ちるナイフ」を高頻度で買い続けてしまうからです。個別の銘柄統計が良くても、ポートフォリオとして組むと結果が全く別物になるという良い教訓になりました。なお、週足ベースのMR戦略も試しましたが、こちらはベンチマークに劣後するため不採用です。

今回の結論

今回の戦略である「RSI2が10未満かつSMA200より上にある銘柄を買い、SMA5で手仕舞う」という形は、現物1倍でも十分に成立します。 この戦略の性格は、純粋なリターンを追求するよりも、「EW買い持ちの低DD代替」として非常に優秀です。投資率を抑えつつ同等のリターンを得て、DDを半減させられる点は大きな強みでしょう。ただし、検証期間が強気相場のメガキャップ中心であることには注意が必要です。より長期の日足データでの再審査が必要な段階といえます。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。