斜め線はEAの夢か?チャネル数値化、不採用の結末

手法検証 · 1 min

教材のライン2大要素のもう一方=チャネル(斜め線)を(スイング2点で線・タッチ/反発でスコア化・リーク無し・no-lookahead検証済)で数値化し、levels同様に前進検証。

本記事は「斜め線はEAの夢か?チャネル数値化、不採用の結末」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回の研究テーマは、以前良い結果が出た「水平線(レベル)」だけでなく、もう一つの重要な裁量トレードの要素である「チャネル(斜め線)」が、EAで使えるかどうかを検証したお話です。

どんなアイデア?

前回の研究(研究73)では、価格が何度もタッチしたり反発したりする「水平線」(これを「レベル」と呼んでいます)を数値化してEAで活用できないか試したところ、かなり良い成績が出ましたよね。 今回は、それに続いて「チャネル」という、価格のトレンドを斜めの線で囲んだ「価格が通る道」のような要素に注目しました。裁量トレーダーの方なら、チャートに斜めの線を引いて、その中で価格が動くのを見てエントリーの判断をすることも多いと思います。 このチャネルを、私たちの独自のツール(channel_linesという内部ツールです)で数値化し、EAのロジックに組み込めるか試してみよう、というのが今回のアイデアです。具体的には、過去の価格の動きから自動でチャネルを引いて、その線に価格がタッチしたり反発したりするのを「点数(スコア)」として評価。未来の情報を先読みしない(no-lookahead)ように注意深く検証を進めました。

どうやって試した?

前回と同様、「前進検証」という方法でテストしました。これは、ある期間のデータでEAのルールを最適化したら、その次の期間の、まだEAが見ていないデータで実際にどう動くかを検証していくやり方です。まるで、過去問を解いて勉強したら、本番のテストで本当に点が取れるか試すようなものですね。こうすることで、特定の過去データにだけ都合の良い「見せかけの良い成績」ではない、未来の相場でも通用する「頑丈さ(ロバスト性)」があるかを確認できます。 今回は、チャネルの「強さ」を示すスコアがどれくらいあれば効果的なのか、いろいろなパターンで試してみました。

結果はどうだった?

それでは、肝心の結果発表です!

水平線(レベル)単体での成績は安定

まず、前回の研究73で検証した「水平線(レベル)」の成績を再確認すると、+42.2%という利益率で、6つの検証期間のうち5期間でプラスという安定した結果を再現できました。これは本当に素晴らしいですね!

残念ながらチャネルは不採用に…

しかし、今回の主役である「チャネル」単体での結果は、残念ながら期待外れでした。

  • チャネルスコアが「10以上」の場合: -6.8%の損失で、6期間中プラスになったのはたった1期間でした。これは「失敗」と言わざるを得ません。
  • チャネルスコアを「20以上」に上げて、より強いチャネルに限定した場合: +0.3%とほぼ利益が出ず、6期間中プラスになったのは2期間だけでした。しかも、取引回数が54回と非常に少なく、ほとんど活動していない状態でしたね。 過去のデータ(インサンプル)で見たときは、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が1.49や2.20と良さそうに見えたんです。でも、これは言わば「選別的蜃気楼」。特定の過去データに都合よく合わせた結果で、未来の相場では通用しない幻想だった、ということなんです。

水平線とチャネルを併用すると成績が悪化

「じゃあ、水平線とチャネルを両方使ったらどうなるか?」と試したところ、これもまた残念な結果に。水平線単体では**+42.2%で5/6期間がプラスだった成績が、チャネルと組み合わせることで+47.4%で4/6期間がプラス**に悪化してしまいました。 せっかく安定していた水平線の良い成績を、チャネル由来の質の低いエントリーが台無しにしてしまった、という感じですね。まるで、おいしい料理に合わないスパイスを加えて、かえって味が落ちてしまったようなものです。

ここから学んだこと

結論:チャネルは不採用!

今回の検証から、チャネルはEAのロジックとしては不採用という結論に至りました。未来の相場で通用する「頑丈さ」がなく、他の良い要素と組み合わせても、かえって成績が悪くなってしまうことがデータで証明されたからです。

教材の教えとデータの一致

実は、私たちの参考にしている裁量トレードの教材でも「チャネルは水平線よりも効果が弱い」と書かれていたんです。今回の検証結果は、その教えをデータで裏付ける形になりましたね!つまり、水平線の方が斜め線(チャネル)よりも相場でしっかり機能するという、教材の考え方がデータでも証明されたわけです。 なので、前回検証して良い結果が出た「水平レベル」の方を、引き続き採用していくことにしました。

検証システムが「本物」を見極める

今回の検証で、私たちの分析システムが「効果のある裁量トレードの要素(水平線)」と「そうでない要素(チャネル)」を、データという「事実」に基づいてしっかり見分けられることが証明されました。 「裁量トレードの考え方は全部良いものだ!」と盲信するのではなく、ちゃんとデータで検証して「本当に効く部分」を見極められる。これって、EA開発の仮説検証として、すごく信頼性が高い証拠なんです。効果がないものを排除し、本当に効果があるものだけを積み上げていく。この地道な作業が、EAの性能を上げていく上で何よりも大切だと改めて感じました。 今回作ったチャネルの分析ツール自体は、不採用になったからといって捨てるわけではありません。将来的に違う使い方を試したり、再検証する時のために、大切な資産として残しておきますよ。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。