
重要ラインでブレイクを選別しても勝率は上がらず
以前の検証で「押し目買い」の精度向上に役立った、チャート上の重要な価格帯を判断する仕組み(levels.py)を、今回はブレイクアウト戦略に応用してみました。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。
以前の検証で「押し目買い」の精度向上に役立った、チャート上の重要な価格帯を判断する仕組み(levels.py)を、今回はブレイクアウト戦略に応用してみました。 狙いは、ブレイクアウトの際によくある「だまし」を避けること。重要度の高い価格帯を抜けた時だけエントリーすることで、前回発生した38%ものドローダウン(資産の山からの下落率)の原因となっていたノイズを減らそうと考えたのです。 しかし、結果は期待とは裏腹に、強化どころか逆効果となりました。
| 手法 | ドローダウン(DD) | 効率性(PF) | 勝ち年(6年中) |
|---|---|---|---|
| 通常版 | -36.5% | 10.98 | 4年 |
| 重要度Lv10以上 | -40.9% | 6.53 | 4年 |
| 重要度Lv15以上 | -40.9% | 5.53 | 4年 |
| 重要度を高く設定するほど、効率(PF=プロフィットファクター。1を超えると黒字)は単調に悪化。過去のデータを使って未来を予測する前進検証でも、通常版と変わらず6年中4年しか勝ち越せず、改善は見られませんでした。 | |||
| 今回の検証で明らかになったのは、なぜこの手法がブレイクアウトに効かないのかという理由です。 | |||
| 「yosuga」のような押し目買い戦略では、強い支持線で買うというルール自体が重要レベルと直結しています。一方で、ブレイクアウト戦略は「抵抗帯を抜ける」こと自体が重要レベルの突破を意味しています。そこにさらに「重要なレベル付近であること」という条件を重ねてしまうと、過剰に絞り込みすぎてしまい、本来のチャンスまで削ってしまうのです。過去に試した上位足フィルタや出来高プロファイルが振るわなかったのと、全く同じ現象でした。 | |||
| ここから得られた最大の教訓は、ブレイクアウト戦略で発生するドローダウンは、エントリーの品質を磨けば消えるようなものではない、ということです。相場が方向感のない停滞期(chop)に入ったり、トレンドの勢いが落ちたりするタイミングで同時に逆行してしまうのは、トレンドフォローの本質的な宿命です。 | |||
| 結局のところ、こうしたドローダウンと付き合うための正解は、以下の3点に集約されるようです。 | |||
| ・低リスクでの運用 | |||
| ・マルチタイムフレーム(複数の時間軸)による分散 | |||
| ・指数など、真に相関のない別の戦略を組み合わせること | |||
| これらはまさに現在構築しているシステム(Core System v1.2.0)の設計方針そのものです。今回追加した機能は、将来的に押し目買い系の戦略で使う可能性があるため残しておきますが、ブレイクアウト戦略の強化には不適と判断しました。システム自体の変更は行わず、このまま運用を継続します。 |
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。