フラクタルが進化!複数指標で最強EA誕生か?

トレンド · 1 min

フラクタルに SMA/RSI/ADX を単独・複合で付加( に rsi_min/rsi_max/adx_min フィルタ追加)。8通りを前進検証。

本記事は「フラクタルが進化!複数指標で最強EA誕生か?」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

研究㊺ フラクタル × 複数指標の組み合わせ 今回の検証テーマは、FXのテクニカル分析でよく使われる「フラクタル」というインジケーターに、さらに他の有名な指標を組み合わせてみたら、安定して利益を出せるEA(自動売買プログラム)が作れるのか?という疑問に答えるものです。

どんなアイデア? フラクタルに他の指標を加えてみたら?

フラクタルというのは、チャート上で特定の期間における高値や安値の転換点を示すインジケーターのこと。「山」や「谷」のような形で見えるので、価格のブレイクアウト(特定の高値や安値を抜けた時にエントリーする)戦略によく使われます。 私たちは、このフラクタルを使った基本的なEAのロジック(FractalBreakoutと呼んでいます)に、さらに別のインジケーターを「フィルター」として追加してみるアイデアを試しました。フィルターというのは、「この条件も満たしたらエントリーする」といった追加条件のことですね。 具体的に追加したのは、以下の3つの有名なインジケーターです。

  • SMA(単純移動平均線): 価格の平均値を表し、トレンドの方向を見るのに役立ちます。
  • RSI(Relative Strength Index): 相場が買われすぎか売られすぎかを示す指標です。
  • ADX(Average Directional Index): トレンドの強さを示す指標です。 これらのインジケーターを単独で追加したり、複数組み合わせたりして、全部で8パターンものEAを検証してみました。「フラクタルを使ったEAの精度を、もっと高められないかな?」という期待があったんです。

どうやって試したの? 厳しめの「前進検証」でチェック!

今回の検証では、日足(D1)と4時間足(H4)の両方の時間軸でテストを行いました。 そして、EAの性能を測るために「前進検証(Walk Forward Optimization)」という、かなり厳しめの方法を採用しています。これは、過去のデータでEAの設定を最適化した後、その設定をまだEAが見ていない、より新しい期間のデータでテストするという方法なんです。例えるなら、過去問を完璧に解いてから、本番のテストで本当に実力が通用するかを試すようなものですね。これによって、EAが特定の期間に「たまたま」うまくいっただけの「過剰最適化(Overfitting)」(過去のデータに合わせすぎて、未来の相場では通用しなくなる状態)ではないかを見極めることができます。 EAが本当に安定して利益を出せるかを判断するための「頑健性基準」も設けました。具体的には、次の2つの条件をクリアする必要があります。

  1. 通算でプラスの利益が出ていること
  2. 検証期間7年間のうち、5年以上で年間の利益がプラスになっていること この厳しい基準をクリアできるEAだけが、長期的に使える「優位性(エッジ)(Edge)」(優位性=平均的に利益を出せること)を持っていると判断します。

結果はどうだった? 残念ながら、安定した優位性は見つからず…

結論から言うと、残念ながら今回の検証では、どの組み合わせも頑健性基準を満たすことはできませんでした。 検証の途中では、「フラクタルとRSIが70未満の時だけエントリーする」といった組み合わせで、特定の期間(固定IS/OOSという、限定的な期間での検証)では「プラス50%以上の利益が出たように見える」ものもありました。一時的には「お、これはイケるかも!?」と期待させる数字が出たんです。 しかし、より実践的な「前進検証」で試してみると、その期待は打ち砕かれてしまいました。

  • 日足(D1)と4時間足(H4)のどちらのタイムフレームでも、全ての組み合わせが頑健性基準を満たせなかったんです。
  • 一番成績が良かった組み合わせでも、4時間足(H4)で「7年間のうち4年しか勝てず」、しかも「通算の利益はほぼゼロ」という結果でした。 さらに、フィルターをたくさん追加すればするほど、トレード回数が減っていく傾向が見られました。その結果、一時的に良く見えた固定OOSの数字も「平準化」(突出した利益が出なくなり、普通の成績に落ち着くこと)してしまい、過剰最適化が解消されると同時に、EAの「優位性」(優位性)も消えてしまうという残念な結果になったんです。

ここから学んだこと! 「優位性のない部品からは優位性は生まれない」

今回の検証で改めて強く感じたのは、**「優位性のない部品(インジケーター)を組み合わせても、安定した優位性(優位性)は生まれない」**という、以前の研究(研究⑬)でも得られた教訓です。 フラクタルというインジケーターは、単体ではEAの優位性を生み出すには不十分で、他の有名なテクニカル指標(SMA、RSI、ADX)と組み合わせても、その状況は変わりませんでした。今回の結果をもって、「フラクタル系」のEAも、単体では優位性になりにくい「標準テクニカル指標」の網羅済みリストに追加されることになります。 これまでの私たちの研究全体を通じて、本当に安定して利益を出せるEAのロジックは、インジケーターの組み合わせに頼るのではなく、純粋な値動き(価格)に基づいた、長期的な上昇トレンドを狙うものに限られる、という大きな結論が、今回の検証でもさらに補強された形です。 どんなインジケーターを組み合わせても、魔法のように利益を出すEAが生まれるわけではない、という現実を改めて突きつけられた検証となりました。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。