第2の優位性を見つけろ!隠れた利益源を徹底検証

却下手法 · 1 min

A: ORBイントラデイ(M30) → OOS-96%/IS-94%。高頻度ゆえスプレッドで壊滅。

本記事は「第2の優位性を見つけろ!隠れた利益源を徹底検証」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

今回の研究では、私たちが普段使っているEA(自動売買プログラム)の「メイン戦略」とは別に、何か新しい稼ぎ頭(いわゆる「第2の優位性(エッジ)」)を見つけられないか、いくつかのアイデアを徹底的に検証してみました。

どんなアイデアを試したの?

FXの相場には色々な値動きのパターンがありますよね。今回は特に、メインのEAとは違う動きをする可能性がありそうな、以下の3つのアイデアに注目して検証してみました。

アイデアA:朝イチの動きに注目する戦略(ORBイントラデイ)

市場がオープンして最初の数時間の値動き(オープニングレンジ)に注目して、そのレンジをブレイクしたらエントリーするという戦略です。今回は30分足(M30)を使って試してみました。

アイデアB:レンジ相場で逆張りする戦略

トレンドがなく、価格が一定の範囲(レンジ)を行ったり来たりしているときに、「上がりすぎたら売る」「下がりすぎたら買う」という逆張り戦略です。ドルを含む通貨ペアで1時間足(H1)を使い、ADX(トレンドの強さを示すインジケーター)でレンジ相場だと判断できたときにだけ取引するようにしました。

アイデアC:トレンドに乗って売りで攻める戦略(ショート・スリーブ)

一般的にFXの自動売買では「買いのトレンドフォロー」が強いと言われますが、もし「売りのトレンドフォロー」でも安定して利益を出せるなら、メインEAの分散効果にもなるはず。そこで、トレンドに乗って売りで攻める戦略を1時間足(H1)で試してみました。

どうやって試したの?

これらのアイデアが本当に通用するのか、過去の相場データを使って徹底的にバックテスト(過去検証)を行いました。 特に重要視したのは、検証期間を「インサンプル(IS)」と「アウトオブサンプル(OOS)」に分けることです。

  • インサンプル(IS):過去データで最適な設定を探す期間
  • アウトオブサンプル(OOS):その設定が、最適化に使っていない「未知の期間」でも通用するかを試す期間 これによって、過去のデータにたまたまハマっただけの「カーブフィッティング」を防ぎ、より信頼性の高い結果を得られるように心がけました。また、既存のメインEAの損益と、今回試したアイデアの損益がどれくらい関係があるか(相関)も調べましたよ。

結果はどうだった?

残念ながら、期待通りの「第2の優位性」は見つかりませんでした。それぞれ見ていきましょう。

アイデアA:朝イチの動きに注目する戦略

  • 結果:OOS -96% / IS -94% なんと、未知の期間でも、最適化した期間でも、どちらも90%以上のマイナスという壊滅的な結果になってしまいました。 これは、この戦略が「高頻度取引」(取引回数が多い)だったために、取引のたびに発生するスプレッド(買値と売値の差額)が積み重なって、利益をすべて食いつぶしてしまったのが主な原因なんです。残念!

アイデアB:レンジ逆張り戦略

  • 結果:OOS -8.9% / IS -10.4% (PF 0.94) こちらも、未知の期間、最適化期間ともにマイナス。PF(プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失。1を超えると黒字)も0.94と、総利益が総損失を下回る(要するに負けている)結果でした。 良い点としては、メインのEAとは損益の動きがほとんど関係なく(無相関 -0.07)、一時的にメインEAと組み合わせることで合算のドローダウン(口座の資産が一時的にどれだけ減ったか)を改善する効果は見られました。 でも、結局は**「負のEV」**、つまり1回あたりの取引で平均すると損失が出る、ということが判明したんです。いくらドローダウンが改善されても、最終的に負ける戦略では意味がありませんよね。

アイデアC:トレンドに乗って売りで攻める戦略

  • 結果:OOS +8.0% / IS -48.5% この戦略は、未知の期間(OOS)では一時的にプラスになったものの、最適化期間(IS)では約48%もの大幅なマイナスになってしまいました。 特に、上昇相場が続くと、売りで入るこの戦略はことごとく損切りになってしまい、口座資金が大きく減ってしまうことが分かりました。メインEAとは無相関で分散効果は期待できたんですが、トータルで見るとやっぱり負けてしまう戦略だったんです。

ここから学んだこと

今回の検証から、私たちはいくつかの重要な結論に達しました。

価格ベースの「第2の優位性」は見つからなかった

色々な角度から価格の動きを分析し、メインEAとは異なる「優位性」(優位性)を探してみましたが、残念ながら価格の動きだけを根拠にした新しい優位性は見つかりませんでした。 アイデアBやCのように、メインEAと損益が「無相関」で、一時的にドローダウンを減らす効果があったとしても、その戦略自体が「負のEV」(最終的に負ける)であるなら、それは**「違う場所で負ける」だけで、トータルの利益を減らしてしまう**だけなんです。

FXで本当に稼げるのは「買いのトレンドフォロー」が基本

今回の結果を改めて見て、FXの価格変動から安定した利益を得るための「本物の優位性」は、やはり私たちがメインEAで採用している**「ロング(買い)のトレンドフォロー」に尽きる**ということを強く再認識しました。

本当のリスク分散は「価格以外の要素」に求めるべき

もしメインEAのパフォーマンスをさらに安定させ、リスクを分散させたいのであれば、それは価格の動き以外の要素に求めるべき、という結論になりました。例えば、金利差(スワップポイント)を狙う戦略や、カリー基準(資金管理の理論)のような、より高度な資金管理の工夫ですね。 実は、別のチームで進めている検証(fto側)でも、押し目買いや複数時間軸分析(MTF)といった価格ベースの戦略は採用せず、カリー基準などの資金管理が次の真の分散軸であるという結論に至っており、今回の検証結果と独立して同じ結論になったんです。これはとても興味深い一致ですよね!

じゃあ、メインEAでどうするのが一番いいの?

今回の検証を経て、私たちのEAで最も効果的なのは、やっぱり「買いのトレンドフォロー」という核となる戦略を最大限に活かすこと、そしてそれを賢い資金管理でサポートすることだと再確認しました。 具体的には、「エクイティオーバーレイ」という機能を使うのがおすすめです。これは、口座の資産状況に応じて取引ロット(取引量)を自動で調整する仕組みのこと。例えば、「口座の資産(エクイティ)が直近60日間の移動平均を下回ったら、一時的にロット数を半分に減らす」といった設定です。 こうすることで、相場が一時的にEAに不利な状況になっても、ドローダウン(DD)を抑えつつ、相場が回復してきたらまたロットを元に戻して(再レバレッジ)利益を伸ばしていくことができます。この戦略は、実際に別の検証(ftoのE章)で月利2倍の実績も出ているんですよ。 今回の検証で、安易な「第2の優位性」探しではなく、既存の強みを最大限に活かし、資金管理を徹底することの重要性を再認識する良い機会となりました。これからも、より安定したEA運用を目指して研究を続けていきます!