株で機能するのは『弱さを買う』逆張りだけだった

平均回帰 · 1 min

株式スイングトレードにおけるテクニカル指標の有効性を検証しました。前回のデイトレード検証に続き、今回は「日足・週足」という少し長めの時間軸で、どのようなエントリー条件に優位性があるのかを探っています。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

株式スイングトレードにおけるテクニカル指標の有効性を検証しました。前回のデイトレード検証に続き、今回は「日足・週足」という少し長めの時間軸で、どのようなエントリー条件に優位性があるのかを探っています。 検証では104銘柄の日足データ(2024年7月〜2026年6月)に加え、週足データ(2019年6月〜2026年6月)を新たに変換し、コロナショックや2022年の下落相場を含む複数レジームでテストしました。

株式スイングの「強さ」と「弱さ」

今回の検証の核心は、ランダムにエントリーした場合のパフォーマンス(ヌル仮説)と、各テクニカル指標に基づいたエントリーを比較することです。これによって、その指標自体に「タイミングとしての価値」があるのか、それとも単に相場全体の流れ(ベータ)に乗っているだけなのかを明確にしました。 結果は、以下の通り二分される形となりました。

手法カテゴリ優位性の有無特徴
平均回帰(弱さを買う)あり統計的にランダムを上回る結果。弱気な局面を拾う手法は有効。
モメンタム/ブレイクアウト(強さを買う)なし生のリターンはプラスでも、ランダム以下。実質は損をしている。
平均回帰系(RSI2の押し目買いなど)は、日足・週足ともにランダムなエントリーよりも高いパフォーマンスを示しました。16個の検証パターンのうち15個でランダムを上回っており、この手法には明確な「固有の価値」があると言えます。ただし、1トレードあたりの効果量は+15〜165bp(1bp=0.01%)と控えめで、劇的な利益を狙うものではありません。
一方で、モメンタム(勢いに乗る)やブレイクアウト(高値更新を追う)系は、驚くべきことにランダムエントリー以下という結果でした。これらは単に相場全体が上昇しているときに利益が出ているだけで、手法そのものが利益をもたらしているわけではありません。FXのトレンドフォローとは異なり、株のこの時間軸では「高値掴みプレミアム」がマイナスに働いているようです。

実運用への結論

今回の検証から得られた結論は「株のスイングにおいて、テクニカルでタイミングを計るなら短期的な弱さを拾う平均回帰一択」ということです。 しかし、平均回帰の優位性は非常に控えめであり、FXや金属、株価指数と比較すると、わざわざこの手法をメインに据えるほどの爆発力はありません。そのため、今回の検証結果を受けても、実運用対象を株に広げることはせず、これまで通りFXやコモディティ、指数を中心とした運用を継続します。 今後は、今回の検証で分かった「弱さを買う」という優位性(エッジ)を、ロング(買い)とショート(売り)を組み合わせたペア取引でどう活かせるか、といった方向性を探る予定です。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。