
もう一つの収益源を徹底的に探した記録
「別口の積み増し」というテーマで、価格データの中に他に利益を上乗せできるロジックはないか、徹底的に探し回ってみました。結論から言うと、価格データの中に大きな宝物は眠っていません。
「別口の積み増し」というテーマで、価格データの中に他に利益を上乗せできるロジックはないか、徹底的に探し回ってみました。結論から言うと、価格データの中に大きな宝物は眠っていません。
検証したメカニズムと結果
まずは、カレンダースリーブ(特定の期間に絞って取引する手法)や季節性など、さまざまな角度から検証を行いました。
| 検証項目 | 主な結果 | 評価 |
|---|---|---|
| カレンダースリーブ(4&12月) | 月利+12%、DD-4.9%、相関0.24 | 採用 |
| カレンダースリーブ(水曜) | コスト負け(高頻度のため) | 不採用 |
| 通貨別月別季節性 | 月利+1.7%、9年中4年勝ち、相関0.33 | 不採用 |
| リードラグ発掘 | 先行・遅行性なし、自己ラグは微損 | 不採用 |
| カレンダースリーブのうち、4月と12月を狙うものや、月替わりのタイミングを狙うものは一定の成果がありました。ただ、これらをすべて積み上げても年間で約1%のプラスにしかならず、目標としている月利2%には遠く及びません。 | ||
| また、銘柄同士の先行・遅行関係(リードラグ)や、過去の自分自身の値動きとの相関(自己ラグ)も調べてみましたが、いずれも利益を削るコストを上回るほどの優位性は見つかりませんでした。 |
なぜ「価格データ」だけでは限界があるのか
今回、裁定取引、季節性、曜日効果、時間帯、レンジ逆張り、モメンタムなど、考えうる限りのメカニズムを前進検証(過去データで最適化せず、未知のデータで性能を測る検証)まで含めて網羅しました。 その結果、本物の「別口」と言えるものは、低頻度なカレンダー効果(月替わりや4・12月)くらいで、その寄与度も年間で0.5%程度と非常に小さいことが分かりました。これ以上価格データの中に何かを探そうとするのは、単なるデータ漁り(ありもしないパターンを無理やり見つけ出す行為)になってしまいます。
月利2%を実現するための現実的な道筋
安全にドローダウン(資産の山からどれだけ下落したかを示す指標)を抑えつつ月利2%を目指すには、もう価格データ内の探索に頼るべきではありません。残された道は以下の2つに絞られます。
- トレンドの核となるロジックを磨き上げる 現在、別トラックで検証しているトレンドフォロー型のシステム(7ペア+オーバーレイ)は、月利2.62%、ドローダウン9.4%という水準まで到達しています。価格データの中で利益を積み増すなら、この核となる性能をさらに高めるのが唯一の道です。
- 価格以外のデータを使う 金利差(キャリー)など、チャート上の値動きとは別の要素を組み込むこと。これが「大きな別口」を作るための現実的な選択肢です。 なお、すでにプロップファームの合格基準については、複数のシステムを組み合わせることで合格確率約79%まで達成できています。これ以上の深追いはせず、この2つの方向性に集中してシステムを改善していくのが賢明だと判断しました。
関連コード(再現用)
この検証は以下のスクリプトで再現できます(リポジトリ参照)。
scripts/study_calendar_sleeves.pyscripts/study_leadlag.pyscripts/study_seasonal_forward.py