複数EA融合!自動売買の新境地へ

平均回帰 · 1 min

Core v1.4.0(sat2内包) / Satellite(BB逆張り) / Per-Pair(攻め) の日次を合成。相関 core-sat0.38/core-pp0.49/sat-pp0.16。

本記事は「複数EA融合!自動売買の新境地へ」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

FXの自動売買(EA)って、一つだけでも十分すごいんですが、もし複数のEAを上手に組み合わせられたらどうなると思いますか? 今回は、そんな「EAのブレンド」に挑戦した研究のお話です。特に「Core」と「Per-Pair」というタイプのEAを組み合わせることで、どんな面白い結果が出たのか、一緒に見ていきましょう!

どんなアイデア?

私たちは今回、主に3つのEA(自動売買プログラム)を組み合わせてみました。例えるなら、それぞれが違う個性を持った料理人、といったイメージでしょうか。

  • Core v1.4.0(コア): これは私たちの主力EAで、安定した成績を目指すタイプです。
  • Satellite(サテライト): ボリンジャーバンド(BB)というテクニカル指標を使った逆張り(相場の行き過ぎを狙う)が得意なEAです。
  • Per-Pair(パーペア): 個別の通貨ペアの特性を活かして、積極的に利益を狙いに行く「攻め」のEAです。 これらのEAがそれぞれどんな動きをするか(これを「相関」と言います。似た動きをするほど相関が高いと表現します)も調べました。CoreとSatelliteの相関は0.38、CoreとPer-Pairは0.49、SatelliteとPer-Pairは0.16でした。相関が低いほど、お互いの弱点を補い合って、リスクを分散できる可能性が高まります。

どうやって試した?

今回は、これら3つのEAを色々なパターンで組み合わせて、過去の相場でどれくらいの成績が出たかを検証しました。特に注目したのは、「Core」と「Per-Pair」を同時に動かす「併走」という形です。それぞれのリスク設定(1回のトレードでどれくらい損失を許容するか)を「0.0025」という控えめな値に設定して、もしもの時の最大損失額(これを「M1」と呼びます)がどうなるかも厳しくチェックしました。 技術的な話になりますが、複数のEAを同時に動かすと、同じ通貨ペアで重複したポジションを持ってしまうことがあります。そういった細かいバグを避けるために、reconstruct_dedupという特別な処理も加えて、正確に検証できるように工夫しています。

結果はどうだった?

CoreとPer-Pairの組み合わせが大当たり!

なんと、CoreとPer-Pairを均等にブレンドした結果が、一番良い成績を出しました! 具体的には、ドローダウン(一時的な資産の落ち込み)を10%に抑えた場合で換算すると、月利がこれまでのCore単体の+1.66%から、なんと+2.34%にアップ! 約40%もの改善が見られました。 これは、相関が0.49とそこそこ高めにもかかわらず、Per-Pairの高リターンをCoreの安定感がうまく支え、全体のパフォーマンスを押し上げてくれたんです。まるで、安定感のあるベテラン職人と、攻めの若手職人が協力して、素晴らしい作品を作り上げたようなイメージですね! 残念ながらSatelliteは、この組み合わせにおいては足を引っ張ってしまう結果だったので、今回は除外する判断となりました。

どんな相場環境でも通用する「本物の分散効果」

このブレンドシステムがすごいのは、特定の相場環境だけでなく、どんな相場でも安定して良い結果を出せるという点です。

  • 相場が難しかった時期(2015年〜2020年): Core単体だと月利0.54%だったのが、ブレンドすると0.61%に改善。
  • 相場が好調だった時期(2021年〜2026年): Core単体で月利2.75%だったのが、ブレンドすると3.04%に改善。 このように、相場が難しい「弱気相場」でも、好調な「強気相場」でも、両方でパフォーマンスが向上しました。これは、特定の相場にだけ強い「まぐれ」ではなく、**どんな状況でも力を発揮できる「本物の分散効果」**があることを示しています。

具体的なパフォーマンスは?

現在(直近の相場環境2022年〜2026年)のデータで見ると、このCoreとPer-Pairのブレンドは、

  • 月利が約2.5%
  • ドローダウンが8〜9%(10%以内!)
  • プロフィットファクター(PF)が1.4
  • PFとは「総利益÷総損失」のことで、1を超えるとトータルで黒字という意味です。1.4はかなり優秀な数字と言えますね。 という素晴らしい結果が出ています。 過去全体(難しい相場も含む)で見ると、月利1.38%、ドローダウン14.1%と、少しドローダウンが大きくなります。これは難しい相場では一時的に損失が大きくなる可能性もある、ということを示しています。 また、複数のEAを同時に動かした際の1日あたりの最大損失額(M1)も厳密に検証したところ、最悪でも3.90%で収まり、リスク設定を超過した日は1日もありませんでした。これは、安心して併用できる証拠ですね。 Per-Pair単体だと月利1.8%でドローダウン8%だったのですが、Coreと組み合わせることで、ドローダウンをほぼ同じに抑えつつ、月利を2.5%まで大きく伸ばせたんです。相関が高めでも、リスクを増やさずにリターンを増やせる「本物の併走効果」がここでも確認できました。

ここから学んだこと

今回の研究は、私たちがこれまで試してきた「自律探索セッション」の集大成のようなものです。11種類の新しいアイデアを試した中で、特に**「Core本体の改良」と「CoreとPer-Pairの併走」という2つのアイデアが、本物の改善をもたらしてくれることが分かりました。 FXのEA開発って、「もうこれ以上は良くならないんじゃないか?」と思ってしまうこともあるんです。でも、今回の研究で、「天井は無い」ということを改めて実感**しました。固定観念にとらわれず、新しい切り口で試行錯誤を続ければ、まだまだ性能を突破できる可能性が残されているんだ、と。 そして、厳密な検証ルール(例えば、たまたま良い結果が出ただけの「プラセボ効果」ではないか、様々な期間で本当に通用するか、など)をしっかりと守ったからこそ、本当に有効なアイデアだけを選び出すことができました。 今回のブレンド戦略は、既存のEAをそのまま組み合わせて使えるので、新しいコードを開発する必要がありません。つまり、**すぐにでも試せる「攻めの確定構成」**として、皆さんのEAポートフォリオの選択肢に加えていただけるかもしれませんね!

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。