EA不調時に自動で損失回避!画期的システム?

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robust5(XAU/USDJPY/GBPJPY/EURJPY/CHFJPY) H1, overlay(eq<60日MAで×0.5)。

本記事は「EA不調時に自動で損失回避!画期的システム?」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

図: ブレイクアウトのエントリー例(XAUUSD 日足・実データ)。直近の高値を上抜けたところで買います。

今回は、EAの運用で「エクイティoverlay」というちょっと面白い試みをしてみたんです。これは、EAの調子が悪い時に、自動的にリスクを調整して損失を抑えようというアイデアなんですよ。

どんなアイデア?

「エクイティoverlay」って、ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんね。簡単に言うと、**「もし口座残高(エクイティ)が過去の平均よりも下がってしまったら、EAの取引リスクを自動的に半分に減らしましょう!」**という仕組みなんです。 イメージとしては、車の運転で「雨が降ってきたらワイパーを動かして、速度を落とす」ような感じでしょうか。常に全力で走るのではなく、状況に合わせて慎重になることで、事故(大きな損失)のリスクを減らそう、という狙いなんですね。 具体的には、過去60日間の口座残高の移動平均線(MA = Moving Average。過去の一定期間の平均値を線でつないだもの)を下回ってしまった場合に、取引量を通常の半分(0.5倍)にするように設定しました。

どうやって試した?

このアイデアを試すために、私たちが普段から検証している「トレンド核」というEAを使いました。これは、相場のトレンドをしっかりと捉えて利益を狙うタイプのEAなんです。 検証対象としたのは、特に安定した動きが期待できる5つの銘柄です。

  • ゴールド(XAU/USD)
  • ドル円(USDJPY)
  • ポンド円(GBPJPY)
  • ユーロ円(EURJPY)
  • スイスフラン円(CHFJPY) これらの銘柄で、1時間足(H1)を使ってバックテスト(過去のデータでEAの性能を検証すること)を行いました。複数の銘柄で試すことで、特定の通貨ペアだけに依存しない、より「堅牢性(ロバストネス)」の高い結果が得られると考えたからです。

結果はどうだった?

さて、気になる結果です。結論から言うと、ドローダウン(DD = 一時的な最大損失幅)は確かに減ったものの、利益もそれに合わせて減ってしまうという結果になりました。

  • リスク0.4%での検証:
  • 通常運用時のドローダウン: -17.4%
  • エクイティoverlay導入後のドローダウン: -15.2%
  • 約13%のドローダウン削減に成功!これは嬉しい改善点です。
  • しかし、月間の平均リターン(利益)は、通常時の0.99%から0.76%に減少してしまったんです。 これだけ見ると、「ドローダウンが減ったなら良いじゃないか!」と思うかもしれません。ですが、実は以前に検証した別の手法(fto版)では、利益をあまり減らさずにドローダウンだけを大きく減らせた(32%→20%)経験があったんです。 今回、なぜ利益も一緒に減ってしまったかというと、エクイティの移動平均線を使っている関係で、「MAラグ(遅延)」が発生してしまうことが原因と考えられます。相場が回復し始めても、移動平均線がすぐに追いつかないため、EAが慎重な取引を続けてしまい、その回復局面での利益を取りこぼしてしまう、というわけなんですね。まだ、私たちの実装が最適化されていない部分もあるかもしれません。

リスクを上げてみたらどうなった?

「じゃあ、もう少しリスクを上げてみたらどうなるんだろう?」と思って、今度はリスクを0.6%に設定して試してみました。

  • この場合、月利は1.07%に上がったものの、ドローダウンも-22%と大きくなってしまいました。
  • さらに、モンテカルロシミュレーション(MC = 様々なパターンでシミュレーションを行い、結果のばらつきやリスクを評価する方法)で調べてみたところ、この設定だと「最大損失失格(破綻)」になる可能性が22%もあることが分かりました。 つまり、リスクを上げれば利益は増えるけど、その分、口座を大きく減らしてしまう(あるいは破綻してしまう)可能性も無視できないレベルだ、ということが見えてきたんです。

ここから学んだこと

今回の検証から、いくつかの重要な学びがありました。

安定性と利益のバランス

今回の「エクイティoverlay」を導入することで見えてきたのは、**「安全な運用を目指すなら、ドローダウンを10%未満に抑えて、月利0.5%くらいが現実的」**というラインです。もしもう少し攻めて、ドローダウン15%くらいを許容できるなら、月利1%も狙えるかもしれません。 ただし、これは「レジーム依存」、つまり相場の状況(トレンドが出やすい相場か、それともレンジ相場かなど)によってパフォーマンスが変わる可能性がある、という点も忘れてはいけません。 この数値は、以前に検証した別のEA(fto breakout_h1)の正直な結果(未知の期間でのテストで月利+1.24%、学習期間でのテストで月利+2.32%)と比べても、おおむね整合性が取れており、現実的な目標値だと考えています。

価格データの優位性(エッジ)とその限界

今回のプロジェクトを通して、私たちは「価格データだけを使った、本物の優位性(優位性)=長期的なトレンドを捉える能力」を、しっかりとEAで再現し、それがどれくらいの利益を生み出すのかを数値で定量化することができました。 これは、価格データから得られる優位性の「天井」とも言えるでしょう。つまり、価格データだけを使ってできることには限界がある、ということを再認識したんです。 これ以上の利益を積み上げていくためには、金利差や通貨の強弱(カリー)といった、「価格以外のデータ」も活用していく必要があります。これらは、より高度な分析を行っている「fto」と呼ばれる領域の専門分野になってくるでしょう。 今回の検証で、私たちが開発・検証しているEAの基本的な基盤は完成し、その信頼性も確認できた、と言えるでしょう。これからも、さらに安定したEAを目指して、検証を続けていきますね!