含み益でしか積まないピラミッドでも不採用だった

却下手法 · 1 min

Fintokeiのようなプロップファーム(資金提供型取引)のルールでは、日次の損失制限が非常に厳しい。特に重要なのは、含み益を含めた口座残高が基準になるため、含み益を大きく吐き出すことは「本物の日次損失」としてカウントされることだ。

Fintokeiのようなプロップファーム(資金提供型取引)のルールでは、日次の損失制限が非常に厳しい。特に重要なのは、含み益を含めた口座残高が基準になるため、含み益を大きく吐き出すことは「本物の日次損失」としてカウントされることだ。 そこで、含み益の範囲内で増し玉を行う「含み益ファンド型ピラミッディング」を検証した。この手法は、増し玉の損切りラインを含み益に縛ることで、従来のタートル手法よりもリスクが穏やかになる可能性がある。以前の研究では不採用だったが、現在はフラットガード(一日の損失が一定を超えると強制停止する仕組み)があるため、改めてその実力を測ることにした。 検証は、トレンド核FX4×MTF(マルチタイムフレーム)、リスク0.003(資金の0.3%)の条件下で、以下の4パターンを比較した。

手法PF最大DD
積み増しなし(対照)1.04-8.97%
素のタートル0.99-26%
含み益ファンド β0.50.99-22%
含み益ファンド β1.00.99-19%
※PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)
※DD(ドローダウン=資産の山からの下落率)
まず、IS(イン・サンプル=学習期間)の結果だが、ピラミッド型の変種はすべて赤字となった。OOS(アウト・オブ・サンプル=未知のデータ)では月利こそ向上するものの、それ以上にDDが膨らむという結果に。リスク調整後の効率で見ると、積み増しを行わない対照モデルの方が優れている。結局のところ、この手法は円安トレンドという特定の相場環境でベータ(市場の動き)を増幅させているだけに過ぎない。
決定打となったのは、M1(1分足)で日中の値動きを再構築した際の実力テストだ。
  • 積み増しなし(対照):日中最悪 -3.58%(-4%超えの日数:0回)
  • 含み益ファンド β0.5:日中最悪 -7.88%(-4%超えの日数:5回)
  • 含み益ファンド β1.0:日中最悪 -9.41%(-4%超えの日数:7回) たしかに、従来のタートル手法に比べればDDは小さく、直感通り「穏やか」にはなっている。しかし、日中のテール(極端な損失)は対照モデルの2.2〜2.6倍に達した。フラットガードを導入していても、最大DD経路での破綻は避けられない。 結論として、今回も「不採用」とする。含み益ファンドという仕組みはピラミッド手法の毒を多少は薄めるものの、根本的な解決にはならない。積み増しは新しい優位性(エッジ)を生むわけではなく、単なるトレンドのベータ増幅であり、日中テールを抑えきれずにDD予算を食いつぶしてしまうからだ。プロップファームで使うには不適格という判断は、ガード機能を追加した現在でも変わらない。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。