プライスアクション、EA化の試練!不採用の衝撃

手法検証 · 1 min

教材のプライスアクション(長いヒゲ=拒否、包み足=転換)をローソク足レベルで数値化し、頑健な水平レベル(研究73 level>=20)に「PA確認」を足して前進検証。

本記事は「プライスアクション、EA化の試練!不採用の衝撃」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回の検証では、「よすが式」という裁量トレード手法に含まれる「プライスアクション」の考え方をEA(自動売買プログラム)に組み込んでみたら、どうなるのかを試してみました。結論から言うと、残念ながら「不採用」という結果になったんです。

どんなアイデアだったの?

私たちはこれまで、裁量トレーダーさんの判断をEAで再現できないか?というテーマで「よすが式 裁量機械化シリーズ」を進めてきました。今回はその中でも「プライスアクション」に注目したんです。 プライスアクションって、例えば「ローソク足に長いヒゲが出たら、そこで価格が拒否されたサインだ!」とか、「前のローソク足をすっぽり包むような足が出たら、トレンド転換のサインだ!」といった、ローソク足の形から相場の心理を読み取る手法のことですね。 この「長いヒゲ」や「包み足」といったプライスアクションのパターンを、EAが判断できるように数値化してみました。そして、以前の検証(研究73)でかなり良い結果を出していた「頑丈な水平レベル」を基準にするEAに、この「プライスアクション確認」というフィルターを加えてみたら、もっと成績が良くなるんじゃないか?というアイデアだったんです。

どうやって試してみたの?

検証方法は、すでに優秀な成績を出していた「頑丈な水平レベル」(具体的には、過去のデータで目立つ高値や安値として20回以上確認された信頼性の高い水平線)をEAのロジックの土台としました。この土台EAは、6回の検証期間中5回もプラスになっていた、安定感抜群のEAなんです。 そこに、今回数値化した「プライスアクション確認」のロジックを付け加えて、過去の相場データでEAを動かしてみました。この検証は「前進検証」という方法で行っています。これは、まだEAが見ていない未来の相場データでテストする、本番に近いかなり厳しい検証方法なんです。

ドキドキの結果発表!まさかの「劣化」?

さて、肝心の検証結果です。

  • 元の「頑丈な水平レベル」だけのEA
  • 利益率 +42.2%、6回の検証期間中5回がプラス(5/6)!
  • これは本当に素晴らしい成績で、安定感も抜群でした。
  • 「頑丈な水平レベル」に「プライスアクション確認」をプラスしたEA
  • 利益率 +12.1%、6回の検証期間中3回がプラス(3/6)。 なんと、プライスアクションの確認を加えたことで、成績が大幅に「劣化」してしまったんです! 利益率も大きく落ち込みましたし、プラスだった回数も減ってしまいました。 まるで、すごく美味しい料理に、良かれと思って普段入れない調味料を加えたら、逆に味がぼやけてしまった…みたいな感じですね。 他にも「プライスアクションのみ」で動かすパターンなども試してみましたが、どれも元の「頑丈な水平レベル」だけのEAには及ばず、成績は悪くなる一方でした。 特に残念だったのは、プライスアクション確認を入れたことで、元のEAが持っていた「6回中5回プラス」という安定した頑丈さが「6回中3回プラス」にまで落ちてしまったことです。これは以前検証した「斜めチャネル」という手法の時と同じで、取引回数を減らすだけでなく、EAの一貫性や安定性を削ってしまう結果になりました。 このため、今回のプライスアクションは、EAのロジックとしては「不採用」という結論になりました。

「よすが式」機械化シリーズ、衝撃の総括!

今回の研究76で、「よすが式 裁量機械化シリーズ」は一区切りとなります。これまで検証してきた裁量トレードの3つの要素について、改めて総括してみましょう。

  1. ダウ理論とMTF(マルチタイムフレーム分析)
  • これはトレンドの方向を判断する要素でした。相関は0.65とそこそこ関係性はありましたが、EAの成績への寄与は限定的で「△」という評価になりました。
  1. 水平レベル(目立つ高値や安値)
  • これはまさに**「本物の頑健な優位性(エッジ)」**でした!
  • 前進検証という厳しいテストで、6回の期間中5〜6回もプラスという驚異的な安定性を見せてくれました。
  • EAのパラメータ(設定値)を少し変えても結果が安定する「頑健さ」も確認できました。
  • PF(プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失。1を超えると黒字)は1.63、Sharpe(シャープレシオ = リスクに対してどれだけリターンがあるかを示す指標。高いほど効率が良い)も1.16と、非常に優秀な数値でした。
  • これは「押し目買い・戻り売り系のEAは、前進検証で成績が伸び悩む」というEA業界の常識を、初めて覆す画期的な発見だったんです!
  1. チャネル(斜め線)
  • 以前の検証で不採用になりました。教材でも「弱い」とされていた通り、EAでは効果を発揮できませんでした。
  1. プライスアクション
  • そして今回、残念ながら成績を「劣化」させてしまう結果となり、不採用となりました。

裁量は「勘」じゃなくて「論理」だった?私たちの答え!

このシリーズを通して、私たちは「裁量トレードって、本当に『勘』だけじゃなくて、論理的に数値化して機械化できる部分があるんじゃないか?」という問いに挑んできました。 その問いに対する完全な回答は、**「部分的に、明確に実証できた!」**ということになります。

  • 成功した部分: 裁量トレードの「構造的な核」となる部分、つまり「トレンドの方向」や「本当に相場に効いている水平レベル」といったものは、EAで機械化できることが分かりました。これこそが、私たちが探し求めていた**「本物の頑健な優位性」**だったんです。これはEA開発者にとって、非常に大きな一歩と言えるでしょう。
  • うまくいかなかった部分: 一方で、より細かい執行の判断、例えば「斜めチャネルの読み方」や「ローソク足のパターン認識(プライスアクション)」といった部分は、単純な機械的なルールに落とし込むと、前進検証で成績を「劣化」させてしまうことが分かりました。 これは、以前の「機械学習でEAを開発しようとしたけどうまくいかなかった」(研究34)という結果とも一致するんです。 つまり、裁量トレードの「上位階層」(相場の全体的な地合いや、重要なレジスタンス・サポートラインといった大きな流れ)は論理的に捉えて機械化できる。でも、「下位階層」(ローソク足一本一本の微細な動きや、ちょっとしたパターン)は、人間の「高次元な判断」が必要で、自由度の低いEAのルールには落とし込みきれない、ということなんですね。機械学習を使っても、特定のデータにしか効かない「過学習」になりやすい、ということも示唆しています。 今回のシリーズで開発した「dow_structure」(ダウ理論の構造をコード化したもの)や、「levels.py」(水平レベルを検出するコード)、「channels.py」(チャネルを検出するコード)といったツールは、今後も裁量手法をEAとして検証していく上で、非常に価値のある「恒久資産」となりました。 現在のEAシステムは「v1.1.0」で、引き続きこのバージョンが最も安定して優秀だと判断しています。今回検証した「水平レベルでフィルタリングしたよすが式」も非常に高品質なEAですが、既存の「核」となる厳密なEAと比較すると、まだ相関が0.52。既存のEAの優位性を超えるほどの厳密な「核」には至っていないため、当面は現在のシステムを据え置くことになります。 今回のシリーズで得られた知見は、今後のEA開発に大いに役立つはずです。皆さんのEAトレードのヒントにもなれば嬉しいです!

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。