10年級の急変動が同時直撃しても-3.2%で済む理由

トレンド · 1 min

指標発表などの急激な価格変動で、運用資金が大きく減ってしまう「失格リスク」を定量的に調べました。結論から言うと、現在のシステム構造であれば、指標発表ごときで資金が吹き飛ぶことはまずありません。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

指標発表などの急激な価格変動で、運用資金が大きく減ってしまう「失格リスク」を定量的に調べました。結論から言うと、現在のシステム構造であれば、指標発表ごときで資金が吹き飛ぶことはまずありません。

守りの仕組みと失格経路の特定

このEAには、以下のような防御策を組み込んでいます。

  • サーバー側で常にストップロス(損切り)を設置
  • 合計のポジションリスクを資金の2.5%までに制限
  • 日次の損失が3%を超えたら新規エントリーを停止、4%で全決済
  • 証拠金維持率が危険域に近づくと自動でロットを縮小 これだけ守りを固めていれば、唯一の懸念点は「ストップロスが価格の飛び越し(ギャップ)で機能しないこと」だけです。損失額は、本来の損切り額に「どれだけ価格が飛んだか(f)」を掛け合わせたものになります。

過去11年半のデータで検証

11.5年分の1分足データを使って、過去の急変動イベントをすべて再現し、どれくらいの滑りが発生するかを計算しました。なお、データの欠損による「偽のギャップ」を除外するため、平日・週末・穴埋めデータは厳密に分類しています。 まず、通常の指標発表レベルであれば、ストップロスまでの距離に対して滑りは5%未満(0.047)に収まります。これは満額のポジションを持っていても、追加損失はごくわずかです。 では、歴史的な暴落やサプライズはどうでしょうか。過去の主要なイベント(2016年のGBPフラッシュクラッシュや2015年の中国ブラックマンデーなど)で検証したところ、すべての銘柄が同時に直撃を受けたとしても、瞬間的な最大損失は3.21%でした。これは、運用上の「失格基準」である5%を大きく下回ります。

現実のポートフォリオでの耐性

理論上は「全ポジションが1つの銘柄に偏り、かつ最大級のギャップを食らう」と5%を超える計算になりますが、現実の構成でそのような偏りは起きません。 実際に過去11年間の日次成績を振り返ると、最悪の損失は2020年のコロナショック時の2.96%でした。次いで米大統領選やVIXショックが続きますが、いずれも日次5%のラインには一度も抵触していません。

結論

現在のコードで、指標発表などの急変動によっていきなり失格することは実質的に起こり得ません。残るリスクは「-4%の決済ラインに達した直後の15秒間で、全ポジションがストップロスを大きく飛び越える」という極めて低い確率の複合事象のみです。これについては、以前の検証で算出したモンテカルロ合格率(MC=0.5〜0.9%の失格確率)の範囲内に収まっています。 以上のことから、この件に関するコードの変更やガードの追加は不要と判断しました。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。