勝ちロジックをドルストレートに移植できるか試した

平均回帰 · 1 min

これまでJPYクロス(円絡みの通貨ペア)で運用していたトレンドフォロー型のEAを、USD系(ドルストレート)にそのまま移植できるか検証しました。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。

これまでJPYクロス(円絡みの通貨ペア)で運用していたトレンドフォロー型のEAを、USD系(ドルストレート)にそのまま移植できるか検証しました。結論から言うと、元のロジックをそのまま使うのは無理がありましたが、ロジックを「平均回帰」に変えることで、既存システムの守りを固めるための分散用パーツとして活用できることが分かりました。

トレンドフォローの移植は全滅

まず、JPYクロスで好調だった「トレンド核ブレイク(MTFでの時間足ブレイクと方向フィルタを組み合わせた手法)」を、そのままドルストレートの通貨ペアに適用してみました。

通貨ペア群PF (プロフィットファクター)月利DD (ドローダウン)
JPYクロス (検証済)1.49+0.586%-11.0%
ドルストレート (今回)0.88-0.147%-18.0%
JPYクロスでは4ペアすべてが黒字でしたが、ドルストレートでは4ペアすべてが赤字という結果です。これは、元のロジックが「円安トレンド」という特定の波に乗ることで利益を出していただけで、ロジック自体の優位性(エッジ)ではなかったことを示しています。トレンドフォローでドルストレートを攻めるのは、ただ下落相場に突っ込んでいくだけの無謀な試みでした。

Connors-LSへの転換と検証結果

次に、ロジックを「Connors RSI2(短期の平均回帰)」に変更して検証しました。これは「売られすぎたら買い、買われすぎたら売る」という手法です。 この手法をドルストレートに適用したところ、ようやく「優位性」が見えてきました。

  • IS/OOSの頑健性: 開発データ(IS)と未知のデータ(OOS)の両方で安定した成績を残しました。OOSでのPFは1.39、勝率は66%です。
  • 前進検証(WF)での脆さ: ただし、実際に運用を想定したテストでは課題も浮き彫りになりました。勝ち負けの波が大きく、年単位で見ると負け越す期間もあります。
  • MC合格率: 単独で運用するには、プロップファーム(資金提供会社)の基準で見ても合格率が低く、リターンも物足りません。 単体で利益を積み上げるエース級のEAにするのは難しい、というのがです。

分散スリーブとしての価値

この手法の真価は、既存の「Core System v1.5.0」に加えたときに発揮されました。

  • 無相関の実現: 既存システムとの日次相関が+0.012と、ほぼ無関係に動きます。
  • DD(資産の下落率)の低減: これを既存システムに加えることで、全体のDDが-8.36%から-7.74%へと低下しました。 これは、リターンを増やすためのパーツではなく、全体の「守り」を固めるためのパーツとして優秀であることを意味します。DDが減った分、その余裕を使ってレバレッジを調整すれば、結果的にトータルの月利を底上げできるという算段です。

実装への判断

今回の検証で、USD系への転用は「トレンドフォローを捨て、Connors-LS(平均回帰)を採用する」ことでのみ成立すると判断しました。 ただし、現在稼働中の既存スリーブはロングオンリーの設定になっているため、ショートも含めたLS(ロング・ショート両建て)の経路を別途用意しなければなりません。単に設定の通貨ペアを増やすだけでは不十分です。 今後は、このパーツを組み込んだ際の「再レバレッジ運用(DDが減った分だけロットを増やす運用)」の設計と、全スリーブを合わせた状態での「M1最悪(1分足で日中の口座推移を再構築した際の最大損失)」の再測定を行い、実運用に耐えうるか最終確認する予定です。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。