EA本番化の壁!コストが利益を食いつぶすか?

リスク管理 · 1 min

Core v1.4.0(平均保有6.8日・6168トレード/11年=低頻度)のスリッページ/手数料ストレス。**月利はコスト頑健**(+2pipで0.85→0.79%・-7%/MC94→91%)。だが**スリッページがSL約定を悪化させDDを押し上げる**(+2pipでDD-9.7→-12%)。

本記事は「EA本番化の壁!コストが利益を食いつぶすか?」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回は、私たちが開発したEA「Core v1.4.0」が、実際の取引で発生する「コスト」(スリッページや手数料)にどれくらい耐えられるのか、そしてその影響で運用設定をどう調整すべきか、というとても大事な検証を行いました。

どんなアイデア?

私たちのEA「Core v1.4.0」は、平均で約6.8日ポジションを保有し、11年間で6168回と、比較的ゆっくりとした頻度でトレードするタイプのEAなんです。こういうEAは、一回一回のトレードにかかるコストが積み重なると、意外と大きな影響が出ることがあります。 そこで、もし「スリッページ」(注文した価格と実際に約定する価格のズレのこと)や「手数料」といった、FX取引で避けられないコストがかかった場合、このEAの成績はどう変わるのか?特に、利益率や「ドローダウン」(DDと略されることもありますね。一時的に資金がどれくらい減ったか、登山でいう"どれだけ下りに転じたか"のようなものです)にどれくらい影響があるのかを詳しく調べてみたんです。

どうやって試した?

今回は、実際の運用に近い形で、いくつかのコストパターンを想定してバックテスト(過去のデータを使って検証すること)を行いました。

  1. 少し厳しめのコストを想定: まず、スリッページが「+2pips」(例えば、1ドル100円で買い注文を出しても、実際には100円2銭で約定してしまう、といった状況ですね)発生した場合を想定しました。これは、少し多めのスリッページを見て、EAがどれくらい打たれ強いかを確認するためです。
  2. よりリアルな実費相当のコストを想定: 次に、もっと現実的なコストとして、「+1pipsのスリッページ」に加えて、「1ロットあたり7ドルの手数料」がかかる場合を想定しました。これは、私たちが実際に利用しているFX業者さんの手数料なども考慮した、かなりリアルな数字なんです。 これらのコストをEAに組み込んで、過去11年間のデータで「もしこのコストがかかっていたら、どんな成績になっていたか」を徹底的に検証しました。

結果はどうだった?

検証の結果は、いくつかの発見がありました。

月利への影響は意外と少なかった!

まず、月ごとの利益率(月利)についてです。 もしスリッページが「+2pips」かかっていたとしても、もともと0.85%だった月利は、0.79%へと少し下がるだけでした。減少率は約7%です。 これって、言い換えれば「Core v1.4.0の月利は、コストに対してかなり打たれ強い(頑健)」ということなんです! また、「MC(Maximal Collapse = 最大資金減少率)」という、ドローダウンと似た指標も、94%から91%へとわずかな減少にとどまりました。これは、コストがかかっても、資金が大きく減ってしまうリスクはあまり上がらないことを示唆しています。

ドローダウンへの影響は大きかった!

しかし、一方で「ドローダウン」には、コストがかなり大きな影響を与えることが分かりました。 スリッページが「+2pips」かかった場合、バックテストでは-9.7%だったドローダウンが、なんと「-12%」にまで悪化してしまったんです。 これはどういうことかというと、スリッページが発生することで、EAが設定している「損切り(ロスカット)」のラインを少し超えて約定してしまう、という状況が頻繁に起こるためなんです。イメージとしては、せっかく決めていた撤退ラインを、ちょっとだけオーバーして損が確定してしまう、という感じですね。この「ちょっと」が積み重なると、全体のドローダウンを押し上げてしまう、というわけです。

ここから学んだこと

今回の検証から、ライブ運用(実際のお金での運用)に向けて、いくつかの重要な結論と対応策が見えてきました。

実運用ではドローダウンに注意が必要!

私たちがバックテストで見ていたドローダウン(-9.7%)は、実は「コストが一切かからない理想的な状態」での数字だったんですね。 実際の取引では、先ほど検証した「+1pipsのスリッページと$7/lotの手数料」という実費相当のコストがかかることを考えると、ドローダウンはバックテストの数値よりも約1.5%〜2%程度上乗せされてしまう、ということが分かりました。 例えば、「リスク設定0.003」(資金の0.3%を1トレードのリスクに設定する、というイメージです)で運用した場合、実費込みのドローダウンは-11.5%と、かなり大きくなってしまう可能性があります。

ライブ運用ではリスク設定を保守的に調整します!

この結果を受けて、Core v1.4.0を実際に運用する際には、リスク設定をこれまでの「risk0.003」から、一段階安全な「risk0.0025」へと「保守化」(より安全な設定にすること)することにしました。 この設定であれば、実費込みのドローダウンは目標である「約10%」に収まり、月利も「約0.7%」程度を期待できると考えています。

ライブ運用の期待値と「転移率」

今回の検証から導き出された、Core v1.4.0のライブ運用における期待値は、**月利が約0.7%〜0.75%で、ドローダウンは約10%**という目標です。 これは、バックテストでの月利0.85%と比較すると、約88%〜95%の成績が実現できる、という計算になります。これを「転移率」と呼ぶのですが、過去に検証した他のEA(例えばFXでは約83%、ゴールドでは約45%)の実績と比べても、かなり高い水準でバックテストの成績が実運用でも再現できそうだ、ということが分かりました。これはCore v1.4.0のポテンシャルを示す、嬉しい結果ですね! 今後も、使用するFX業者さんの設定に合わせて_BROKERという項目を調整することで、常にコスト感度をチェックし、最適な運用ができるように検証を続けていきます。