月替わりアノマリーの磨き込みは実らなかった

却下手法 · 1 min

TOMアノマリー(月末月初に発生しやすい特有の価格変動)を利用したEAに、6種類のフィルタを追加してその有効性を確かめました。あわせて、Connors-LS戦略をより短い時間軸へ適用した場合の検証も行っています。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

TOMアノマリー(月末月初に発生しやすい特有の価格変動)を利用したEAに、6種類のフィルタを追加してその有効性を確かめました。あわせて、Connors-LS戦略をより短い時間軸へ適用した場合の検証も行っています。

TOMアノマリーへのフィルタ追加検証

既存のEAに対し、SMA200、RSI14、ADX、効率比、裁量数値のレベル重要度など、計6つの条件を一つずつ追加して、IS(最適化期間:2015-2020年前半)とOOS(未知の期間:2020年後半-2026年)でどう変化するかを調べました。 検証の結果、RSI14を用いた「過熱回避」のみが、ISとOOSの両期間で成績を改善しました。

指標IS (PF / 月利)OOS (PF / 月利)備考
基準値1.00 / -0.000%1.24 / +0.030%フィルタなし
RSI<=551.11 / -1.48 / -採用値
RSIの閾値を50、55、60と変えても一貫してPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が改善しており、非常に頑健な結果といえます。これは、過熱感があるときはすでに市場のフロー(資金の流れ)が先食いされており、アノマリーが機能しにくいためだと考えられます。
一方で、他のフィルタはうまくいきませんでした。SMA200によるトレンド判定は、トレンドの有無に関わらずTOMアノマリーは発生するため、条件を足すことでかえってシステムが壊れる結果に。また、裁量数値(サポート近接度)もトレンド系のロジックでは有効ですが、フロー系のアノマリーにはうまく適合しませんでした。
これを受け、v1.8.1としてRSI14の閾値55を組み込むことに決めました。

Connors-LSの短期化による影響

Connors-LS戦略を、日足(D1)から4時間足(H4)、1時間足(H1)へと時間軸を短くして運用した場合の比較結果です。

時間軸IS (PF / 月利)OOS (PF / 月利)
D11.19 / +0.052%1.35 / +0.082%
H40.92 / -0.207%1.10 / +0.191%
H10.93 / -0.655%0.87 / -1.126%
結論から言うと、時間軸を短くするほど成績は悪化し、H1ではDD(ドローダウン=資産の山からの下落率)が56%に達し壊滅的な結果となりました。
これは、トレード回数を増やせば増やすほど、スプレッドなどのコストが比例して増大するためです。1トレードあたりの期待値が時間軸の短縮とともに縮小していく中で、コストだけが積み重なっていく構図です。過去の検証と合わせても、D1が「優位性(エッジ)がコストを上回る」ための下限であると再確認できました。
今回の検証から、TOMアノマリーには過熱回避のフィルタを採用し、Connors-LSについては無理な短期化をせず、日足を維持する方針とします。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。