では2本待てばもっと良いのか、いいえ劣化です

トレンド · 1 min

ブレイクアウト系のEAにおいて、シグナルが出てから実際にエントリーするまでの「待ち時間」を調整することで、成績がどう変化するかを検証しました。

ブレイクアウト系のEAにおいて、シグナルが出てから実際にエントリーするまでの「待ち時間」を調整することで、成績がどう変化するかを検証しました。 前回は「待ち時間を減らす(ティックレベルで即座に動く)」検証を行いましたが、今回はその逆。シグナルが出たあと、あえて「2本目の足の確定を待つ」という慎重なルールを加えた場合に、パフォーマンスがどう変わるのかを確かめてみます。

検証のルール

比較の基準となるのは、現在稼働している現行の設定です。これに対して、以下の2つのパターンを組み合わせて検証しました。

  • confirm2:ブレイクしたレベルの上で、2本連続で終値が確定するのを待ってから入る。
  • delay1:シグナルの発生タイミングは現行と同じだが、約定だけ1本分遅らせる(純粋な遅延コストの分離)。

トレンド核FXでの検証結果

まずは「トレンド核FX」での結果です。

パターン月利PF備考
現行(A)+0.149%1.27基準値
confirm2(E)+0.123%1.24トレード数 -11%
delay1(F)+0.150%1.28現行とほぼ変わらず
confirm2アウト(G)+0.124%-DD -10.3%に悪化
PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)や月利を見ると、確認を2本に増やした(E)場合、トレード数が減るだけでなく成績も低下しました。これは、2本目の確認が「ダマシ」を避けているのではなく、むしろ「利益が出るはずだった初動」を削ってしまっていることを意味します。
また、出口を遅らせる(G)と、ドローダウン(資産の山からの下落率)が-10.3%まで大きく悪化しました。出口を遅らせると、最後の一伸びを狙うどころか、逆に損失が膨らむリスクが高まるようです。

TJL-goldでの検証結果

次にゴールドを対象とした「TJL-gold」で同様の検証を行いました。

  • confirm2(E):月利 +0.105% → +0.050% / PF 2.54 → 1.72
  • delay1(F):月利 +0.085% / PF 2.20 どちらも明らかに成績が低下しました。この結果から、ブレイクした翌日以降に価格が伸びていく「ドリフト(価格の偏り)」こそがこの手法の利益の源泉であり、1日待つだけでその大事な取り分が痩せてしまうことが分かります。

指数での検証結果

指数系では、出口を遅らせる(G)とPFが5.52から6.36へと向上しました。しかし、月利は下がり、ドローダウンも-4.5%から-6.5%へと悪化しています。これは「トレードの質(勝率やPF)は上がるが、量と安全性は失われる」というトレードオフの関係にあり、改善とは言えません。

結論

検証の結果、待ち時間の性能カーブは「確定1本」を頂点とする山のような形をしていることが分かりました。 待ち時間を減らせば「ダマシ」を拾ってしまい、逆に2本目の確認を待てば「初動の利益」を捨ててしまうことになります。2本目の確認から得られる情報価値は、残念ながら「負」という結論です。 今回の検証により、現行の「確定1本」というルールが、このEAにとっての最適点であることが両方向の検証から裏付けられました。そのため、EAのロジックやエンジンに変更を加える必要はないと判断します。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。