複雑さは無用!ポートフォリオの最適解は固定?

却下手法 · 1 min

固定リスク配分を 逆ボラ/リスクパリティ/最小分散/モメンタム/平均分散 と比較(後知恵なし, core4+perpair9)。**全方式が fixed(均等)に負け**(core4: fixed Calmar1.43 > invvol1.03 > momentum0.53 > meanvar0.1

本記事は「複雑さは無用!ポートフォリオの最適解は固定?」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回は、FX自動売買(EA)を複数組み合わせる「ポートフォリオ」を組むときに、どんな資金配分方法が一番利益を出しやすいのか?という疑問に答えるべく、いろいろな方法を試してみた検証のお話です。

どんなアイデア?

複数のEAを組み合わせるポートフォリオは、リスクを分散したり、安定した利益を目指したりするのにとても有効な戦略ですよね。でも、それぞれのEAにどれくらいの資金を割り振るか(ウェイトをどうするか)って、結構悩むポイントなんです。 「じゃあ、常に同じ割合で資金を配分する『固定ウェイト』が本当に一番いいのかな? それとも、相場の状況に合わせてEAごとの配分を動的に変える『動的ウェイト』の方がもっと良い結果を出せるんじゃない?」 そんな疑問から、今回はいくつかの「動的ウェイト」のアイデアを検証してみました。

  • 逆ボラティリティ配分 (Inverse Volatility) 値動きが激しいEA(ボラティリティが高い、つまりリスクが大きい)のリスクを抑えるために、そのEAへの資金配分を減らす方法です。安定した動きのEAに多めに配分するイメージですね。
  • リスクパリティ (Risk Parity) 各EAがポートフォリオ全体のリスクに与える影響が均等になるように配分する方法です。リスクの「公平性」を重視します。
  • 最小分散 (Minimum Variance) ポートフォリオ全体のリスク(分散)が最小になるように配分する方法です。とにかく安定性を最優先したい時に使われます。
  • モメンタム (Momentum) 最近調子の良いEAに多めに配分し、調子の悪いEAからは資金を減らす方法です。勢いに乗るEAを応援するイメージですね。
  • 平均分散 (Mean-Variance) 期待リターン(予想される利益)とリスク(分散)のバランスを見て、最も効率の良いポートフォリオを構築する方法。理論的には理想的とされています。

どうやって試した?

検証に使ったのは、私たちが普段から注目している「core4」というメインのEA群と、「perpair9」というペアトレード系のEA群を組み合わせた、合計13個のEAポートフォリオです。 これらのEAに、先ほど説明した「逆ボラティリティ」「リスクパリティ」「最小分散」「モメンタム」「平均分散」の5つの動的配分方法を適用して、その成績を「固定ウェイト(均等に資金を配分する方法)」と比較しました。 もちろん、未来の情報を知っているかのように都合よく配分を変える「後知恵」は一切なし。実際のトレードと同じように、過去のデータだけを使って、リアルタイムで配分を調整するシミュレーションを行いました。

結果はどうだった?

さあ、いよいよ検証結果です! 結論から言うと、ちょっと意外な結果が出ました。 なんと、今回試したすべての動的配分方法が、「固定ウェイト(均等配分)」に負けてしまったんです! 特に、メインの「core4」EA群で見てみると、その差は歴然でした。成績の良さを示す「カルマー比率 (Calmar Ratio = 純利益 ÷ 最大ドローダウン。数値が大きいほど優秀)」で比較してみましょう。

  • 固定ウェイト (Fixed): 1.43
  • 逆ボラティリティ (Inverse Volatility): 1.03
  • モメンタム (Momentum): 0.53
  • 平均分散 (Mean-Variance): 0.13 カルマー比率が1.43の固定ウェイトが一番優秀で、他の動的配分は軒並み成績が落ちてしまいました。特に平均分散は0.13と、かなり厳しい結果に…。

ここから学んだこと

なぜこのような結果になったのか、考えてみました。 まず、今回検証に使ったEA(core4やperpair9)は、もともと単体でも優秀で、お互いの特性がうまくかみ合ってバランスが取れているEA群だった、という点が大きいようです。例えるなら、すでにそれぞれの分野で実力のあるアスリートが揃ったチームに、コーチが「君はいつもより右に動け!」「君は左だ!」と細かく指示を出しすぎた結果、かえってチームワークが乱れてしまった、みたいな感じでしょうか。 動的な配分調整は、「どのEAが今後調子が良いか」「EA同士がどう連動するか」などを予測して資金を傾けるわけですが、この**「タイミングの予測」や「リスク量などの推定」が非常に難しいという現実を突きつけられました。少しの予測ミスや推定誤差が、かえってポートフォリオ全体のパフォーマンスを悪化させてしまうんです。 特に「平均分散」は、複数のEAの値動きの連動性を示す「共分散(複数のEAの損益がどれくらい一緒に動くかを示す指標)」を正確に推定する必要があるのですが、これがなかなか難しい。過去のデータから未来を予測しようとすると、どうしても誤差が出てしまい、結果的に「崩壊」と表現してもいいくらい成績が落ち込んでしまいました。 この検証から言えるのは、「優れたEA群を組み合わせる場合、無理に複雑な動的配分をしようとすると、かえって裏目に出る可能性がある」**ということ。シンプルに均等配分する「固定ウェイト」が、意外にも最も堅実で良い結果を出すことがある、ということが分かりました。 もちろん、今回試した配分方法以外にも、世の中には様々な動的ポートフォリオ構築手法があります。今回の結果は、あくまで「このEA群と、これらの動的配分方法を組み合わせた場合」の話。今後、他の配分方法やEAの組み合わせで、また違った結果が出る可能性も探っていきたいですね。