相関でDD削減!?EAの常識が覆された瞬間

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仮説: システムDD(=binding制約)は robust5(全円クロス)の同時逆行=相関ドローダウン由来。ペア平均相関が高い時=分散が効かず集中リスク → レバ縮小でDD低減→再レバ余地(前研究=DDが制約)。FX核(4FX H1/H4/D1, v1.4.1=vol-target+株式+HTF)

本記事は「相関でDD削減!?EAの常識が覆された瞬間」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回は、EAの成績を安定させるために「通貨ペア同士の相関」に注目して、ドローダウン(DD)を減らせるか検証してみました。結果から言うと、残念ながら期待した効果は得られませんでした。なぜうまくいかなかったのか、詳しく解説していきますね。

どんなアイデアだったの?

私たちが使っているEA(自動売買システム)は、いくつかの通貨ペアを同時に運用する「ポートフォリオ運用」をしています。このとき、EA全体の成績を左右する大きな要因の一つが「ドローダウン(DD)」なんです。 **ドローダウン(DD)**というのは、EAが一時的に抱える含み損の最大幅や、運用資金が最も減った割合のこと。例えるなら、登山でいう「どれだけ下りに転じたか」のようなもので、これが大きいと心理的な負担も大きくなりますし、何より次の取引でリスクを取れる余地が減ってしまいます。 私たちのEAの基本戦略の一つに「Robust5(ロバスト5)」というものがあるんですが、このEAのドローダウンは、複数の通貨ペアが同時に悪い方向へ動いてしまう、つまり「相関が高い状態での同時逆行」が原因で起こることが多いんじゃないか?と考えたんです。 通貨ペア同士の動きが似ている(相関が高い)と、リスクが集中してしまいますよね。これは、卵を複数のカゴに分けて入れておけば、もし一つカゴを落としても他の卵は無事、という「分散投資」の考え方が効かなくなる状態です。 そこで、「相関が高い時に、EAが取るロット(取引量)を小さくすれば、ドローダウンを減らせるはず!そうすれば、全体としてもっとリスクを取れる余地が生まれて、収益性も上げられるかも?」というのが、今回の検証のアイデアだったんです。

どうやって試したの?

このアイデアを検証するために、私たちのEAのベースとなっている「FX核(v1.4.1というバージョンで、主に4つの通貨ペアを1時間足・4時間足・日足で見て、ボラティリティ目標や株式市場の動きなどを考慮しています)」の上に、今回の新しい機能を「オーバーレイ(重ねる)」形で追加してみました。 具体的には、通貨ペア間の相関が高くなった時に、ロットサイズを自動的に調整する仕組みを組み込んだんです。相関が強すぎたらロットを小さく(最大で0.6倍に)、逆に相関が弱ければロットを少し大きく(最大で1.4倍に)する、というイメージですね。 もちろん、過去のデータに合わせて都合の良いように調整する「カーブフィッティング(後知恵)」は一切していません。あくまで公平な条件で、このアイデアが本当に有効なのかを確かめました。

結果はどうだった?

検証した通貨ペアの平均相関は、だいたい0.42から0.80の範囲で、特に円が絡むペアは相関が高い傾向が見られました。 そして、今回の「相関に応じてロットを調整する機能」と、既存のEAに組み込まれている「株式市場の動きに応じてロットを調整する機能」が、互いにどう影響し合うかを見てみたところ、なんと**「完全に別々の動きをしている」**ことがわかりました。つまり、お互いに同じことを繰り返したり、影響し合ったりする「冗長(じょうちょう)」な関係ではなく、それぞれが独立した役割を果たしている、ということなんです。これは一見良いことのように思えました。 …が、残念ながら、結果は期待とは裏腹でした。

  • ドローダウン(DD)は、むしろ悪化!
  • 全期間でのDDは、変更前の-6.1%から、変更後は-7.4%へと増えてしまいました。
  • リスクに対するリターンも悪化!
  • リターンをDDで割った「r/DD」という数値も、0.29から0.24へと下がってしまいました。これは、リスクを取った割にリターンが少なくなってしまった、ということですね。
  • 月ごとの利益は変わらず…
  • 月利はほとんど変化がありませんでした。 さらに、期間を区切って詳しく見てみても、ドローダウンが改善したのは一部の期間だけで、全体的には悪化傾向が見られました。ごく短期間(M1)だけはわずかに改善したものの、これは誤差の範囲と言えるでしょう。

ここから学んだこと(なぜ効かなかったのか?)

なぜ、こんな結果になってしまったのでしょうか?ここが今回の検証で一番重要なポイントです。 それは、「相関は方向を区別しない」という点にありました。 通貨ペアの相関が高いというのは、「似たような動きをしている」ということです。例えば、ドル円とユーロ円が同時に上がっていれば相関は高いですし、同時に下がっていればやはり相関は高いですよね。 私たちが使っているEAは「トレンドフォロー型」なので、複数の通貨ペアが揃って上昇トレンドに乗っているときは、EAにとっては大きな利益チャンスなんです。でも、「相関が高い時にロットを減らす」という今回の仕組みだと、悪い時にリスクを抑えられるだけでなく、良い時に利益を伸ばすチャンスまで一緒に削ってしまっていた、というわけです。 結果的に、ドローダウンは減らないどころか悪化し、リターンまで削られてしまう、という残念な結果につながってしまいました。 本当にドローダウンを生むのは、単に「相関の大きさ」ではなく、「下方向への同時逆行」なんです。つまり、複数の通貨ペアが同時に悪い方向へ動くことが問題なんですね。そして、この「下方向へのリスク回避」の動きは、実は既存のEAに組み込まれている「株式フィルタ(米国株価指数などに連動するフィルタ)」が、すでにしっかり検知してロット調整をしてくれているんです。 以前検証した「ブレッド(市場の広がりを見る研究)」も今回の「相関の大きさ」も、結局は「市場全体の方向性(特にリスクオフの方向)を見る株式フィルタが、その役割をちゃんと果たしている」という結論に行き着きました。

結論として

相関の「大きさ」だけを見てロットを調整しても、私たちのEAのドローダウンを減らす効果は期待できない、ということがわかりました。本当に必要なのは「特定の方向(特に下方向へのリスクオフ)に動いているかどうか」という情報で、それはもう現在のEAに組み込まれています。 今回の検証結果を受けて、EAのバージョン1.4.1にはこの変更は採用しないことになりました。ドローダウンを減らすための新しい方法は、また別の角度から探っていく必要がありそうです。 今回の検証が、皆さんのEAへの理解を深める助けになれば嬉しいです!