
攻めEAの罠?コア+ペアがコストに弱い理由
Per-Pairは保有短(Donchian/ATR 1.2-1.3日・★FX Connors EURJPY/GBPNZD 0.2日×1550トレード)=核(6.8日)よりコスト感度大。
本記事は「攻めEAの罠?コア+ペアがコストに弱い理由」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: Connors RSI2 のエントリー例(USDJPY 日足・実データ)。200日SMAより上で RSI(2) が10以下に沈んだ押し目を買います。
どんなアイデアを検証したの?
今回は、「攻めのEA(自動売買プログラム)構成」が、実際のFX取引でかかるコスト(スプレッドや手数料など)にどれくらい耐えられるのか、詳しく調べてみました! 私たちが検証しているEAには、大きく分けて2つのタイプがあります。
- Core(コア): 比較的長い期間ポジションを保有する、安定重視のEA。いわば「守りの要」です。
- Per-Pair(パーペア): 短い期間で頻繁に売買を繰り返す、積極的なEA。こちらは「攻めの切り札」といったイメージですね。 この検証では、「Core」に「Per-Pair」を組み合わせた「攻め構成」が、いざ本番の環境で動かしたときに、どれくらいのパフォーマンスを維持できるのか?特にコストの影響をどれだけ受けるのかを確かめてみたんです。
どうやって試してみたの?
まず、「Per-Pair」のEAは、その名の通り、一つ一つの取引の保有期間がとても短いのが特徴です。 例えば、
- 「Donchian/ATR」という戦略のEAだと、平均で1.2〜1.3日くらいポジションを持っています。
- さらに「FX Connors」という戦略のEAだと、なんと平均0.2日!つまり、数時間で決済されるような超短期売買なんですね。
- 対して、安定重視の「Core」戦略は平均6.8日と、比較的ゆっくり取引します。 これだけ保有期間が短いということは、それだけ頻繁に取引を行うということ。取引のたびにスプレッド(買値と売値の差額)や手数料がかかるので、コストの影響を大きく受けやすい、というのが直感的に分かりますよね。 今回の検証では、実際の取引環境を想定して、**「1pipsのスプレッド追加」と「1ロットあたり7ドルの手数料」**がかかる、という条件でシミュレーションを行いました。これは、いわば「本番のガソリン代や通行料」を上乗せして計算した、というイメージです。
結果はどうだった?
さっそく、検証結果を見ていきましょう!
攻めのEAはやっぱりコストに弱い!
予想通り、取引回数が多く、保有期間が短い「攻めのPer-Pair」EAは、「Core」EAに比べて、取引コストの影響を非常に大きく受けることが分かりました。登山でいうと、短い坂を何度も上り下りするようなもので、そのたびに体力(コスト)を消耗する、という感じでしょうか。
具体的な数字で見てみよう
シミュレーションで設定した「実費(+1pip+$7/lot)」を考慮すると、パフォーマンスは次のように変化しました。
直近の好調期(現レジーム)での影響
- 月利: コストがかかる前は月平均2.43%だった利益が、**1.86%**に減少しました。約23%の利益減ですね。
- ドローダウン(DD): 一時的な資金の減少を表すドローダウンは、**-10.4%**となりました。ドローダウンは、登山で頂上を目指している途中で、一時的にどれだけ下りに転じたか、というようなものです。 それでもまだ魅力的な数字ではありますが、コストがかかると利益が減り、一時的な損失(ドローダウン)は大きくなる傾向が見られました。
長期的な視点(通期)での影響
もっと長い期間で見た場合、コストの影響はさらに顕著になりました。
- 月利: 1.38% → **0.91%**に減少。
- ドローダウン(DD): なんと-14%だったものが、**-28%**にまで悪化してしまいました!これは、資金が一時的に倍近く減ってしまうリスクがある、ということ。 つまり、取引コストと、もし相場環境が悪化する時期(弱レジーム)が重なると、「攻めのEA」は非常に脆くなってしまう、ということがはっきりしました。 特に、保有期間が極端に短い「FX Connors」という戦略は、コストの影響を強く受けることが分かりました。この「FX Connors」戦略を除外してシミュレーションし直すと、長期のドローダウンが-25%に改善する結果も出ています。なので、もし「攻めのEA」を本番で使うなら、この「FX Connors」戦略は外した方が良いかもしれませんね。
結論:攻めは「割り切り」が大事!
今回の検証から見えてきた一番大切な結論は、**「攻めのEA構成は、保守的なCore単独のEAに比べて、実際の取引コストに非常に弱い」**ということでした。 もし「攻めのEA」を使ってみたい場合は、いくつか注意が必要です。
- **「今の相場環境(現レジーム)が好調だからこそ、このパフォーマンスが出ている」**という前提を理解しておくこと。
- さらに、**リスク設定をより保守的(例えばロット数を下げてリスクを約0.002程度に抑える)**にする必要があること。
- そして、「攻めのEAは、コストに弱い」という脆さをしっかり認識しておくこと。 着実に利益を出金して、堅実に資金を増やしていきたいなら、今回の検証では、圧倒的に**「保守的なCore単独のEA」を強くおすすめします。** 「攻めのEA」は、「今の良い相場環境で、ちょっとだけ上振れを狙ってみたい!」というように、リスクを理解した上で「割り切って使う」のが賢い選択だと言えそうですね。
ここから学んだこと
今回の検証で、それぞれのEAの特性がより明確になりました。
- 保守的なCore単独のEA:
- 取引コストに対して**非常に頑丈(超頑健)**です。
- PF(プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失。1を超えると黒字)はなんと5.77と非常に高く、収益性が安定しています。
- スワップポイント(金利差調整額)も追い風になることが多く、月利への影響もたった-7%程度と小さいです。
- 攻めのPer-Pair EA:
- 保有期間が短い分、取引コストに非常に弱い(コスト脆弱)という特性があります。 つまり、ご自身の運用目的や、どれくらいリスクを取れるか(リスク許容度)に合わせて、これらのEAを明確に使い分けるのが最も賢い方法だと言えるでしょう。 安定重視でコツコツ行きたいならCore単独。リスクを理解した上で、短期的な上振れを狙いたいならPer-Pairを組み込む、というように、目的に合わせて戦略を選んでみてくださいね!