
弱くても勝てる?小さな優位性を束ねる驚きの安定術
構成(無相関を狙い通貨×手法を分散): USDJPY/EURAUD×Trend+ADX, EURJPY/GBPNZD/GBPUSD/XAGUSD×RSI。各risk0.5%。
本記事は「弱くても勝てる?小さな優位性を束ねる驚きの安定術」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。
今回の検証は「小さな優位性(エッジ)の組み合わせ」がテーマです。たくさんのEAを組み合わせることで、どれくらい安定した運用ができるのか、その可能性を探ってみました。
どんなアイデア?
FXの世界には、相場のちょっとした偏りや優位性、つまり「優位性」を見つけて利益を狙うEAがたくさんありますよね。でも、すごく強力な優位性を持つEAって、なかなか見つかるものではありません。 そこで今回は、**「単体では派手じゃなくても、いくつかの小さな優位性を組み合わせたらどうなるんだろう?」**というアイデアを検証してみたんです。 ポイントは、組み合わせるEA同士が「無相関(むそうかん)」であること。これは、それぞれのEAの動きがバラバラで、お互いにあまり影響し合わない状態のことです。例えるなら、晴れの日が得意なEAと、雨の日が得意なEAを組み合わせるようなイメージですね。そうすれば、どちらか一方が調子を崩しても、もう一方がカバーしてくれるので、全体としては安定しやすいはず、と考えました。 具体的には、こんな感じで通貨ペアと手法を分散させてみました。
- USDJPY(米ドル/円)とEURAUD(ユーロ/豪ドル):トレンドフォロー系(相場の流れに乗るタイプ)にADX(トレンドの強さを示す指標)を組み合わせたEA
- EURJPY(ユーロ/円)、GBPNZD(英ポンド/NZドル)、GBPUSD(英ポンド/米ドル)、XAGUSD(銀/米ドル):RSI(買われすぎ・売られすぎを示す指標)を使ったEA そして、それぞれのリスクは0.5%と小さめに設定しています。もし、どれか一つのEAが大きく負けても、全体の損失が限定的になるように配慮したわけですね。
どうやって試した?
まずは、この組み合わせたEAたちが本当に「無相関」なのかどうかを確認しました。それぞれのEAの日ごとの成績を調べて、その相関関係を計算してみたんです。 結果はなんと、平均0.00!これはつまり「ほぼ無相関」ということ。狙い通り、それぞれがバラバラに動いてくれることが確認できました。 この「分散が効く」という状態は、EA運用においてすごく大事なんです。例えば、あるEAが相場の状況と合わずに負けている日でも、別のEAが違う相場状況で利益を出してくれるかもしれない。そうやって、お互いを補い合うことで、全体としての安定性が高まる、というわけですね。
結果はどうだった?
この組み合わせを、2016年から2024年までの約9年間でバックテスト(過去のデータでEAの性能を検証すること)してみました。その結果がこちらです!
- トータルリターン: +17.7%
- 最大ドローダウン (maxDD): -6.3% (9年間)
- プロフィットファクター (PF): 1.27
- シャープレシオ (Sharpe): 0.69
- 勝ち年: 7年間中6年がプラス いかがでしょうか? まず、トータルリターンは+17.7%。年利にするとだいたい2%くらいなので、派手さはありませんよね。でも、注目してほしいのは、**「最大ドローダウン -6.3%」という数字です! ドローダウンというのは、運用資金が一時的にどれくらい減ったか、を示すものです。登山で例えるなら、「山頂を目指す途中で、どれくらい谷に落ちちゃったか」みたいなものですね。これが9年間で最大でも6.3%しか減らなかったというのは、驚異的な安定感と言えるでしょう。 よくあるプロップファーム(資金提供をしてくれる会社)のチャレンジでは、「最大ドローダウンは10%まで」といった制限があることが多いのですが、これならかなり余裕を持ってクリアできそうです。 また、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失)が1.27というのも、堅実な証拠です。1を超えると黒字、つまり利益が損失を上回っていることを意味します。このEAは、利益が損失よりも1.27倍大きかったということになりますね。 年間成績も、7年間のうち6年がプラスと、非常に安定していることがわかります。 まとめると、この組み合わせは、「派手なリターンはないけれど、非常に低いドローダウンで、とにかく安定して利益を積み上げてくれるEA」**だということが判明しました。まさに、長期的に継続して出金していくという目的にぴったりの特性を持っていると言えそうです。
ここから学んだこと、そして次のステップ
今回の検証で改めて感じたのは、**「単体でめちゃくちゃ強いEAを探すよりも、無相関な小さな優位性を持つEAをたくさん組み合わせて束ねるのが、着実に利益を出し続けるための現実的な王道なんだな」**ということです。 一発逆転を狙うのではなく、地道にリスクを分散して、全体の安定性を高める。これが、FX自動売買で長く生き残るための秘訣なのかもしれませんね。 もちろん、この結果をさらに良くしていくための課題も見つかっています。
- リターンとリスクの最適化: 今はドローダウンが非常に低いので、もう少しだけリスクを取って(各EAのロット数を少し上げて)、年利8%くらいを目指せないか?そうすれば、プロップファームの試験合格ももっとスムーズになるかもしれません。リスクとリターンのバランスをどこで取るか、さらに探っていきます。
- 短い時間軸での検証: 今回は比較的長い期間での検証でしたが、M1(1分足)のような短い時間軸での動きも詳しく見て、EAのパフォーマンスをさらに深掘りしていきたいと考えています。
- 未来の相場での確認: 今回の結果は、過去のデータで一番良い組み合わせを選んだ「選択バイアス」の影響を受けている可能性もあります。なので、まだ見ていない新しい期間のデータを使って、本当にこの組み合わせが将来の相場でも「頑丈(頑健)」なのかどうか、しっかり確認していく必要があります。 今回の検証で得た学びを活かして、これからも皆さんに役立つEAの情報をお届けしていきますね!