よすが式EA、ライン付近限定で飛躍!最終結論は?

手法検証 · 1 min

研究71の続き。教材で唯一定量化された上積みレバー=「ライン(目立つ高値/低値)付近でのトレンド転換のみ参入」(62%→71%)を忠実機械化(大スイング=深さn_lineの水平線レベルから line_atr*ATR 以内のときだけ参入)。OFF/line0.5/1.0/1.5 を前進検証で比較。

本記事は「よすが式EA、ライン付近限定で飛躍!最終結論は?」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

今回は、前回に引き続き「よすが式」EAの検証で、特に「ライン付近に限定してエントリーする」というアイデアを試した結果についてお話ししますね! 以前の検証で、よすが式トレードの基本的な「トレンドフォロー」の考え方は、EA(自動売買プログラム)として再現できることが分かりました。でも、講師の方がさらに成績を上積みしていた部分(62%から76%への改善)は、どうすればEAにできるんだろう?というのが今回のテーマだったんです。

どんなアイデアだったの?

よすが式トレードの教材の中で、成績の上積みにつながる部分として唯一、具体的なルールに落とし込めそうだったのが、「目立つ高値や安値(これを『ライン』と呼びます)の付近で、トレンドが転換するタイミングだけエントリーする」という考え方でした。 まるで、大きな山脈(トレンド)の中で、目立つ山頂や谷底(ライン)の近くでだけ、次の登りや下りに乗り換えるようなイメージですね。 私たちはこのアイデアを、EAとしてプログラムに組み込んで、自動で試せるようにしました。具体的には、相場の大きな流れ(dow_structure:ダウ理論でいうトレンドの構造、高値・安値の切り上げ・切り下げのことです)から引いた水平線(ライン)から、どれくらいの距離までを「付近」とみなすか、というフィルターを設定しました。この「距離」の目安には、ATR(Average True Range:平均的な値動きの幅を示す指標。ボラティリティの目安になります)という値動きの大きさを表す数値を使っています。 今回は、このフィルターを「使わない(OFF)」、「ATRの0.5倍の範囲内(line0.5)」、「ATRの1.0倍の範囲内(line1.0)」、「ATRの1.5倍の範囲内(line1.5)」という4つのパターンで比較検証してみました。

どうやって試した?

これらのフィルターを組み込んだEAを、過去のデータで徹底的にテストしました。特に重視したのは「前進検証」という方法です。 これは、過去のデータでEAの設定を最適化(インサンプル)した後、まだEAが一度も見たことのない、未来の相場に近いデータ(アウトオブサンプル)でも、その設定がちゃんと通用するかを試す、より実践的な検証方法なんです。もし前進検証で良い結果が出なければ、それは「過去のデータにたまたま当てはまっただけの、再現性の低いルール」である可能性が高い、ということになります。

結果はどうだった?

さて、肝心の検証結果です! まず、EAの学習期間(インサンプル)では、このフィルターを入れると取引回数は減ったものの、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)は少しだけ改善して1.05から1.11になりました。ここだけ見ると「お、いい感じかも?」と思いますよね。

前進検証では残念な結果に…

しかし、いざ未知の期間(前進検証)で試してみると、このフィルターは残念ながらまったく通用しませんでした

  • フィルターなし(OFF)の場合:+26.4%(3ヶ月中6ヶ月でプラス)
  • ラインからATR1.0倍の範囲内(line1.0)の場合:+4.2%(4ヶ月中6ヶ月でプラス)
  • ラインからATR1.5倍の範囲内(line1.5)の場合:+1.1%(4ヶ月中6ヶ月でプラス) このように、フィルターなしの場合が+26.4%と好調だったのに、ライン付近限定フィルターを入れると、+4.2%や+1.1%と、大きく成績が落ち込んでしまったんです。さらに、安定性を示す基準(例えば、6ヶ月中5ヶ月以上プラス収益)も満たせず、むしろトータルの成績も悪化してしまいました。特に2019年の成績は、フィルターを入れてもマイナスのままでしたね。 つまり、このフィルターは「取引回数を減らすだけ」で、EAの「稼ぐ力(優位性(エッジ))」を強くすることはできなかった、という結論です。

ここから学んだこと

今回の検証で、私たちが知りたかったのは、「裁量トレード(人間が判断するトレード)のテクニックは、すべて論理的に分解してEAにできるのか?」という大きな問いでした。

トレンドフォローの核は本物、でも上積みは裁量に依存

検証の結果、基本的な**「トレンドフォロー(トレンドに乗っていく)」という考え方は、EAとして機械化できる、本物のロジックだということが、改めて確認できました。これは私たちのこれまでのEA開発の方向性とも一致しています。 しかし、「よすが式」の講師の方が、基本的なロジックに加えてさらに成績を伸ばした部分(62%から76%への上積み)については、今回EAに組み込んだ「ライン付近限定」という唯一具体的なルールとして試せる部分ですら、安定して稼げるEAのロジックにはなりませんでした。これは残念ながら「×」です。 では、その「上積み」は何だったのかというと、おそらく「どのラインが本当に機能するかを判断する目」や「ローソク足の動きから状況を読む力(プライスアクション)」、そして「相場のシナリオを立てて、トレード全体を管理する能力」といった、その時々の相場状況によって判断が変わる、人間ならではの「裁量」の部分に大きく依存していた、という結論に至りました。 以前の検証(研究33)でも、AI(機械学習)を使って「勝ちやすいトレードを選ぶ」という試みをしましたが、これも上手くいきませんでした。今回の結果は、「裁量的なトレードの選択は、機械のルールでもAIでも再現が難しい」**という、これまでの検証と一致する結果だったんです。 これは、以前検証した別の手法(維新の介先生の研究54)と似ていますね。基本的な考え方は非常に理にかなっているけれど、実際に稼ぎを大きく伸ばす部分は、やはり人間の「裁量」に頼るところが大きい、ということです。

裁量をEAにする難しさ

もちろん、「裁量的な判断も、突き詰めれば論理的に説明できるはずだ!」という考え方もできます。でも、それを**「誰でも使える、シンプルで安定したEAのルール」に落とし込むのは、今回のようなちゃんとした教材の手法であっても、非常に難しい**ことが分かりました。 無理に全てをEAにしようとすると、過去のデータにたまたま当てはまるだけの「見せかけのルール(偽陽性)」を拾ってしまうリスクがあるんです(これは研究33でも経験済みですね)。 今回の検証で、「よすが式」のEA化については一旦区切りをつけたいと思います。私たちのメインEA「Core System v1.1.0」は、今のところ変更なしで、引き続きこのままが最善だと考えています。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。