部分利確は利益を増やさず、守りにだけ効く

却下手法 · 1 min

今回は、メインで使っているEA(自動売買プログラム)の「v1.4.1」をベースに、ポジションの管理方法を変えることで成績がどう変わるか、2つの手法を検証してみました。

今回は、メインで使っているEA(自動売買プログラム)の「v1.4.1」をベースに、ポジションの管理方法を変えることで成績がどう変わるか、2つの手法を検証してみました。 検証したのは、利益を小分けにする「スケールアウト(部分利確)」と、含み益があるときに追加でポジションを積む「ピラミッディング(スケールイン)」の2つです。

比較検証の結果

手法勝率最大ドローダウン(DD)PF効率(r/DD)
現行(標準)38%-17%1.487.4
ピラミッディング--22%--
スケールアウト40-57%-11〜-12%1.29-1.409.0
※PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を超えると黒字。r/DDは収益とドローダウンの比率で、高いほど効率が良いことを示します。
まず、ピラミッディングは残念ながら不適格でした。勝ち馬に乗る手法ですが、期待に反して効率が悪化し、ドローダウン(資産の山からの下落率)も拡大してしまいました。これまでの検証でも繰り返し確認している通り、トレンドフォローにおいてリスクを集中させる運用は、私のシステムには合わないようです。
一方で、スケールアウトは「勝率が上がり、ドローダウンが小さくなる」という魅力的な結果になりました。特に、1分足で日中の動きを再構築した際の最悪の日次損失(M1最悪)が、3.65%から2.48%まで改善しました。含み益を大きく吐き出す前に一部を確定させることで、日中の急落に対する「安全弁」として機能した形です。

なぜ「採用」を見送るのか

これほど良い結果が出たにもかかわらず、今回はあえて現行システムのまま据え置くことにしました。理由は主に3つです。

  1. トレード回数が約2.4倍に増え、コスト(手数料やスリッページ)の影響が大きくなること。
  2. PFが低下し、本来得られたはずの「大勝ち」を刈り取ってしまうこと。
  3. 現在のシステムは、すでに日中の急落リスク(M1最悪)に対して十分な余裕(2.74%)を持っており、これ以上リスクを削る必要性が薄いこと。 低頻度でコストに強い今の設計こそが、このシステムの強みだからです。

レバレッジを調整すれば増益できるのか

「損失が減るなら、その分レバレッジを上げて利益を増やせるのでは?」という疑問についても、検証プログラムを組んで確認しました。 結論から言うと、スケールアウトを導入してリスク設定(レバレッジ)を少し高めれば、確かに月利は5〜7%ほど向上します。しかし、これは「M1最悪(日中のリスク)」が制約になっている場合に限られた話です。 私のフルシステムは、すでに日中のリスクよりも「ドローダウン(資産全体の減り方)」が制約の壁になっています。スケールアウトは日中のリスクを下げますが、ドローダウン自体を大きく改善するわけではないため、結局のところドローダウンの壁に突き当たってしまい、増益には直結しませんでした。

今回の学び

今回の検証で、非常に重要なことが分かりました。 フルシステムの利益をさらに伸ばすには、日中のリスク(M1)を下げることではなく、ドローダウンを抑える工夫が必要です。しかし、ドローダウンを抑えるための手法(分散やボラティリティに応じた調整など)は、すでに現行のv1.4.1でやり尽くしています。 「安全なドローダウンの範囲内で月利0.8%程度が天井」という限界値が見えたことは、システムをこれ以上いじり回さないための大きな収穫でした。スケールアウトについては、将来的に高レバレッジで運用する際や、ライブ口座で予期せぬ日中リスクが生じたときの「安全装置」として、いつでも使えるよう実装だけ残しておこうと思います。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。