
短期足トレンドはフィルタで救えるか試した
研究61の続きとして、今回はトレンドフォロー型の「BreakoutLong」というシステムに、上位足のトレンドを判断するフィルタを追加して検証しました。
研究61の続きとして、今回はトレンドフォロー型の「BreakoutLong」というシステムに、上位足のトレンドを判断するフィルタを追加して検証しました。 フィルタの仕組みは、上位足のSMA(単純移動平均線)を読み込んでトレンド方向を判断するものです。未来のデータを使ってしまう「リーク」を防ぐため、1つ前の確定足を使う工夫をしています。また、ADX(トレンドの強さを示す指標)でトレンドの勢いを測るフィルタも用意しました。 まずは何もフィルタをかけない「Core System」の状態に戻して、+89.4%の利益、最大ドローダウン(資産の山からどれだけ下落したか)が-9.0%、モンテカルロ合格率(日次のリターンを再構成して、プロップファクター合格の可能性を推定した値)が85.2%であることを確認しました。 この状態で、15分足(M15)と30分足(M30)の境界線上で5種類のフィルタを試した結果がこちらです。
| フィルタ条件 | 取引回数 | PF | 最大DD |
|---|---|---|---|
| なし(M30) | 3009 | 1.19 | -16.2% |
| D1方向のみ | 1882 | 1.25 | -11.5% |
| D1方向 + ADX>20 | 1463 | 1.26 | -10.5% |
| ※PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失。1を超えると黒字。 |
フィルタは効くが、短期足の限界は変えられない
検証の結果、フィルタを重ねると無駄なトレードが減り、PFが改善してDDが小さくなるという狙い通りの動きをしました。特に「日足(D1)のトレンド方向に従う」というフィルタの効果は顕著です。 しかし、M15以下の短期足では、現実的な取引コスト(0.5pips程度のスプレッドや手数料)を考慮すると、どれだけフィルタを工夫してもPFが1を切ってしまう、つまりトータルでマイナスになる結果となりました。M5に至っては、どんなフィルタをかけてもPF0.79と太刀打ちできません。
結論:フィルタで磨くより、素のH1を使う
今回の検証で分かったのは、フィルタで短期足を無理に磨き上げるよりも、最初から1時間足(H1)で運用する方がはるかに優秀だということです。 フィルタをかけたM30の成績(PF1.26 / DD-10.5%)と、フィルタなしの素のH1(PF1.36 / DD-8.6%)を比べると、すべてのプロップ指標においてH1の方が優れています。結局のところ、短期足の構造的な弱さはフィルタだけではカバーしきれないようです。 今回の検証で作成した上位足フィルタの機能自体は汎用性が高いため、将来的な別トラックの検証用に残しておきます。ただ、現在のメインシステムについては、余計なフィルタを追加せず、H1・H4・D1といった上位足を中心に運用する方針がもっとも合理的であると判断しました。今回の検証で、確定システムに変更は加えません。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。