PFをさらに欲張ったら前進検証に止められた

却下手法 · 1 min

TJLとゴールドの組み合わせで、さらに利益率を高められないかと試行錯誤を続けてきた。今回は「5つの新しい条件(軸)」を追加して、どれが有効かを検証してみた。

図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。

図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。

TJLとゴールドの組み合わせで、さらに利益率を高められないかと試行錯誤を続けてきた。今回は「5つの新しい条件(軸)」を追加して、どれが有効かを検証してみた。 検証に使ったのは、研究171で確定済みのベースモデル(ER0.3、ADX20、保有5、PF2.46)。これに、シグナルの質やトレンド強度といった条件を組み合わせて、成績がどう変わるかを確認した。

フィルタリングの結果

まず、各条件を個別にテストした結果がこちら。

条件検証結果
A) シグナル足の質劣化(PF 1.99〜2.12)
C) 週足SMA整合誤差範囲(PF 2.39〜2.48)
E) 構造的exit劣化(PF 1.86)
D) レベル通過PF 3.57〜11.63 と高騰するも取引数不足で不採用
B) ADX上昇中PF 2.88(OOS前半 2.46 / IS後半 3.37)
AやEのように、条件を厳しくするほどPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が下がってしまうケースが目立つ。特に「出口のルール」をいじるのは過去の検証でも失敗続きで、今回も例外ではなかった。
一方で「D(レベル通過)」は、特定の抵抗線をブレイクした時だけ狙うというもの。PFは驚異的だが、11年で13〜17回しか取引がなく、月利への貢献がほぼゼロ。登山で例えるなら「完璧なルートだけど、10年に一度しか登れない」ようなもので、EAのメイン戦略としては使えない。
唯一、PFが改善したのが「B(ADX上昇中)」だった。これならいけるかもしれない、と期待が高まる。

ウォークフォワード分析での失速

期待を込めて、この「ADX上昇」という条件を組み込み、WF(ウォークフォワード=過去データで訓練し、未知のデータで検証する試験)を回してみた。 結果は、訓練期間中はPFが3.2〜4.7と非常に優秀だったものの、肝心の未知のデータ期間(連結OOS)ではPF2.10にまで落ち込んだ。実は、何もフィルタをかけない「ADX上昇なし」のモデルの方が、PF2.37で安定している。 これは「条件を細かくしすぎたことで、特定の期間にはうまく適合するが、全体で見ると性能が落ちる」という、典型的な過剰適合(カーブフィッティング)の形だ。ADX上昇という条件は、結局のところ小標本ゆえの「たまたまの運」と「ADX20以上」という既存条件の焼き直しに過ぎなかった。

今後の方向性

今回の検証で、このTJL×GOLDという枠組みにおいて、エントリー条件をこれ以上細かくしても、統計的なノイズの床を叩くだけだと分かった。つまり、この方向での改善は打ち止めにする。 今後の道は、以下の3つに絞ることにする。

  • 横展開:TJLの定義を銀(XAGUSD)や株価指数に移植し、取引数そのものを増やしてポートフォリオ全体の底上げを図る。
  • 超選別ブースター:今回不採用だった「レベル通過(D)」を、年数回のチャンスを狙う別枠のEAとして切り出す。
  • リスク管理:エントリーを増やすのではなく、すでに確定している資金管理(リスク0.005など)の面で調整を行う。 というわけで、TJL-GOLDの確定形は現行の「ER0.3 × ADX20」のまま。EAのバージョンアップも行わず、この設定で運用を継続する。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。