3つの守りを重ねたら月次出金が5割増えた

平均回帰 · 1 min

研究152で明らかになった「日次の大負け(テール)をカットすれば、レバレッジをもっと上げられるのではないか」という仮説を検証しました。

研究152で明らかになった「日次の大負け(テール)をカットすれば、レバレッジをもっと上げられるのではないか」という仮説を検証しました。具体的には、1日の損失が一定(-4.5%)を超えたらその日の取引を強制終了させる「日次フラット決済」を導入し、どれだけ安全にレバレッジを上乗せできるかを確かめています。 検証環境は、過去の検証で用いたプロップファームの出金ルールを模した厳しい条件(MC合格率=破綻確率5%以下)です。

検証結果の比較表

手法月利頑健判定(破綻確率)備考
固定レバ(現行)0.680%4.7%頑健な運用の上限
フラット単独0.680%4.7%上限は上がらず
三層合成(kbase2.0)1.003%3.1%今回の最適解
三層合成(合算)1.028%2.8%複数通貨ペアの合算
※頑健判定は「ボラティリティ1.1倍かつ最悪の損失シナリオ1.3倍」のストレス試験下での破綻確率。

なぜ「フラット決済」だけではダメだったのか

まず、日次の損失を-5%で切るルールを単独で試しました。確かに「1日で大負けして即終了」という崖のような破綻は消えましたが、レバレッジの上限は上がりませんでした。 これは、単日での大負けを防いでも、今度は「資産が少しずつ削られてドローダウン(資産の最高値からの下落率)の床に触れる」という別の経路で破綻するためです。フラット決済だけでは、別の弱点がすぐにボトルネックになってしまうことが分かりました。

三層合成で初めて見えた「月利1%」の壁

そこで、「日次フラット決済」「動的k(床に近づくほどレバレッジを自動で下げる仕組み)」「複数通貨ペアの合算」という3つの対策を組み合わせたところ、劇的な改善が見られました。

  • フラット決済:日中の急激な大負けをカットする。
  • 動的k:証拠金が減るにつれ自動でレバレッジを抑え、ドローダウンの床を回避する。
  • 合算:通貨ペアを分けてリスクを分散し、母体のドローダウンを減らす。 これらを組み合わせることで、これまで「月利0.68%」が限界だった頑健な運用設定が、「月利1.00〜1.03%」まで向上しました。月利ベースで47〜51%の改善です。特に「kbase=2.0」という設定が、床付近でのレバレッジ調整として最も安定していました。

実装に向けた設定

今回の検証で、MT5版のEAにおいて以下の設定が有効であることが確認できました。

  • InpDynLev = true(動的レバレッジを有効化)
  • InpDynKBase = 2.0(既定の1.0から変更)
  • InpDynKCap = 1.5(既定のまま)
  • InpDailyFlattenPct = -4.0〜-4.5%(日次フラット決済をON) この設定であれば、平時のコストを抑えつつ、ストレスがかかる相場環境でも破綻確率を低く抑えられます。今後は、まだ未実装のショート戦略などを配線することで、さらに2〜3%の上積みが見込めるはずです。 なお、今回の検証はあくまでモデル上のものであり、フラット決済した翌日の再エントリーコストや、決済時のスリッページ(注文価格と約定価格のズレ)による影響は完全には考慮していません。ただ、スリッページを厳しめに見積もっても結論が変わらないため、実運用でも十分に機能する見込みです。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。