市場の天気予報!MTF RSI+SMAでトレンドを掴め!

却下手法 · 1 min

構造: 上位足SMAで地合い→下位足SMAでトレンド確認→下位足RSIで押し目買い(順張り押し目)。MTFはリサンプル+shift(1)でルックアヘッド防止(整列を合成検証)。

本記事は「市場の天気予報!MTF RSI+SMAでトレンドを掴め!」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

この記事では、複数の時間足(タイムフレーム)を組み合わせたMTF RSIとSMAというEA(自動売買プログラム)が、本当に安定して利益を出せるのか、徹底的に検証してみました!

どんなアイデアを試したの?

今回検証したのは、複数の時間足(MTF = マルチタイムフレーム)の情報を組み合わせて、相場の流れに乗って利益を狙うEAのアイデアです。具体的には、まるで天気予報と風向き、そしてピンポイントの買い時を探すように、こんなロジックを考えました。

  1. 上位足のSMA(単純移動平均線)で「相場の大まかな天気」を把握: 例えば日足(D1)の移動平均線を見て、いま相場全体が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、大きな流れ(地合い)を判断します。
  2. 下位足のSMAで「目の前の風向き」を確認: 次に1時間足(H1)などの短い時間足の移動平均線を見て、直近のトレンド(風向き)がどうなっているかを確認します。
  3. 下位足のRSI(相対力指数)で「絶好の押し目」を狙う: そして、上昇トレンド中に一時的に価格が下がったところ(これを「押し目」と言います)を、RSIという買われすぎ・売られすぎを示す指標を使って見つけ出し、そこで「買い」を仕掛ける、という戦略です。まさに、順張り(トレンドの方向に乗る)で押し目買いを狙うイメージですね。 このとき、MTF分析でよくある「未来の情報を先取りしてしまう」というズルを防ぐために、リサンプル+シフトという技術的な工夫もしっかり施して検証しました。

どうやって検証したの?

このアイデアが本当に通用するのか、様々なパターンで徹底的にテストしてみました。 まず、基準となる時間足(base)と、それより長い時間足(HTF)の組み合わせを、以下の4パターンで試しました。

  • 1時間足(H1)と日足(D1)
  • 1時間足(H1)と4時間足(H4)
  • 4時間足(H4)と日足(D1)
  • 4時間足(H4)と週足(W1) さらに、それぞれの組み合わせで、SMAやRSIの期間といったEAの設定値(パラメーター)を36通りも変えて、過去のデータ全体で一番良い成績になる設定を徹底的に探す「グリッド最適化」という方法で検証を行いました。これは、過去のデータに対して完璧にフィットする設定を探す、いわば「過去のテストで満点を取りに行く」ようなやり方なんです。

最初の結果は「すごい!」に見えたけど…

グリッド最適化の結果は、とても魅力的に見えました! 過去の全期間で一番成績が良かった「最適解」を見てみると…

  • 4時間足(H4)と日足(D1)の組み合わせで、+15.5%の利益、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)は1.11
  • 1時間足(H1)と4時間足(H4)の組み合わせでは、なんと**+33.8%もの利益**、PFは1.15を記録しました。 これだけ見ると、「おっ、これはすごいEAができたんじゃない!?」と期待してしまいますよね。

現実の厳しさ、ウォークフォワードテストで判明!

しかし、FXの世界はそんなに甘くありません。過去のデータでいくら良い成績が出ても、それが未来でも通用するとは限らないんです。そこで、より実践的な「ウォークフォワードテスト」という検証方法で、このEAの実力を測ってみました。 ウォークフォワードテストは、過去のデータを「訓練期間」と「検証期間」に分けて、訓練期間で一番良かった設定を、まだEAが見ていない「検証期間」で実際に試す、というのを繰り返す方法です。今回は「3年間の訓練期間で最適化して、次の1年間で実際に運用する」というのを5回繰り返してみました。 その結果は…なんと、通算で-3.0%の損失!そして、5回のテストのうち、利益が出たのはたった1回だけという厳しい結果になってしまいました。 さらに、期間ごとに選ばれるパラメーター(SMAの期間が100になったり200になったり、RSIの買い基準が30だったり50だったり)がコロコロ変わってしまい、設定が安定しないという問題も浮き彫りになりました。これはまさに、過去の特定の相場に合わせすぎた「過剰最適化」の典型的な兆候なんです。まるで、テスト範囲を事前に知っていて、その答えだけを丸暗記したようなもので、範囲が変わると全く通用しない、という状態ですね。 念のため、一番良かった設定値を固定して、複数の通貨ペアで試す「全通貨前進選抜」という別の検証も行いましたが、こちらも通算で-11.0%の損失、6回のテストで利益が出たのは2回だけと、やはり厳しい結果に終わりました。

このEA検証から学んだこと

今回の検証でわかったのは、MTF RSIとSMAを組み合わせたEAの「最適解」は、残念ながら過剰最適化に陥りやすいということでした。過去のデータでいくら+15〜34%もの魅力的な利益が出ていても、いざ未来の相場で試してみると、その利益は消えてしまう…これは、他の多くの価格ベースのテクニカル指標を使った手法でもよく見られるパターンなんです。 ただ、一つだけポジティブな点もありました。ウォークフォワードテストでのDD(ドローダウン=資産が一時的に減ったときの、最高値からの下落幅。登山でいう「どれだけ下りに転じたか」のようなものです)は、各年で-0%から-7%と、比較的小さかったんです。これはつまり、「明確な優位性(エッジ)(優位性)はないけれど、リスクも低い」というタイプのEAだった、と言えます。 単体で大きな収益源にするのは難しいですが、リスクを抑えたいポートフォリオ(複数のEAを組み合わせた運用)の中で、全体のドローダウンを分散させる「部品」としては、もしかしたら使える可能性もあるかもしれません。 とはいえ、やはりFXで安定して大きな利益を出すための「真の収益優位性」は、相場の大きな流れである「トレンド」を捉えることにある、ということを改めて痛感させられる検証結果となりました。