偽ブレイク対策で生き残ったのは出来高確認だけ

トレンド · 1 min

騙し(ブレイクアウトした直後に逆行する動き)を減らすための手法をいろいろ試してきましたが、ついに残る手段が少なくなってきました。これまでに検証したHTF(上位足)での判断やADX、RSI、ボラティリティ指標などは軒並み期待外れ。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

騙し(ブレイクアウトした直後に逆行する動き)を減らすための手法をいろいろ試してきましたが、ついに残る手段が少なくなってきました。これまでに検証したHTF(上位足)での判断やADX、RSI、ボラティリティ指標などは軒並み期待外れ。今回は残されていた「ブレイク足の出来高拡張(出来高が急増したタイミングで仕掛ける)」「セッション条件付け」「タイムストップ」の3つを実測し、どれが本当に使えるのかを確認しました。

出来高拡張だけが生き残った

検証の結果、明らかに質が向上したのは「出来高拡張」のみでした。FXのメインとなる通貨ペア(FXコア)において、ブレイク時の出来高が通常より1.2倍以上ある場合のみエントリーするという条件を加えたところ、PF(プロフィットファクター:総利益÷総損失。1を超えると黒字)が1.27から1.30へ、DD(ドローダウン:資産の山からの下落率)が6.5%から6.0%へと改善しました。 一方で、その他の手法はパッとしません。セッション条件付け(特定の時間帯のみ稼働)は出来高の劣化版のような結果となり、タイムストップ(一定時間で強制決済)に至っては、再エントリーが頻発してトレード回数が55%も増えてしまい、PFも1.15〜1.21まで低下する結果となりました。また、出来高の条件はFXコアには効くものの、指数(インデックス)やTJLといった他の対象ではかえって成績を落とすことも分かりました。

統合審査での改善幅はごくわずか

この「出来高1.5倍」の条件を現在のメイン構成に組み込んで、より厳密に審査してみました。

項目修正前修正後(出来高1.5倍)
PF1.641.66
月利+0.814%+0.801%
DD-8.4%-8.1%
MC合格率96.9%97.4%
失格率0.9%0.5%
MC(モンテカルロ合格率:日次リターンを再標本化してプロップ合格確率を推定した値)はわずかに向上し、失格率も半分に減りました。しかし、月利はわずかながら下がっています。「質は確かに良くなったが、劇的な変化ではない」というのがです。

採用は保留。次のバージョンへ

今回の検証で「出来高によるフィルタリングはFXコアにおいて質を微改善する本物である」という確信は得られました。研究176で出した一般則の例外が一つ見つかった形です。 ただ、現在進行中の実チャレンジに組み込むリスクを考えると、この程度の改善幅のためにEAを書き換えるのは得策ではありません。ブローカーごとのティックボリュームの分布差も気になります。そのため、今回は採用を見送り、次期バージョン(v1.6/EA v1.10)への導入候補として記録しておくことにします。実装自体はMT5のiVolume(ティックボリューム)を使えば相対比較で十分可能です。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。