
プライスアクションを数値化しても優位性は出なかった
教材で紹介されている「長いヒゲは拒否」「包み足は転換」といったプライスアクション(ローソク足の形から判断する値動きのクセ)を数値化し、これまで検証してきた頑健な水平レベル(研究73で確認した、過去に何度も反応している価格帯)と組み合わせてみました。
教材で紹介されている「長いヒゲは拒否」「包み足は転換」といったプライスアクション(ローソク足の形から判断する値動きのクセ)を数値化し、これまで検証してきた頑健な水平レベル(研究73で確認した、過去に何度も反応している価格帯)と組み合わせてみました。 検証結果は以下の通りです。
| 手法 | 成績(年勝率/期間) |
|---|---|
| 水平レベル(level20)単体 | +42.2% (5勝6敗) |
| 水平レベル + PA確認 | +12.1% (3勝6敗) |
| 水平レベル + PA(lb2) | +14.3% (4勝6敗) |
| PA確認のみ | +17.7% (4勝6敗) |
| 結果を見ると、プライスアクションを組み合わせるほど、本来の強みであった「頑健なレベル」の成績が劣化しています。勝率も5勝6敗から3勝6敗へと落ち込んでおり、チャネルラインの検証時と同様に、フィルターを追加しすぎて取引機会を減らした結果、一貫性まで削いでしまったようです。今回はプライスアクションの採用を見送ります。 | |
| これにて、教材の手法を機械化する「よすが式」シリーズの総括とします。これまで検証してきた要素を整理すると、裁量の「核」となる部分と、そうでない部分が見えてきました。 |
- ダウ理論+MTF(マルチタイムフレーム分析):トレンド再発見には役立つが、相関が0.65とそこそこ。評価は△。
- 水平レベル(目立つ高値・安値):前進検証(過去のデータ以外での有効性確認)で5勝6敗と好成績。PF1.63、シャープレシオ1.16と、本物の頑健な優位性(エッジ)といえる。評価は◎。
- 斜めチャネル:教材内でも「弱い」とされている通り、検証でも振るわず。評価は×。
- プライスアクション:数値化してルールに落とし込むと、かえって成績が劣化。評価は×。 「裁量は勘ではなく、論理的に数値化・機械化できるのか」という問いに対しては、部分的に「イエス」といえます。トレンドの方向や、どの水平レベルが効いているかという「構造的な核」は機械化が可能で、これまで「押し目買い系は前進検証で消える」といわれていた定説を覆す結果となりました。 一方で、より細かい執行判断である斜め線の読みやローソク足のパターンは、単純なルールに落とし込むと前進検証で機能しません。これは過去の機械学習による選別がうまくいかなかった事例とも一致します。裁量の上位階層(地合いや主要レベルの把握)は論理として機械化できますが、下位の微細な判断は、人間特有の高次元な判断に依存しており、単純なルールではその自由度を再現しきれないのでしょう。 今回の検証で作成したコード群(dow_structure、levels.py、channels.py)は、今後も新しい裁量手法を検証するための資産として活用していきます。なお、システム自体は現行のv1.1.0で据え置きとします。レベルフィルタをかけた「level-filtered yosuga」も高品質ではありますが、既存システムとの相関が0.52と高く、あえて入れ替えるほどの決定打には至りませんでした。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。