動的リスクの安全上限を1分足で確定させた

リスク管理 · 1 min

研究146では日次の終値をベースにリスクを評価しましたが、実際のプロップファームのルールは、日中のザラ場での動きを含めて「日次でマイナス5%」を判定します。

研究146では日次の終値をベースにリスクを評価しましたが、実際のプロップファームのルールは、日中のザラ場での動きを含めて「日次でマイナス5%」を判定します。そこで今回は、システムを1分足(M1)まで分解して再構築し、k(リスクを何倍にするかの係数)を上げたときに、日中の急激な振れがルールに抵触しないかを検証しました。 検証には、確定システムv1.5.0を使用しています。全トレードを1分足に展開し、その日の開始時点から一番資産が減ったタイミング(日中・日次損失)を算出しました。kの値は線形に拡大して評価しています。

1分足で見る「最悪の日」の振れ幅

まず、k=1(標準の倍率)で検証したところ、日中の損失率の最悪値は2.493%でした。これは2016年11月9日のトランプ氏当選翌日に発生したものです。99.9%の確率で見ると損失は1.848%、99%の確率では0.997%に収まっており、これまでのプロジェクトで把握していた「コアM1最悪値は約2.4%」というデータが正しく再現できました。 この結果をもとに、kの値を調整した場合の「マイナス5%ルール」への抵触状況をまとめました。

kの値日中最悪損失5%ルールへの抵触回数
k=1.02.493%0日
k=1.53.740%0日
k=2.04.986%0日
k=2.56.233%3日
表を見ると、研究146で推奨したk=1.5であれば、最悪の局面でも3.74%のドローダウン(資産の山からの下落率)で済み、5%の制限まで1.26ポイントの余裕があることが分かります。

結論と、後日の「修正」について

この検証結果から、研究146で導き出した「k=1.5」というリスク制御は、1分足という細かい時間軸で見ても十分に安全であると判断しました。動的にリスクを制御するシステムにおいても、静的なk=1.5が安全であれば、リスクを抑える方向へ働くため問題ありません。これで理論上の検証と実解像度での検証が完了し、実装へ進める状態となりました。 ただし、一点だけ重要な修正があります。この検証後に判明したのですが、今回の「k=2.0まで安全」という見立ては少し楽観的でした。 検証で使用した手法では、一部のトレード(Connorsや指数系のスリーブ)の日中の動きを取りこぼしており、最悪の損失を2.49%と過小評価していました。実際の資産推移の終値をベースに再計算すると、最悪の日次損失は3.22%となります。この数値を基準にすると、5%制限に抵触しないための限界値はk=1.55付近まで下がります。 結論として、研究146で推奨したk=1.5は正しい設定ですが、これ以上kを上げる余地はほとんどありません。k=2.0まで上げると最悪の日に約6.44%の損失となり、ルールに抵触してしまいます。あくまで「k=1.5が安全圏の上限」という認識で進めるのが正解です。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。