局面で戦略を切り替えるEAは単純ロングに勝てなかった

平均回帰 · 1 min

局面ごとに最適なロジックを自動で切り替える「レジーム・ルーター」という仕組みを作ってみました。相場の状況に合わせて賢く立ち回るEA(自動売買プログラム)を想定し、2017年から2026年までの8通貨ペアのデータを使って、未来の相場を予測するような形で厳密にテストしています。

局面ごとに最適なロジックを自動で切り替える「レジーム・ルーター」という仕組みを作ってみました。相場の状況に合わせて賢く立ち回るEA(自動売買プログラム)を想定し、2017年から2026年までの8通貨ペアのデータを使って、未来の相場を予測するような形で厳密にテストしています。 まずは、どのロジックが本当に通用するのか、通貨ペアをまたいで検証した結果がこちらです。

ロジック勝ち越し通貨数平均PF
トレンドロング6/81.12
トレンドショート3/80.87
平均回帰(逆張り)1/80.91
結果は一目瞭然で、安定して優位性(エッジ)があるのは「トレンドロング」だけでした。ショートや逆張りは、通貨ペア全体で見ると損失の方が大きいという厳しい現実が見えてきます。
次に、このロジックを切り替える構成と、固定で運用した場合の比較を行いました。
運用手法PFシャープ比
:—:—:—
基準B0(トレンドロング固定)1.12+0.72
SW1(ショート切り替え)-+0.18
SW2(逆張り切り替え)-+0.02
SW3(全局面切り替え)--0.39
驚くことに、局面に応じてショートや逆張りを混ぜる工夫をすればするほど、成績は悪化しました。さらに、ボラティリティが高い時やレンジ相場を避けるような「フィルタ」をかけても、リスクは減るもののリターンも同じだけ減ってしまうため、リスク調整後の成績は向上しませんでした。
結局のところ、相場というデータに潜んでいる確かな優位性は「トレンドロング」の一択であり、それ以外のロジックを混ぜることは、せっかくの利益を薄める行為にしかならないようです。特に、上昇局面だけに絞るようなゲートを設けると、EAが元々持っている移動平均線フィルタの働きまで阻害してしまい、利益を出すチャンスそのものを捨ててしまうことが分かりました。
今回の研究で、特定の局面でロジックを切り替えるという「賢そうな手法」には付加価値がないことが改めて証明されました。過去の検証でも似たような結論が出ていましたが、今回さらに多角的な道具を使って厳密に追い込んだ結果、その確信が強まりました。
ただ、今回開発した「レジーム・ルーター」という枠組み自体は無駄ではありません。これは未来のデータを覗き見ることなく、正しく検証できる優れたフレームワークです。もし今後、全く別の相場データや価格以外の指標から、確実なプラス収支を出せる別のロジックが見つかれば、すぐにこの仕組みに組み込んで厳密に審査できます。
今のところの結論としては、無理に局面を変えて戦うよりも、トレンドロングという核となる戦略を信じて突き詰めるのが最善のようです。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。