フィルタ2枚でPFが1.80から2.46に跳ねた

却下手法 · 1 min

TJL×GOLDのブレイクアウト手法において、トレンドフィルタを組み合わせることでプロフィットファクター(PF=総利益÷総損失。1を超えると黒字)をどこまで改善できるか検証しました。

図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。

図: ウォークフォワード(前進検証)の考え方。過去でルールを決め、まだ見ていない未来で試します(後出しを防ぐ)。

TJL×GOLDのブレイクアウト手法において、トレンドフィルタを組み合わせることでプロフィットファクター(PF=総利益÷総損失。1を超えると黒字)をどこまで改善できるか検証しました。 ベースとしたのは、以前の検証でPF1.80を記録した「TJLブレイクアウト(5日保有)」です。この戦略に対して、単一のフィルタを15種類試し、基準をクリアしたものだけを掛け合わせるという実験を行いました。採用基準は「全期間のPF向上」に加え、OOS(サンプル期間外)とIS(サンプル期間内)の両方で成績が向上し、かつ11年間で100回以上の取引があることとしました。片方だけが良くなるような「つまみ食い」は却下です。

フィルタの選別結果

多くのフィルタは、かえって成績を悪化させました。

フィルタ項目結果理由
ER(効率比)≥0.3合格トレンドの効率性が高い場面を選別
ADX(トレンド強度)≥20合格トレンドが一定以上の強さを持つ場面を選別
RSI過熱回避却下ブレイク系では勢いが重要であり、過熱はむしろ好材料
SMA200乖離却下取引数が激減し、IS後半の成績も低下
N日高値・ブレイク幅調整却下条件を厳しくするほど利益が逃げてしまう
特にSMA乖離などは、条件を厳しくしすぎると「登山でいう険しい崖ばかり選んで、結局登る場所がなくなる」ような状態になり、取引機会が減ってしまいました。

合成による性能の変化

ER0.3とADX20を同時に採用したところ、ベースから劇的に数値が改善しました。

  • PF:1.80 → 2.46
  • 月利:+0.21%
  • DD(資産の最大下落率):-3.7%
  • OOS前半PF:1.84
  • IS後半PF:3.30 さらに損切り(SL)として2ATR(ボラティリティの2倍)を加えると、PFは2.54まで向上し、DDも-1.3%まで抑えられました。月利は+0.11%に下がりますが、リスクに対するリターン効率(月利÷DD)で見ると、ベースの0.045から0.085へと約1.9倍に高まっています。既存の金H1ブレイクアウトとの相関も0.53から0.43へ低下しており、フィルタによって異なる市場の断面を切り出せていることが分かります。 この調整値(ER0.3やADX20)は、数値を少しずらしても極端に成績が変わる「ナイフエッジ(切り立った崖のような不安定さ)」ではないため、比較的安定した設定と言えそうです。

今後の扱いについて

今回の検証で、手法の優位性(エッジ)は「効率的かつ強いトレンドが発生している時の、押し目後のドリフト(価格の偏り)」を捉えることにあると再確認できました。 ただし、今回の検証では計25構成を試したため、どうしても選択バイアス(都合の良い結果を選んでしまう偏り)が残ります。また、取引回数が97回と基準ギリギリである点も気になります。 実戦投入を検討するなら、Walk Forward(期間をずらしながら最適化を繰り返す手法)による完全前進検証と、既存のEAと合算した場合の金集中リスクの確認が必須です。現時点では単体での採用は見送りますが、コア戦略に加えるスリーブ(補完パーツ)としての要件は十分に満たせるレベルまで改善できました。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。