DD50%を許容する個人口座ならどこまで増やせるか

リスク管理 · 1 min

プロップファームのような厳しい出金ルールや日次の損失制限がない個人口座で、資産の半分が減る(最大DD50%)ことまで許容したら、どれくらいの成績が出せるのか。これを検証しました。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。

プロップファームのような厳しい出金ルールや日次の損失制限がない個人口座で、資産の半分が減る(最大DD50%)ことまで許容したら、どれくらいの成績が出せるのか。これを検証しました。 「確定システム v1.5.0」をベースに、ポジションサイズをk倍にして運用した場合の成績を、過去11.4年分のデータを使ってシミュレーションしています。

リスク倍率と成績の推移

今回の検証では、リスクの掛け方(k)を変えるごとに、どの程度のリターンとドローダウン(資産の山からどれだけ下落したか)が発生するかを計算しました。

リスク倍率(k)月利年率実最大DD
1倍 (ベース)0.90%11.4%-9.1%
3倍2.58%35.8%-26.8%
4倍3.37%48.8%-35.1%
5倍4.11%62.1%-43.1%
6倍4.81%75.7%-50.5%
ここで注目したいのは、どの倍率でもPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が1.64で変わらないという点です。つまり、システムの「稼ぐ力(優位性(エッジ))」自体は同じで、単にリスクのアクセルをどれだけ踏み込むかによって、リターンとDDが比例して動いている状態です。

どちらの基準で運用するか

最大DD50%を許容する場合の推奨設定には、2つの考え方があります。

  • 実績重視なら:k=5 過去のデータ通りに推移すると仮定すれば、月利4.11%・年率62.1%が狙えます。最大DDも-43.1%に収まる計算です。
  • 安全性重視なら:k=3 将来、過去のデータよりも相場環境が悪化することを想定した「MC(モンテカルロ法による将来の合格確率推定)」という厳しいテストを行うと、k=5ではDDが-59.1%に達する恐れがあります。95%の確率でDDを50%以内に抑えるなら、k=3(月利2.58%)が現実的なラインです。

結論

個人口座でDD50%まで許容するなら、月利およそ2.6%から4.1%が現実的な射程圏内です。 プロップファームの厳しい制約下(月利0.9%・DD-9%)と比べれば、制約がない分だけリターンは数倍になります。しかし、最大DDが50%に達すると、元の資金に戻すためにはプラス100%の利益を出す必要があり、精神的にも資産的にも非常に過酷な道のりになります。 あくまで「DD予算」をどこまで開放するかというリスク管理の問題であり、k=3の保守的な運用が、長期的な継続性を考えると現実的な推奨値といえます。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。