隠れたお宝発見か?別口の利益チャンスを徹底探索!

却下手法 · 1 min

カレンダースリーブ(): 4&12月 ✅両期間+(全+12%/DD-4.9%/相関0.24)、

本記事は「隠れたお宝発見か?別口の利益チャンスを徹底探索!」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

FX自動売買(EA)で安定して利益を出すには、メインのEAとは違う、独立した利益源を見つけることが大切ですよね。今回は、FXの価格データの中にまだ見ぬ「別口の利益チャンス」がないか、徹底的に探してみた研究結果をお話しします。

どんなアイデア?

私たちのメインのEAがトレンドフォロー型だとすると、もしトレンドとは関係なく、特定の時期や曜日にだけ現れる価格のクセ、つまり「隠れたお宝」のような利益源が見つかればどうでしょう? 例えば、毎年決まった月に特定の通貨ペアが上がりやすいとか、週の特定曜日にだけ不思議な値動きがあるとか。もしそんな「別口の利益チャンス」が見つかれば、EA全体の成績をさらに安定させたり、利益を積み増したりできるんじゃないか?というのが、今回の研究のアイデアなんです。まるで、メインのエンジンとは別に、予備の小さなエンジンをいくつか搭載するようなイメージですね。

どうやって試した?

「隠れたお宝」を探すために、私たちはさまざまな角度から価格のクセを徹底的に検証してみました。 具体的には、次のような「メカニズム」がないかをチェックしましたよ。

  • カレンダースリーブ: 特定の月や曜日だけEAを動かす、あるいは止めるといった戦略が有効じゃないか?という視点です。
  • 通貨別月別季節性: 「この通貨ペアは毎年4月に強い」といった、特定の通貨ペアが特定の月に上がりやすい、あるいは下がりやすいといった傾向がないか探しました。
  • リードラグ発掘: ある通貨ペアが動いた後、別の通貨ペアが少し遅れて同じ方向に動く、といった関係性(先行・遅行関係)がないか?というユニークな視点ですね。
  • 自己ラグ1: 自分自身の過去の値動きが、未来の値動きに影響を与える(例えば、1時間前に上がったから、今度は少し下がる、みたいな)パターンがないか?も調べました。 これら以外にも、裁定取引(異なる市場間の価格差を利用する取引)のチャンスがないか、特定の時間帯の値動き(イントラデイ)にクセがないか、レンジ相場での逆張りや、売り(ショート)での利益チャンス、複数の通貨ペアをまたいだトレンド(クロスセクショナル・モメンタム)など、本当に多くの異なるメカニズムを試してみました。 そして、これらの検証はすべて「前進検証 (forward validation)」という厳しいテストで行っています。これは、過去のデータでたまたまうまくいったように見えても、未来のデータで本当に通用するのかを厳しくチェックするテストのこと。過去の「偶然の成功」に惑わされないために、とても大切なプロセスなんです。

結果はどうだった?

さて、これだけ徹底的に探した結果、どうだったかというと……大きな「お宝」は見つかりませんでした。でも、いくつかの小さな発見はありましたよ。

カレンダースリーブの発見

  • 4月と12月のわずかな傾向: 年間の利益全体でいうと、約+0.12%くらいの上乗せになる可能性があり、さらにドローダウン(一時的な損失。登山でいう「どれだけ下りに転じたか」のようなものですね)も少し抑えられるかもしれない、というごく小さな傾向が見つかりました。ただ、他のEAとの利益の連動性(相関)は0.24とそこそこなので、完全に独立した利益源とは言えなさそうです。
  • 月替わりの傾向: 以前の研究でも分かっていたんですが、月が替わるタイミングにわずかな傾向があることも、改めて確認できました。
  • 水曜日の検証: 水曜日に何か特別な動きがあるんじゃないかと探してみたんですが、残念ながらトレード回数を増やすと、スプレッドや手数料といったコストに負けてしまい、利益にならないことが分かりました。たまにしかトレードしないような「低頻度」の戦略ならコストに耐えられる可能性もありますが、現実的ではありませんでしたね。

通貨別月別季節性の検証

  • 8年間で合計+1.7%くらいの利益しかなく、しかも勝った年が9年中4年だけ、という結果でした。他のEAとの相関も0.33とそこそこあるので、これも「大きな別口」とは言えません。残念ながら不採用です。

リードラグ発掘の検証

  • ある通貨ペアが動くと、別の通貨ペアが少し遅れて動く、みたいな「先行・遅行関係」は、残念ながら全く見つかりませんでした。
  • 自分自身の過去の値動きが未来に影響するパターン(自己相関)は、例えば「1時間前に上がったから、今度は少し下がるかも」といったごくわずかな反転傾向が見つかりました。でも、その利益は1トレードあたり-0.02%〜-0.04%と本当に小さくて、これまたスプレッドや手数料といったコストを考えると、全く利益にならないことが判明。これも不採用です。

全体の結論: 価格データに「大きな別口」はなかった!

まとめると、FXの価格データの中から見つかった「本物の別口」は、月が替わるタイミングと4月・12月に現れるごくわずかな季節性くらい。しかも、それぞれ年間0.5%くらいと本当に小さいんです。これらを全部合わせても年間1%程度。私たちが目標としている「月2%(年間24%)」の安定利益には、はるか遠い数字ですよね。 つまり、FXの価格データの中に「これぞ!」という大きな別口の利益チャンスは、どうやら存在しない、という結論になりました。色々な角度から、しかも「前進検証」という厳しいテストをクリアしたものだけを見ても、です。これ以上価格データの中を探しても、それはもう「データ漁り」(data-dredging)になってしまって、再現性のない、偶然の発見に過ぎない可能性が高い、ということなんですね。

ここから学んだこと

今回の徹底的な探索で、価格データの中には「大きな別口」がないことが分かりました。では、私たちが目指す「月2%(安全なドローダウン=一時的な損失で)」という目標を達成するための現実的な道はどこにあるのでしょうか? 私たちの研究では、大きく分けて2つの道に絞られました。

  1. 「トレンドフォロー」の戦略を徹底的に磨き上げる! 価格データの中で月2%の利益を目指すなら、やはり「トレンドフォロー」の戦略を徹底的に磨き上げていくのが唯一の現実的な道だ、ということが改めて分かりました。具体的には、私たちが研究している「fto breakout_h1」という戦略(複数の通貨ペアを組み合わせ、さらに別の情報も加える「オーバーレイ」という手法も使います)が、月2.62%の利益でドローダウン(一時的な損失)も9.4%と、かなり良い水準を出しているんです。
  2. 「価格データ以外の情報」に目を向ける! もう一つは、「価格データ以外の情報」に目を向けること。例えば、「カリー」や「金利差」といった、市場の心理や経済状況を表すデータですね。これらは、価格データとは全く違う動きをするので、もしうまく使えれば、本当に大きな「別口の利益チャンス」になる可能性があります。 ちなみに、私たちが目指している「プロップファーム(資金提供会社)の審査に合格する」という目標は、すでに複数のEAを組み合わせた「分散システム」で、約79%の確率で達成できています。これは、一つのEAに頼るのではなく、色々なEAを組み合わせることでリスクを分散し、安定した成績を出せるようになった、ということなんですね。 今回の研究で、価格データの中の「お宝探し」は一旦終了。これからは、より確実な方法で月2%を目指していきますので、今後の研究にもぜひご注目ください!

関連コード(再現用)

この検証は以下のスクリプトで再現できます(リポジトリ参照)。

  • scripts/study_calendar_sleeves.py
  • scripts/study_leadlag.py
  • scripts/study_seasonal_forward.py